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日本初のおもちゃのサブスクを成長させたデジタルマーケティング

日本初のおもちゃのサブスクを成長させたデジタルマーケティング

ゲスト
株式会社トラーナ 代表取締役 志田典道氏

聞き手
株式会社Lifunext 代表取締役 田村一将氏

連載4回目となる今回は皆さまから特に問い合わせの多い、サブスク系のスタートアップが顧客を獲得するためのデジタルマーケティング戦略について、弊社のクライアントでもある株式会社トラーナ(以下、トラーナ)代表取締役の志田典道さまに、お話を伺いました。

トラーナは、「幸せな親子時間を増やそうぜ」の合言葉と「お子様に携わるすべてのご家庭の方におもちゃを通して充実した時間を過ごしていただきたい」という思いを形にした、日本で初めておもちゃのレンタルサブスクリプションサービス「トイサブ!」を手がけるスタートアップ企業です。

ここからは書き起こし形式で対談の様子をお伝えいたします。

田村 まずはじめに、志田さまから、簡単に自己紹介をお願いします。

志田 氏 当社は2015年10月に、知育玩具のサブスクリプション・レンタルサービスである「トイサブ!」のサービスを開始しました。

私自身が4人の子供を育てる親として売り場のおもちゃを手に取ってみたときに、よりよい親と子供と玩具の関係を追求したい考えました。二人目の子どもが生まれた際に親子時間を増やすことができる知育玩具をぜひ子育てに取り入れてみたいと感じたものの、知育玩具は比較的高額で手を出しにくいという印象を抱きました。育児に関連する「投資」として考えてみたときに、知育玩具は手を出しにくいものだ、と感じる一方、知育玩具をはじめとする価値の高いおもちゃを、人に選んでもらって気軽にレンタル出来たらニーズがあるののではないか?と思いついたのが、私たちのサービスの「トイサブ!」の始まりです。

テクノロジーの発展に伴い、スマートフォンやタブレット端末の普及が進み、世の中はどんどん便利になっていますよね。しかし、その発展の裏には子育てに関連する課題も隠れているのではないでしょうか。
私たちは、今、日本社会が直面する子育ての課題が大きく3つあると認識しています。「子供と親の接点の減少」と 「バランスに欠けたデジタル一辺倒の遊び」、「遊びや親子で過ごす時間の選択肢が増えすぎていること」です。

さらに日本は今年間約60,000トンものおもちゃが廃棄されていると言われています。私たちが提供する「トイサブ!」の利用を通して、おもちゃ・知育玩具の廃棄を抑制しつつ、テクノロジーの発展に伴い生じる課題解決を図り「幸せな親子時間を増やす」ことを実現するのがトラーナのミッションです。
2020年からは、ユーザーの使用後の顧客満足度アンケートをもとに、自社で玩具の製造も手がけています。(以下、敬称略)

田村 志田さま、ありがとうございます。

ここからは志田さまに、スタートアップの課題や、マーケティング施策をどのように行われているのかについて、お伺いしたいと思います。

志田 Lifunextさんにお願いしたきっかけは、田村さんと私のあいだで前職でつながりがあったことですよね。当時抱えていた当社のマーケティング課題について田村さんに相談をした頃からLifunextさんに具体的にお願いをし始めたのだと記憶しています。

当時抱えていた当社のマーケティング課題のうちの一つは、マーケティング投資の透明性を上げ、投資対効果を見える形にできていなかったこと。。当社ににまだ専任のマーケティング担当者がいなかったこともあり、どうやって透明性を高めていくかをスキルの高い代理店と連携して実現していきたいと思っていました。

田村 以前の代理店では、計測周りはどうされていたのですか?

志田 今までお願いしていた代理店でも効果測定をいただいてましたが、もう少し細かく正確な計測が欲しいと感じていました。。例えば、顧客のラストクリックをどう分析するのか、チャネル別LTVはどう計測していくのかについてまで議論ができていなかったのです。。

他の例では、アフィリエイトのブログが二つあって、それぞれ別々のASPの管理画面になっていると、どちらのブログの方が、実際に流入効果が高いのかといったことを確認する手立てがないことも課題でした。

田村 弊社を選んでいただいたのは、そうした測定の細かさや深さといったところがポイントになったのでしょうか

志田 Lifunextさんにお願いした当時の成長段階はいわゆるシードからシリーズAくらいのタイミング。マーケティングコストとしては、比較的多くの割合を以前の代理店さんへ投資しておりましたが、このコストの割合のままでよいのかといった疑問もありました。現在利用しているLifunextさんのサービスは、納得しやすい料金体系だったというところも、大きな決め手になりました。

代理店の場合は、広告費の何%がフィーになると決まっていますが、Lifunextさんの料金体系は我々にとっては、リーズナブルだと思いました。

加えてLifunextさんにお願いして良かったところは、顧客獲得コストを最適化する前に計測の提案をしてもらえたところです。さらに、ある意味で御社の利害に関係なく、ユーザーの立場から提案をしてもらえるのもありがたいです。「広告費はこれ以上かけなくていいです」といった提案もLifunextさんからいただいたこともありました。代理店では売り上げが減ってしまうので、そうは言っていただけないものだと思っていました。サービスの広告という一面のマーケティング施策だけでなく、マーケティング全体の施策を見ていただけるのは心強いと思います。

田村 昨年7月から一緒に取り組みをさせていだいて、変わったところはどこですか

志田 効果測定については、いくらコストをかけてどの程度のサービス申し込みにつながったのか、正確に費用対効果を把握できるようになりました。マーケティング施策ごとに、どこが伸びているのかも分かりやすくなっています。

田村 インスタグラムを使ったインフルエンサーマーケティングについてはどうですか

志田 「こういう属性のインフルエンサーは反応がいい」というようなことや、「流入が増えたのはこのインフルエンサーの影響だろう」という、インフルエンサーへの投資効果が予測できるようになってきました。以前は、インフルエンサーの先にも代理店がいることを意識すらしていませんでしたが、Lifunextさんでの計測の結果、施策の相関関係に対して深く理解できるようになっています。。

田村 計測がしっかりできるようになり、社内的、もしくは投資家などへの説明も変わったということですね

志田 そうです。投資家と話をする時に「顧客獲得数が目標通りに増えている」というような反応をされることが多くなり、私たちの手掛ける事業への施策投資の自信が持てるようになりました。

投資家に対し、なぜリスティング広告で伸びないのか、認知度とマーケティング施策とつながりはどうなっているかと個別のマーケティング施策について、合理的な説明ができるようになったことも大きなメリットです。当社の同じ規模のスタートアップと比べても遜色のないマーケティング施策を実行できるようになりましたね。。

田村 数字変動に対する説明がつきやすくなったということですね

志田 そうです。以前は、「なぜ数字が伸びたのですか」とステークホルダーから聞かれても、「テレビで取り上げられた影響ではないかと思います」といった根拠のない答え方しかできませんでした。今は、広告予算がいくら使われた結果、こういった顧客獲得数が出せるようになったと説明できます。経営サイドとして、マーケティングのレベルが上がったとも言えます。

田村 今後チャレンジしたいことについては

志田 ツイッターやインスタグラムのようなSNSを使っていない非デジタル層に対し、サービスの認知や獲得に対してよりよいアプローチ方法がないだろうかというチャレンジをしていきたいですね。。その一方で私たちがLifunextさんに期待していることは、当社が得意なインフルエンサーマーケティング以外の部分のマーケティング施策の提案です。当社が苦手とするマーケティング施策領域が、まだまだあるので、今後も積極的にアドバイスをいただけることを期待しています。。

田村 当社単独ではカバーしきれない領域についても、外部のパートナーと組みながら、お客さまに提案をさせていただきたいと思いますので、今後ともお付き合いのほど宜しくお願いします。


今回は、株式会社トラーナの志田典道さまにお話をお伺いしました。

会話の内容からもお分かりいただけたかと思いますが、
広告をたくさん打ち、ラストクリックで効果を測定する、
だけがデジタルマーケティングではありません。

スタートアップにとって、広告施策の提案を受ける前に、使えるデータや数字の整理、そしてLTVに基づいた計測を行うのが重要と言えるのではないでしょうか。

どこにどうお金を使うのか、どの施策の割合を多くするのか。
スタートアップだからこそ、マーケティングに割ける予算は限られています。

それを無駄にしないためにも、「まず整理」から始めて見てはいかがでしょうか。