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好まれるECサイトの特徴は「送料無料」が約5割 物流2024年問題の一因としても注目【エートゥジェイ調査】

好まれるECサイトの特徴は「送料無料」が約5割 物流2024年問題の一因としても注目【エートゥジェイ調査】

 クラウド型ECプラットフォーム「メルカート」を提供するエートゥジェイは、ECサイトで購入経験のある全国の20代~60代の男女1000名を対象に、「ECサイトの利用」についての調査を実施し、その結果を公開した。この調査は、消費者がECサイトを利用する際に重視する価値を明らかにすることを目的としている。

好まれるECサイトの特徴は「送料無料」が約5割 物流2024年問題の一因としても注目【エートゥジェイ調査】

 調査結果によると、リピートしたいと思うECサイトの特徴として「即納」「送料無料」が上位に挙げられた。また、月2回以上購入するユーザーは、モール部門よりも自社EC部門の方が10%以上上回ることが明らかになった。消費者がECサイトに再訪するきっかけとしては「商品が欲しいとき」が圧倒的で、次いで「メルマガ」が挙げられた。

好まれるECサイトの特徴は「送料無料」が約5割 物流2024年問題の一因としても注目【エートゥジェイ調査】

 

 配送サービスに関しては、モール部門、自社EC部門のいずれも50%以上が「送料無料」と回答。これは、消費者のECサイト利用において「配送」に関する満足度が大きく影響していることを示している。さらに、消費者は「ポイント制度がある」ことや「クーポン、割引が豊富である」こと、「商品説明が充実している」こと、「レビューが多い」こと、「決済手段が豊富である」ことを求めていることも分かった。

好まれるECサイトの特徴は「送料無料」が約5割 物流2024年問題の一因としても注目【エートゥジェイ調査】

 しかし、2024年4月からはトラック運転手の時間外労働の上限が設けられることにより、物流の「2024年問題」が浮上している。これにより、2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力が不足する可能性があり、ECビジネスへの影響が懸念されている。政府はこの問題に対応するため、インターネット販売の「送料無料」表示の変更を求めている。

 今後のEC市場では、即納や送料無料に代表される機能的価値、金銭的価値に左右されずに購買機会を獲得するブランドロイヤルティの向上が重要となる。EC事業者は、短期的な売上だけをKPIにするのではなく、中・長期的なLTVを計測し、それを高める施策の比率を上げてブランドファンを獲得していくことが求められる。

 購入頻度に着目した調査では、モールが37.79%、自社ECが48.89%と、自社ECの方が10%以上高い数値が得られている。これは、プラットフォームのレギュレーションに左右されず、ブランドの世界観やUI/UX設計がしやすいこと、ECサイトを利用している消費者とのコミュニケーション自由度が高く、CRM施策を打ちやすいことが影響していると考えられる。

 消費者がECサイトに再訪するきっかけとしては「商品が欲しいとき」が圧倒的であるが、SNS、LINE、アプリを抜いて「メルマガ」が重要な手段となっている。これは、ユーザーが自由に選択できるマルチなタッチポイントの構築が不可欠であることを示している。また、顧客理解を加速するために、CDPの活用が注目されており、定量的・定性的な消費者データを集め、視覚化し、顧客の解像度を上げる取り組みが増えている。

 この調査は、ECサイト運営者にとって重要な示唆を与えている。物流の問題をどのように解決し、消費者の期待に応えるかが、今後のECビジネスの成功の鍵となるだろう。

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