株式会社スコープ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:横山 繁)データマーケティングセンター(DMC)は2022年10月に実施した生活者アンケートから、現在における「出費とモノの所有に対する意識」についての調査結果を発表した。
コロナ禍をきっかけとした新たな生活意識・行動や最近の物価高、さらには SNS やデジタルテクノロジーの発展なども含めて生活環境は大きく変化している。
同社は、そのような中での「出費やモノとの関わり」に対する世代間における考え方の違いについて考察した。
以下に一部の調査結果を公表する。
モノの所有に対する意識~「モノよりコト」を重視したいと思っている人は約3割。約1割は「モノを持たない」ことが幸せの形
モノの所有に関する考え方としては、「モノよりも経験や思い出が残っている状態」を理想としている人が32.0%で最も高く、次いで「数は少なくても高価なモノがある状態」が27.7%で続いている。
また、「モノを持たない状態」を理想としている人も、全体の12.1%存在している。
年代が上がるにつれ、「モノよりコト」「モノを持たない状態」を理想とする傾向に
*60代男女のスコアを掲載
60代では「モノよりも経験や思い出が残っている状態」を理想とする割合が4割を超えており、「モノを持たない状態」についても2割に迫るスコアとなっており、これは若年層と比較して10~20ポイント程度高い数値だ。
仕事・子育てから解放されたことで、時間を充実させる意識の高まりとともに、ライフイベントとして定着した“終活”の一環として、元気なうちにモノを整理することで、できるだけ家族に迷惑をかけたくないという気持ちが含まれているのだと思われる。
出費に対する意識~身の回りから流行のモノまで、幅広く出費意欲が高い若年層
<Q.「出費」に対する以下の項目ごとに、あなたのお気持ちに当てはまるものを 1つずつお選びください (積極的に出費をしたいと思うか?)>
*全15項目のうち一部を掲載
最近の若者は消費に慎重・消極的だといわれることがあるが、実際は出費意欲が高いことがわかった。
欲しいモノに加え、理想とする暮らしや健康、さらには地球環境に至るまで理想を実現するためには出費は惜しまない意識が数値に現れているのではないだろうか。
男性の「モノではなく、思い出に残ること」への出費意欲が50代から60代にかけて急上昇
「会社中心の生活を送っていたところから急に退職することで、会社以外での人間関係が無くなり居場所がなくなってしまう」「これから家族や家族外の人との時間を充実させよう」と考える男性がいる一方で、女性に見られる「少しずつ広い交友関係を狭め“濃さ”を求めていく」というような、中高年男女による優先順位の相違のようなものがこの数字に現れていると思われる。
今回の気づき・ラーニング
各年代のライフスタイル等による傾向を見ることが出来た。
20・30代の若い世代は、モノを買い、モノを持つことによって、自分自身の欲求・目的を実現したい「集活」の傾向が見えてきました。
商品やサービスを提供する側としては情報発信力の面からも、若年層が持つポテンシャルは他のどの年代よりも高いと考えられる。
また、中高年の人とのかかわりも注目すべきポイントではないだろうか。
これから先『人生100年時代』を迎えるにあたり、人とのかかわりによって得られる心の豊かさや安心感等は、生きる上で今まで以上に重要なものになっていくと思われる。
生涯の友人、時間を共にする仲間、長い人生を伴に進むパートナーを作る「トモ活」への取り組みも、改めて社会全体で考えていく必要のあるテーマではないだろうか。
さらに詳しい集計データを含む調査結果は 以下のURL よりご覧いただける。
http://www.scope-inc.co.jp/view/dmc_report_2301/
調査概要
- 調査方法:ウェブ調査
- 調査エリア:全国
- 調査対象者:20歳~69歳男女・未既婚の指定、既婚者の子ども有無の条件無し
- サンプル数:本調査 合計1,000サンプル
- 調査期間:2022年10月7日(金)~11日(火)
- 株式会社アスマークが運営するモニターサイト『D style web』の登録会員を対象に調査を実施
【関連リンク】
- コロナ禍で変化する“所有や出費”に対する意識は?「集活」で理想を追う若者・「トモ活」に気づく熟年層 ~「出費とモノの所有に対する意識」調査
- 株式会社スコープ(https://www.scope-inc.co.jp/)