マツリカが実施した「Japan Sales Report 2023 セールスイネーブルメントの実態調査」によると、営業組織の生産性改革に取り組む企業の85%が失敗していることが明らかになった。
この調査は、インターネット上で全国のビジネスパーソンの中でも所定の要件を満たす経営層、営業部門の管理職・マネージャー、営業企画・経営企画部門500名を対象に行われた。調査結果からは、日本の営業組織が直面している課題とその解決策についての深刻な現状が浮き彫りになる。
調査によると、何らかのセールスイネーブルメント施策を行っている企業が過半数を占めるものの、明確にその効果が認められている組織は全体のわずか15%に過ぎない。多くの企業がセールスイネーブルメント施策の失敗を経験していることが示されている。
また、顧客起点で営業プロセスを再構築していると回答した企業の多くは、顧客のデータに基づく施策を実行していないという矛盾が指摘された。目標達成群と比較して、「組織コラボレーション」と「データの取得」における取り組みの弱さが顕著であることも明らかになった。
さらに、データ基盤が不十分な状態での「トレーニング(育成)」や「マネジメント強化」への注力は、目標達成に悪影響を及ぼす可能性があることが示されている。重要施策の責任者が経営層でない場合、成功確率が低い傾向にあることも分かった。
本調査は、日本の営業組織が更なる成長を遂げるために「セールスイネーブルメント」の実態について調査・分析を実施したもの。日本は米国に比べて約10年遅れているとされ、その要因として、法人営業に関する中立的・専門的な調査機関が不十分であることが大きいと考えられる。
今回の調査結果は、日本の営業組織が直面する課題とその解決策についての深刻な現状を示しており、営業組織の生産性向上に向けた今後の取り組みに重要な示唆を与えている。
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