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生成AIを認知していないマーケティング・営業職は5割超 業務で活用中の人は約1割【HubSpot Japan調査】

 CRM(顧客関係管理)プラットフォームを提供するHubSpot Japan株式会社はこのたび、日本でマーケティング職もしくは営業職に従事するビジネスパーソン計1,000名を対象に、生成AI(ジェネレーティブAI)に関する意識調査(*1)を実施した。

 HubSpotはこれまで、当社が提供するCRMプラットフォームにおいて、営業活動の改善をAIによるデータ分析で支援する「コミュニケーションインテリジェンス」機能や、AIによるデータ品質管理機能など、AI活用への投資を進めてきた。

 そして2023年3月には生成AIを搭載した新ツール「コンテンツアシスタント」と「ChatSpot.ai」をリリースした(https://www.hubspot.jp/company-news/ai-20230307)。

 本調査は、世界的に生成AIの注目度が高まる中、企業を成長に導く生成AIの活用方法を探るために実施したもの。

 そして生成AIに関して日本における意識の変遷を明らかにしていくため、今回の調査を定点調査の第1回と位置付け、同社は今後も継続的に調査を実施・発表していく予定。

調査結果ハイライト(一部抜粋)

  • マーケティング職・営業職に従事するビジネスパーソンの55.6%が生成AIについて「聞いたことがない」「知らない」と回答。業務で使っている人の割合は13.2%にとどまる
  • 生成AIを業務で利用する上での課題は情報の「信憑性」と「信頼性」。第1位は「情報が正しいかどうかが不安」45.6%、 第2位 「著作権など法的な問題が起きないか心配」 27.2%、第3位「情報の出典元がわからない」24.3%
  • 「購買者」側の立場として生成AIが生成したコンテンツを受け取ることについては「内容さえ正確であれば生成AIでも人間が作ったものでもどちらでも良い 」(約3割)

HubSpot Japan株式会社 シニア マーケティング ディレクター 伊佐裕也のコメント

HubSpot Japan株式会社 シニア マーケティング ディレクター 伊佐裕也

 人工知能(AI)技術でテキストや画像などのコンテンツを自動生成する生成AIへの関心は世界的に高まり、日本企業においてもその活用の是非に注目が集まっています。

 一方、定点調査の第1回目となる今回の調査では、日本のマーケター・セールスパーソンによる生成AIの認知度や業務での活用率はまだ低い段階であることが明らかになりました。

 特に目を引かれるのは、生成AIを業務で使っていない人にその理由を問う設問に対して、「使い方がよくわからない」「特にない・わからない」を挙げた人が全体の62.6%、元々生成AIを認知していた人に絞っても34.4%にのぼったことです。

 HubSpotとしては、業務における生成AIの具体的用途やそのメリットのイメージがついていないことが背景にあると考えており、まずはマーケターやセールスパーソンが具体的ユースケースイメージを持てるよう、当社が提供する「コンテンツアシスタント」や「ChatSpot.ai」の活用例発信を強化していきます。

 また、当社がグローバル各国を対象に実施した別調査では、生成AIの活用について、「『自社の効率化』のみではなく顧客のニーズにまで目を向けながらAI活用のゴールを設定することが、時間とリソースの節約、マーケティングやセールスの戦略の強化、そして顧客とのより深いつながりの創出につながる」という示唆が得られています。

 一方で、日本での本調査では生成AIに業務効率の向上を期待すると答えた人は16.3%に留まっており、「顧客ニーズを踏まえた生成AI活用」の前に、自社にとっての便益が模索されている状況です。

 HubSpot Japanは今後も本定点調査の実施を通じて日本における生成AIの利用実態と意識を把握・発信すると同時に、AI技術を搭載した自社製品の開発を推し進めます。

 これにより、マーケティング部門や営業部門を始め、日本企業が新技術をタイムリーかつ的確に把握し、活用機会を逃さず顧客体験の向上と事業成長に役立てていけるよう支援してまいります。

調査結果サマリー

1.マーケティング・営業に従事するビジネスパーソンの5割以上が生成AIについて「聞いたことがない」「知らない」と回答。業務で使っている人の割合は13.2%にとどまる

生成AIの認知

 調査対象のビジネスパーソンに生成AIの認知度合いについて尋ねた設問では、全体の55.6%が「聞いたことがない・知らない」と回答した。

 「聞いたことがあるが詳細はよくわかっていない」と回答した割合は28.4%、「聞いたことがありその意味や使い方を理解している」と回答した人は15.9%にとどまった。

マーケティング・営業従事者の生成AI認知率の調査結果

 マーケティングと営業の職種別で認知の度合いを見てみると、マーケティング従事者の方が生成AIの認知率は高いことが明らかになった。

マーケティング・営業従事者の生成AI認知率の調査結果2

生成AIの業務における利用状況

 生成AIを業務における利用の状況を尋ねたところ、「業務で使っている」と答えた人は13.2%にとどまり、職種別ではマーケティング職では19.2%、営業職では7.2%となった。

 マーケティング業務においては生成AIの台頭前から広告運用やSEO等の領域に人工知能技術が利用されていたこともあり、マーケターの方が営業担当者よりもその利用イメージがついている人が多いのではないかと考えられる。

マーケティング・営業従事者の生成AI利用経験の調査結果

 また、「所属する企業は生成AIの業務利用について許可しているか」という質問に対して、「許可している」と回答した人は全体の14.4%、「許可していない」が11.0%、「方針を出していない」と回答した割合が最も高く74.7%となった。

企業が生成AI利用を許可しているかの調査結果

 生成AIを使っていると回答した人の中で、使っている業務を聞いてみると、 第1位 アイデア出しや企画作り(25.7%)第2位 コンテンツ(コピーや文章)の作成(22.8%) 第3位 会議や議論、動画の要約の作成 (21.3%)(複数回答)が挙げられた。

※今回の調査では、業務に生成AIを使っていると回答した人は136名と限られたサンプル数となっており、このデータは当該サンプルの傾向を示したもの。

2. 生成AIを業務で利用する上での課題は情報の「信憑性」と「信頼性」。第1位は「情報が正しいかどうかが不安」。第2位は 「著作権など法的な問題が起きないか心配、第3位は「情報の出典元がわからない」

生成AIを業務で利用する上での課題

 生成AIを業務で「使っている」と回答した人に、利用にあたって課題に感じることを聞いたところ、第1位は「情報が正しいかどうかが不安」(45.6%)、 第2位 「著作権など法的な問題が起きないか心配」( 27.2%)、 第3位 「情報の出典元がわからない」(24.3%)(複数回答)と、情報の信憑性や信用性への課題感が明らかになった。

※今回の調査では、業務に生成AIを使っていると回答した人は136名と限られたサンプル数となっており、このデータは当該サンプルの傾向を示したもの。

生成AIを「使わない」理由

 一方、生成AIを業務で「使っていない」と回答した人に、使わない理由 (複数回答)を尋ねたところ、「使い方がよくわからない」「特にない・わからない」を挙げた人が全体の62.6%、元々生成AIを認知していた人に絞っても34.4%にのぼった。

 自分の業務において生成AIを利用するイメージが湧いていない、そもそも何ができるのかを理解していない人が多いことが「わからない・特にない」の回答の多さにつながっていると考えられる。

企業が生成AIを業務で使わない理由の調査結果

3.「購買者」側の立場として「生成AIが生成したコンテンツを受け取ること」について、「内容さえ正確であれば生成AIでも人間が作ったものでもどちらでも良い 」が約3割

 「購買者」側の立場になったときに「生成 AIが生成したコンテンツを受け取ることをどう感じるか」を尋ねた設問では、「内容さえ正確であれば生成AIでも人間が作ったものでもどちらでも良い 」(27.0%)と回答した人が最も多く、次いで「生成AIの生成したコンテンツに肯定的であり、購買者の立場としても受け取ってみたい」(16.2%)、「否定的であり、購買者の立場としても受け取りたくない」 (8.2%)となった。

 それ以外の人は「あてはまらない/わからない」(48.6%)と答えており、生成AIに対する評価が定まっていない現状が見られる。

 また、生成AIのビジネス活用への意識について尋ねたところ(複数回答)、「生成 AIのビジネス活用を前向きに考えている」と回答した人は全体の15.7%で「生成 AIのビジネス活用ははばかられる」と回答した割合5.2%に対して約10pt上回った。

 職種別で見てみると、「生成 AIのビジネス活用を前向きに考えている」と回答したマーケティング従事者は22.3%に対して、営業従事者は9.1%とその意識に違いが見られた。

 この意識の違いも、それぞれの担当領域における具体的活用イメージが持てているかどうかが影響していると考えられる。

企業における生成AIのビジネス活用への意識の調査結果

HubSpot調査:第1回 日本のマーケティング・営業領域における生成AIに関する意識実態調査」実施概要(*1)

※調査結果は、単数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合がある

  • 調査企画・実施 HubSpot Japan株式会社
  • 調査委託先   株式会社マクロミル
  • 調査対象    フルタイムで企業のマーケティング従事するビジネスパーソン 500名、営業に従事するビジネスパーソン500名、 計1,000名
  • 調査方法    オンライン上でのアンケート調査
  • 実施期間    2023年05月30日(火)~2023年06月02日(金)
  • 調査地域    日本全国

コンテンツアシスタント(ベータ版)と便利な新機能が一般公開へ

 OpenAIの人工知能を活用したHubSpotのコンテンツ作成ツール「コンテンツアシスタント」が、6月21日(日本時間)よりプライベートベータ版からパブリックベータ版に移行し、利用の申し込みなしでHubSpotポータルから誰でも利用可能となった。

 詳細はこちらのLPよりご確認いただける。https://www.hubspot.jp/artificial-intelligence

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