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【用語解説/意味/定義】カスタマージャーニー(Customer Journey)

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カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入するまでの一連のプロセスを時系列に沿って描写したモデルのことです。

それは一つの地図のようで、その上には顧客が触れる触媒や接触点、経験値などがマッピングされています。

それによって、企業は顧客の体験や行動、感情などを可視化し理解することができるのです。

定義とその重要性

カスタマージャーニーとは、単純に言えば、顧客が企業との関わりを通じて経験するすべてのステップを追体験する散歩のようなものです。

商品やサービスに初めて触れる瞬間から、購入、利用、さらにはリピートや口コミに至るまでの一連の流れを時系列で捉え、企業から見たプロセスではなく顧客から見たそれを描き出します。

それがなぜ重要かというと、カスタマージャーニーを理解することで、企業は顧客の経験を最大化するための機会を探し出すことができます。

どの触媒や接触点で顧客が喜び、またどのポイントで問題を感じているのかを明らかにし、その解決策を見つけるのに役立ちます。

その起源と進化

カスタマージャーニーの考え方は、実は20世紀初頭の広告業界に起源を持ちます。

それは「AIDAモデル」(Attention, Interest, Desire, Actionの頭文字)という名前で知られています。

このモデルは、消費者が商品を見つけて購入するまでの一連のプロセスを線形のフローとして捉えたものでした。

時代が進むにつれて、これらの線形的な価値創造モデルは、より複雑かつ循環的な顧客体験モデルに発展。

それが今日のカスタマージャーニーとなりました。特にデジタル化が進む現代では、オンラインとオフラインが融合した多様な顧客体験を捉えるため、より精緻なカスタマージャーニーマッピングが求められます。

カスタマージャーニーの作り方

カスタマージャーニーを作ることは、ビジネスを成功させるために大変重要です。

これは、顧客が製品やサービスに接触し、それを使用する全過程を表したものであり、消費者の視点を理解するための有効なツールとなります。

それでは、カスタマージャーニーの作り方を見ていきましょう。

需要理解と目標設定

カスタマージャーニーを作る前には、まず、お客様の需要を理解し、具体的な目標を設定することが必要です。

これにより、何を提供すべきか、どのように提供すべきか、提供時に何を達成するべきかが明確になります。

まずは、ターゲットとなる顧客が何を求め、何に困っているかを調査します。

その上で、それらの需要に対し、自社がどのような解決策を提供可能かを明らかにします。

次に、具体的な目標を設定します。具体的なKPIを持つことで、その達成度を数値化し、明確に管理することが可能です。

ユーザーペルソナの作成

ユーザーペルソナとは、特定のユーザーグループを代表する架空の人物像を作り出すことです。

具体的な年齢、性別、職業、趣味、ライフスタイルなどを設定し、その人物が製品やサービスをどのように使用するか、また、どのように感じるかを想像することで、製品開発やマーケティング戦略を作り出すのに役立ちます。

ユーザーペルソナの作成は、データ分析や市場調査に基づくものであるべきです。

具体的なユーザーの行動パターンやニーズ、課題を理解し、それを元にペルソナを設計することで、よりリアルな顧客像を描けるからです。

タッチポイントの特定

タッチポイントの特定は、顧客が製品やサービスにどのように接触していくのか、その全過程を明らかにするステップです。

ここでは、商品の認知から購入、利用、そしてリピートに至るまでの各接点を特定し、それぞれの接点で顧客がどのような体験をするか、また、どのような感情を抱くかを明らかにします。

消費者の視点でタッチポイントを把握することで、消費者が求めている価値や体験を理解し、それに対する最適なソリューションを提供することが可能になります。

ジャーニーマップの作成

最後に、以上のすべてを統合し、実際のカスタマージャーニー・マップを作成します。

これは、顧客が製品やサービスを通じて経験する全過程を視覚化したもので、一連の顧客体験を一覧化し、理解しやすくする効果があります。

このマップによって、顧客がどのタッチポイントでどのような体験をし、それによってどのような感情を抱くかが明らかになります。

これをもとに、顧客エクスペリエンスの改善ポイントを特定し、より良い製品やサービスを提供するための戦略を立てることが可能になります。

カスタマージャーニーを活用するためのツール

カスタマージャーニーを効果的に活用するには、それを具体化し、可視化するためのツールが必要です。

ツールの活用を通して、顧客が商品やサービスに接する過程を理解し、それに沿った戦略を立てることが可能になります。

また、定性的な情報だけでなく、定量的な情報も組み合わせることでより具体的な顧客理解へとつながるでしょう。

本稿では、そうした実践的なツールの紹介と、各ツールの特性と活用方法について深掘りします。

実践的なツールの紹介

顧客の行動パターンを把握するためには、細かなアクションを記録し、分析することが必要です。

行動ログ解析サービスやアンケート分析ツールがあります。

これらのツールは直感的な操作で、顧客の具体的な行動をつかむことが可能です。

もちろん、その使用法は非常に幅広く、商材や目的により使い方が変わってくるでしょう。

また、SNS分析ツールも重要です。

これにより、顧客の感情や意見を直接、リアルタイムで掴むことができます。

各ツールの特性を理解し、戦略に活用していきましょう。

各ツールの特性と活用方法

行動ログ解析サービスは、ユーザーの検索行動やクリック行動を詳細に記録します。

これにより、どのコンテンツにユーザーが興味を示し、何に反応しているのかを把握することができます。

また、アンケート分析ツールは、顧客の声を直接耳にするためのツールであり、顧客が何を求め、どう感じているのかを明らかにします。

それらを分析し、人間関係や顧客ニーズについての理解を深めるための手助けとなります。

一方、SNS分析ツールは、現在の顧客の声や、市場での傾向・トレンドをつかむことが可能です。

これらのツールを活用することで、より深いレベルでの顧客理解と、適切な商品・サービス提供策を実現することが可能になります。

カスタマージャーニーの成功事例

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを手に入れるまでの一連の体験のプロセスを示すものです。

一見単純に見える消費行動も、実は数々の接触点が絡み合うように複雑に連続して行うのです。

ここでは、そんな複雑性を見事に解決し、顧客満足度を大幅に向上させることができたカスタマージャーニーの成功事例を紹介します。

事例紹介

アメリカンエアラインズは、旅行体験の「カスタマージャーニー」を大きく向上させるために、自社アプリのリニューアルを行いました。

それ以前のアプリは、単にフライト情報を伝えるだけのものでしたが、新しく生まれ変わったアプリは、フライト遅延情報、手荷物の位置追跡、空港内のレストラン情報など多岐にわたる情報を提供します。

さらに、アプリを通じて、直接フライトを変更したり、アップグレードしたりできる機能も搭載されました。

これにより、顧客はそれぞれの旅行が最適なものになることを自己決定できます。

成功した要因の分析

この成功事例の背後には、いくつかの要素が重なっています。

まず一つ目は、全体の旅行体験を考慮したプロダクト設計の成功であります。

飛行機への搭乗だけでなく、空港での待ち時間も旅行の一部であると認識し、その最中でも安心して過ごせるようにすることで、顧客満足度を高めました。

次に、具体的な利益を提供する機能の導入に成功したことです。

フライト変更やアップグレードといった直接的なサービスが行えることで、利用者にとって有益な体験を提供したのです。

これらにより、アメリカンエアラインズは顧客体験の向上を図り、顧客ロイヤルティを確立しました。

カスタマージャーニーの未来予測

近年、テクノロジーの進化により社会の様々な領域が大きく変革されています。

その中でも、ビジネスにおけるカスタマージャーニー、つまり顧客体験の変化は特に注目に値します。

デジタル化が進むことで、これからどのようなカスタマージャーニーが展開されるのでしょうか。

テクノロジーの進化とカスタマージャーニー

テクノロジーの進化は、カスタマージャーニーを大きく変えています。

これまでの古典的なサービス提供から、AIやIoTなどの最先端技術を通じて個々の顧客を深く理解し、そのニーズに応じた最適なサービスを提供していく形が現れています。

特にAIの進化は、顧客行動の予測や個々の顧客ニーズの把握、それに応じたパーソナライズされたマーケティングの実施など、カスタマージャーニー全体を支える重要な要素となります。

さらに、IoTの普及はリアルタイムでの顧客データ収集と解析を可能にし、より詳細な個々の顧客理解とその顧客に対する最適なサービス提供を可能にしています。

これらのテクノロジーの進化が加速することで、今後カスタマージャーニーはよりパーソナライズされ、より具体的な顧客解決を追求した形に変化していくでしょう。

未来のビジネス風景

テクノロジーの進化と共に、未来のビジネス風景も変わりつつあります。

スマートデバイスの普及やリモートワークの増加により、企業との接触点が増えた顧客は、いつでもどこでもサービスを求めるようになります。

これに対応するため、企業は顧客との接点をデジタル化し、透明性の高いビジネスプロセスを作り出すべく努めています。

また、顧客データの分析により生まれる洞察(インサイト)を用いて、新たな市場ニーズを見つけだし、個々の顧客に対するパーソナライズと最適化を追求していきます。

その結果、顧客主導のビジネスモデルが新たに誕生することでしょう。

このような変革の中、顧客と企業の関係性がより深まり、持続的なビジネス成長を遂げる企業が増えていくこととなります。

カスタマージャーニーの課題と対策

カスタマージャーニーを巡る経営課題は、企業の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

顧客の行動パターンを分析し、それに基づく最適な販売戦略を設定するための重要なプロセスであるカスタマージャーニーは、その重要性と共に課題も抱えています。

ビジネス成功の鍵を握るカスタマージャーニーの問題点を正確に把握し、その解決策を迅速かつ効果的に提供すること――それが本項目での討論の主旨であります。

一般的な課題抽出

多くの企業が直面しているカスタマージャーニーの課題は「見えない顧客の行動」「一貫性のない顧客体験」「顧客ニーズの早期把握の難しさ」等です。

特にデジタル化が進む昨今では、オンラインとオフラインで顧客の行動を一元的に把握し、それをデータとして活用することが困難となります。

この問題により、一人ひとりの顧客がどんな経緯を辿って商品やサービスを選んでいるのか、その全体像を理解することが難しくなってしまいます。

また、企業が提供する様々なチャネルにおいて、一貫性を持つ顧客体験を提供することは容易ではありません。

これによって、顧客満足度の低下や、ブランドイメージへの影響を生む恐れがあります。

解決策と具体的なアクション

これらの課題を克服するための解決策としては、「デジタルツールの活用」「チャネル間の連携強化」「先進のアナリティクスを用いた予測」等があげられます。

顧客のオンライン行動を追跡し、そのパターンをつかみやすくするためには、最新のDCP(Data Customer Platform)の導入等、先進のデジタルツールを活用することが推奨されます。

また、チャネル間の連携強化は、「オムニチャネル戦略」の導入により実現可能です。

全てのチャネルが一貫した情報を発信し、顧客体験を統一することで、満足度向上に繋がります。

さらに先進のアナリティクスを用いた予測により、次に何が起こるかを把握し、それに応じた対応を行うことが可能となります。

これらのアクションにより、カスタマージャーニーの課題を解決し、企業の成長を促進していきましょう。

カスタマージャーニーを導入するためのポイント

成功的なカスタマージャーニーの導入には、組織全体の理解と共有、プロセスの設計と改善、そして、定量的・定性的な評価が必要です。

これらの要素は顧客体験を向上させるための柱であり、その結果は企業の成長に直結します。

カスタマージャーニーとは商品やサービスを購入するまでの顧客の動きを「旅行」と見立てて視覚化したものです。

その導入により、顧客視点で業務を理解し改善することが可能となります。

組織内での認知度向上

カスタマージャーニー導入のための最初のステップは、この考え方を組織内で共有し理解を深めることです。

これは、社員一人ひとりが顧客志向の思考を持つための進行役となるからです。

トップマネジメントから現場まで幅広い範囲のメンバーがカスタマージャーニーの重要性と使い方を理解することが必要です。

開示会、セミナー、ワークショップなどを通じて学ぶ機会を提供し、具体的な事例を共有して具体性を伴った理解を促進しましょう。

また、理論だけでなく現場での適用も重要です。

カスタマージャーニーを設計し、実際の業務に組み込むことにより、その効果を体感することができます。

組織内での認知度を上げるためには、継続的な教育と実践の繰り返しが必要となります。

戦略立案と実行

カスタマージャーニーの導入を成功させるためには、戦略的な観点での立案と実行が必要です。

これは、カスタマージャーニーをただ導入するだけではなく、その後の業務改善に活かすための基盤を作っていくことでしょう。

まずは、業務プロセスを見直し、顧客の視点から問題点が何であるかを見つけ出します。

次に、それらの問題を解決するための施策を立案し、具体的な行動プランを作ります。

このとき、全社的な視点でカスタマージャーニーを捉えるために、各部門間の連携が求められます。

また、施策は「優先順位」をつけて実行に移すべきです。

顧客体験の改善は一朝一夕には成し遂げられませんが、小さな改善を重ねていくことで大きな成果を生み出すことが可能となります。

そのための見直しと改善、評価のサイクルを回し続けることが重要となります。

同義語
カスタマージャーニー, Customer Journey
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