パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)と博報堂は、リテールメディア事業を展開する新会社「pHmedia」を2023年12月22日に設立し、事業を開始した。この新会社は、消費者、メーカー宣伝部・事業部、メーカー営業部、小売業の「四方よし」を目指すリテールメディア事業の創造を目的としている。
リテールメディア市場は、小売業が持つ購買データを活用したオンライン広告や店舗のサイネージ広告などが国内外で注目を集めている。しかし、現時点でのリテールメディアの活用率は3割未満に留まっており、その背景には、メーカーの営業部による小売業への営業活動の一環として利用されることが多いため、宣伝部・事業部ではマーケティング活動の投資対象とならないことが多いという問題がある。
pHmediaの設立により、PPIHの「顧客最優先主義」と博報堂の「生活者発想」のフィロソフィーを融合させ、消費者が買い場で商品を購入するアクションを起点に、認知・興味関心まで遡った統合型のマーケティングおよび販促活動が可能になる。テレビ、デジタル、店頭を一気通貫でコミュニケーション設計できることに加え、PPIHの保有する幅広い商品の購買データと博報堂のクリエイティブ力を掛け合わせることで、コミュニケーションの在り方を消費者に最も受け取りやすい形にアップデートする。
pHmediaは、メーカー宣伝部・事業部、メーカー営業部、小売業をつなぐハブ役となり、消費者に最適なコミュニケーションを常に企画・実行することで、メーカーのブランディングと売上向上を同時に実現させる新たなリテールメディアの開発・提供を目指す。これにより、メーカーは商品開発から物流・配荷、商談、広告・販促・CRMまで広義のマーケティング活動を購買データ起点で統合的に利用できるようになる。
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