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SNS委員会を作っても運用できない……その2つの理由とは?

多くの企業がSNSを運用している昨今、みなさんもよく目にする企業アカウントがあることと思います。
とくに企業でSNSを行っていく際、個人よりもチームで取り組むことを私はおすすめしています。その理由は、大きく分けて2つあります。1つは、SNSといってもたくさんの種類があり特徴も異なっているため、企画や投稿にかけるマンパワーが必要となる点。そしてもう1つは、継続的な発信をするために、多くの視点やアイデアを要する点です。

ですが、私のもとには
「SNS委員会を作ったのに、運用がうまくいかないんです……」といったご相談がよく届きます。それはなぜなのでしょうか。また、どうすればチームの力を最大化できるのでしょうか。
チームでSNS運用に取り組む際のポイントとともにお伝えしていきます。

SNS委員会がうまくいかない理由

SNS委員会を作っても運用できない……その2つの理由とは?

SNS委員会のようにチームを立ち上げて取り組んでいるのは、SNS運用に対して「早く多くのフォロワーを獲得しなければ」「多くの情報発信がマスト」と課題感や熱意を持って取り組んでいる企業がほとんどです。
しかし、それゆえについ勢いだけでプロジェクトを進めてしまい、かえって残念な結果を引き起こしてしまう場合があるのです。
まずはよくある2つのパターンをご紹介しましょう。

失敗パターン1:SNSに不慣れな人でチームを構成してしまう

今までSNSに取り組んだことがなく、社長さんなどが「よし、やるぞ!」とトップダウンでプロジェクトを始めた企業に多い事例です。

とりあえず形を整えなくてはと、トップの鶴の一声で各事業部の部長さんなどが取り急ぎSNSのチームメンバーとして集められ、いざ運用をスタート。
しかし、部長クラスのみなさんは比較的年齢層が高めで、日常的にSNSに触れていない方が多いもの。そのため、使い方を学ぶことから始めなければならず、効率が非常に悪くなり、なかなか肝心の投稿にまで至らないのです。
X(旧Twitter)のように頻繁な更新が必要なSNSなのに、忙しさから運用が途絶えてしまい望む結果が出せず結局アカウントを立ち上げてから1ヶ月程度で更新しなくなってしまうのです。

さて、こういった場合に私がよくお伝えしているのが、「SNS委員会は、SNSを普段からよく使いこなしている人で構成すること」、そして「定期的な更新作業が可能な人を選出すること」この2つです。つまり、普段の業務にすんなりSNS投稿が組み込める人が、ベストなのです。
さらにいうと、例えば営業部、販売部など全方位から人が集められると、いろいろな角度から発信することが可能となります。

失敗パターン2:運用の目的が明確でなく、見切り発車でスタートしてしまう

もう1つの例をご紹介しましょう。委員会を立ち上げた際に「なぜSNSに取り組むのか」という目的を明らかにしないまま、運用してしまうパターンです。

「SNSくらいやっておかないと、時代に取り残される」と経営部が判断し、なんとなくSNSを始めてしまうパターンです。
商品やサービスを売りたいのか、それとも採用のためにSNSを使用したいのかわからないままスタートしたため、SNSの内容も統一感がなくバラバラ。チームの方向性もあいまいなため、何をしたらよいか、どこを目指せばよいかがわからず、メンバーおのおのが無駄な動きをしてしまい、同じような投稿が2回連続で出てしまった場合もありました。逆に、更新がまったくない日もあるなど、「企業アカウントなのに個人のような使い方」になってしまったのです。

これもまた、よく陥りがちなパターンです。これを回避するためにも、まず、SNSを行う目的をはっきりさせましょう。

  • 自社や商品、サービスの認知を上げるため
  • 購入を促進するため
  • 問い合わせを増やすため
  • サイトの訪問者数を増やすため など

目的によって、SNS運用の戦略は確実に変わってきます。

例えば、認知を上げたいのであれば、フォロワーの目線に立った自然な会話、思わず毎日チェックしたくなるような豆知識や小話などが効果的でしょう。
購入やお問い合わせにつなげるには、通常の発信とは別で、商品やサービスの説明、メリットやデメリット、ユーザの声などを適宜入れるとつながりやすくなります。
サイトの訪問者を増やしたいのであれば、SNSを発信する中で、いかに自然にサイトのURLを載せられるか。クリックして先を見たくなるような投稿ができるか、といったことに注力する必要があるでしょう。このように、目的がはっきりしていれば「次に何をすべきか」が自ずと見えてくるのです。

またSNS運用では効果を検証するために、インプレッション数、クリック数、エンゲージメント率などさまざまな数値の分析を行います。これも、運用の目的によってチェックする箇所や必要なデータが変わってきます。

SNS委員会を立ち上げることができたら、まずは「運用の目的を明確にする」プロセスから着手いただきたいと思います。

SNS委員会の力を最大化にするには?

SNS委員会を作っても運用できない……その2つの理由とは?

SNS委員会の機能を高め、チームの力を最大限に引き出して望む成果を出すためには、次の2つのポイントも重要です。

ポイント1:テーマを考えよう

SNSの運用目的が決まったら、それにあわせた発信のテーマを考えてみましょう。

とあるネットスーパーの事例です。「新商品の認知を高める」という運用目的に対して、「新商品を使ったチャレンジ企画」というテーマを立てました。
するとテーマを軸に、「店員が作る新商品の裏技レシピ」を発信してみたり、フォロワーから「新商品の便利な使い方」を募集したりと、「フォロワーが知りたい情報」に特化してSNSを組み立てていきました。

Web制作会社では、「自社の認知を高める」目的で「マーケティング基礎知識」をテーマに発信した事例があります。フォロワーが知りたい情報をわかりやすく、説明したのです。
またWeb制作の現場では、「思っていたものと違うものが出来上がってきてしまった」といったトラブルも少なくありません。そうした不安を取り除く目的で「ユーザーの声」や「オーダー時にやってはいけないネタ」をテーマに発信した事例もあります。

最初から目的に沿ったテーマを決めておくことで、アイデア出しが非常にスムーズになります。また、施策を進めるうちにいつしか目的から外れてしまうといったことも避けることができるのです。

ポイント2:委員会の存在は全社に浸透させよう

SNS委員会を立ち上げる際は、チーム内だけでなく全社員に伝えて取り組みを浸透させましょう。「え?当たり前のことでは?」と思うかもしれませんが、意外とここの浸透がされないばかりに、社内で軋轢が生まれるケースがあるのです。

例えば、前述したようにトップダウンで管理職ばかり集めてチームを発足してしまう場合、他の社員には「上が勝手にやっていること」といった感覚でなかなか取り組みが自分ごとにならず、社内で温度差が広がります。
また施策の意図が社内で共有されていないと、「SNSなんてただ遊んでいるだけじゃないか」「特別な人だけが委員会に選ばれるなんておかしい」など、思い違いのやっかみが発生する恐れもあります。

SNSは、どれだけ多くの人の目に触れるかという「拡散」が重要なキーポイントとなります。そういった意味でも、SNS委員会を発足する理由は社員にオープンに説明し、全社を巻き込んで拡散などの協力を促すことが大切です。運用が始まった後も、取り組みの進捗や成果状況など定期的に共有する機会を設けたいものです。

まとめ

SNS委員会を作っても運用できない……その2つの理由とは?

SNS委員会がうまくいかない理由と、成功させるポイントをお伝えしました。
よく「委員会は何人くらいで始めるのがよい?」というご質問もいただきますが、いきなり大人数を集める必要はないと思います。
まずは、実際の更新作業にあたる3人と責任者1人の4人くらいから初めて、運用が軌道に乗って来たら徐々に増やしていくのがおすすめです。
取り組むSNSも、最初は「X」などで朝や夕方のあいさつといった発信しやすい内容から始めて、御社の運用目的や顧客層などと照らし合わせながら検討していくとよいでしょう。

何事も、最初からうまくいくことはありません。特に、SNS運用は効果が出るまで根気が必要ですが、ご紹介したポイントを押さえて試行錯誤を繰り返しながら、よりよいチームを作っていきましょう。