企業向けにマーケティングやAI、BtoB人材の育成SaaSサービスを提供する株式会社グロースXは、DX推進業務に担当者として携わっている、大企業(従業員数1000名以上)の会社員112名を対象に、大企業のDX推進における実態調査を実施した
調査サマリー
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調査概要
調査概要:大企業のDX推進における実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年7月31日〜同年7月31日
有効回答:DX推進業務に担当者として携わっている、大企業(従業員数1000名以上)の会社員112名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない。
「DX推進」の取り組みを始めた時期、「2020年」が約3割
「Q1.あなたのお勤め先における「DX推進」は、いつから取り組みを始めましたか。」(n=112)と質問したところ、「2019年以前」が23.2%、「2020年」が29.5%という回答となった。
- 2019年以前:23.2%
- 2020年:29.5%
- 2021年:19.6%
- 2022年:17.9%
- 2023年以降:9.8%
「DX推進」の年間予算、約3割が「10億円以上」と回答
「Q2.あなたのお勤め先で、「DX推進」に割り振られている年間予算を教えてください。」(n=112)と質問したところ、「10億円以上」が27.7%、「3~5億円未満」が16.1%という回答となった。
- 1000万円未満:2.7%
- 1000万円~5000万円未満:8.0%
- 5000万円~1億円未満:14.3%
- 1~3億円未満:13.4%
- 3~5億円未満:16.1%
- 5~10億円未満:10.7%
- 10億円以上:27.7%
- わからない/答えられない:7.1%
「DX推進」に関する目標の達成度合い、10段階評価で「8」が最多
「Q3.あなたのお勤め先における「DX推進」に関して、当初立てた目標に対する達成度合いを10段階評価で教えてください。」(n=112)と質問したところ、「8」が25.0%、「6」が14.3%という回答となった。
- 1(全く達成していない):3.6%
- 2:0.9%
- 3:5.4%
- 4:9.8%
- 5:12.5%
- 6:14.3%
- 7:11.6%
- 8:25.0%
- 9:4.5%
- 10(十分に達成している):10.7%
- わからない/答えられない:1.8%
DX推進で「成功した」と感じていること、「リモートワークの推進ができた」「デジタル化で業務効率に繋がった」が上位に
Q3で「2~10」の回答者に、「Q4.あなたのお勤め先におけるDX推進に対し、「成功した」と感じていることを教えてください。(複数回答)」(n=106)と質問したところ、「リモートワークの推進ができた」が65.1%、「デジタル化で業務効率に繋がった」が62.3%、「無駄なコスト削減に繋がった」が49.1%という回答となった。
- リモートワークの推進ができた:65.1%
- デジタル化で業務効率に繋がった:62.3%
- 無駄なコスト削減に繋がった:49.1%
- データ基盤が整い、分析や改善が容易になった:48.1%
- 社員の働く環境が良くなった:40.6%
- 顧客のサービス利用体験が良くなった:34.9%
- 既存ビジネスに新たな付加価値が生まれた:34.9%
- 新しいビジネスモデルが生まれた:30.2%
- その他:0.0%
- 特になし:0.0%
- わからない/答えられない:0.9%
「成功した」と感じていること、「社員の意識」や「業務フローが簡素化」などの回答も
Q4で「特になし」「わからない/答えられない」以外の回答者に、「Q5.Q4で回答した以外に、お勤め先におけるDX推進に対し「成功した」と感じていることがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=105)と質問したところ、「社員の意識」や「業務フローが簡素化」など54の回答を得ることができた。
自由回答・一部抜粋
- 53歳:社員に今の仕事のやり方を変えるという意識改革ができた。
- 62歳:営業の回転率良し。
- 56歳:社員の意識。
- 59歳:SXへのデジタルトランスフォーメーションが進み出している。
- 33歳:社内のツールを多数導入してる。
- 36歳:業務フローが簡素化した。
DX推進の今後の課題、6割以上が「推進を継続するための人材が不足」
Q3で「10」以外の回答者に、「Q6.あなたのお勤め先におけるDXの進捗度合いを「10」にするために、今後の課題として感じていることを教えてください。(複数回答)」(n=98)と質問したところ、「推進を継続するための人材が不足している」が62.2%、「部署により活用に差が生まれている」が48.0%、「更なる推進に向け予算が不足している」が40.8%という回答となった。
- 推進を継続するための人材が不足している:62.2%
- 部署により活用に差が生まれている:48.0%
- 更なる推進に向け予算が不足している:40.8%
- システムが複雑化し整理ができていない:38.8%
- 役員・経営幹部のDXに対する認識が揃っていない:35.7%
- 既存のシステムをリプレースするための改修負担が大きい:30.6%
- 事業への展開・浸透が進んでいない:29.6%
- ビジネスや組織の変革に対する社内の抵抗感が強い:27.6%
- その他:2.0%
- 特になし:3.1%
- わからない/答えられない:1.0%
「スピード感」や「会社内での意識改革」などの課題も
Q6で「特になし」「わからない/答えられない」以外の回答者に、「Q7.Q6で回答した以外に、お勤め先におけるDX進捗の進捗度合いを「10」にするために、今後の課題として感じていることがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=94)と質問したところ、「スピード感」や「会社内での意識改革」など45の回答を得ることができた。
自由回答・一部抜粋
- 46歳:効率が上がっているかの有無の確認。
- 59歳:セキュリティ。
- 35歳:跡継ぎに教えていくこと。
- 58歳:より使いやすいシステムの提供と使い方のユースケースを紹介することが必要。
- 59歳:SXビジネス化が遅れている。
- 54歳:スピード感。
- 62歳:会社内での意識改革がなされないとうまく行かないと感じている。
社内の「人材の採用・育成」に対する課題、約半数が「スキル向上・獲得による処遇向上に対して会社が後ろ向き」「スキル向上・獲得に対して従業員が後ろ向き」
「Q8.あなたがお勤め先においてDX推進の担当者として業務に携わる中で、特に社内の「人材の採用・育成」に対して課題だと感じていることがありますか。(複数回答)」(n=112)と質問したところ、「スキル向上・獲得による処遇向上に対して会社が後ろ向き」が48.2%、「スキル向上・獲得に対して従業員が後ろ向き」が47.3%、「人材育成の予算にかなりの制約がある/そもそも予算が無い」が43.8%という回答となった。
- スキル向上・獲得による処遇向上に対して会社が後ろ向き:48.2%
- スキル向上・獲得に対して従業員が後ろ向き:47.3%
- 人材育成の予算にかなりの制約がある/そもそも予算が無い:43.8%
- 人材投資を重視しない企業文化になっている:38.4%
- 就業中にスキル向上の時間を割くことが認められていない/かなり後ろ向き:38.4%
- 戦略上必要なスキルやそのレベルが定義できていない:36.6%
- 働く環境や就業形態などが応募者の条件に合わない:36.6%
- 採用したい人材のスペックが明確でない:29.5%
- その他:0.9%
- 課題はない:2.7%
- わからない/答えられない:1.8%
今後強化したいこと、約7割が「外部セミナーの受講」
Q8で「課題はない」「わからない/答えられない」以外の回答者に、「Q9.社内全体の「人材」に対する課題に対し、今後どのようなことを強化していきたいと考えますか。(複数回答)」(n=107)と質問したところ、「外部セミナーの受講」が68.2%、「eラーニングサービスの活用」が56.1%、「外部研修への派遣」が49.5%という回答となった。
- 外部セミナーの受講:68.2%
- eラーニングサービスの活用:56.1%
- 外部研修への派遣:49.5%
- 自社独自の社内研修の運用:44.9%
- 外部講師派遣サービスの活用:43.9%
- 自主学習にかかる費用の負担:31.8%
- 書籍やテキストの提供:30.8%
- スクールへの通学・派遣支援:27.1%
- その他:0.9%
- 特になし:0.0%
- わからない/答えられない:2.8%
まとめ
今回は、DX推進業務に担当者として携わっている、大企業(従業員数1000名以上)の会社員112名を対象に、大企業のDX推進における実態調査を実施した。
まず、DX推進の取り組みを始めた時期については約3割が「2020年」と回答した。
「DX推進」に関して、当初立てた目標に対する達成度合いを10段階評価で聞いたところ、「8」が25.0%で最多となった。
また、DX推進で「成功した」と感じていることとして、6割以上が「リモートワークの推進ができた」「デジタル化で業務効率に繋がった」と考えているようだ。
一方で今後の課題については、6割以上が「推進を継続するための人材が不足している」と回答した他、「スピード感」や「会社内での意識改革」に課題を抱えている企業もあった。
さらに、社内の「人材の採用・育成」に対する課題としては、約半数が「スキル向上・獲得による処遇向上に対して会社が後ろ向き」「スキル向上・獲得に対して従業員が後ろ向き」を挙げている。
これらの課題に対しては、約7割が「外部セミナーの受講」を今後強化していきたいと回答した。
今回の調査では、DX推進の達成度合いは高く、DX推進により「リモートワークの推進」「業務効率の改善」に成功していることが明らかとなった。
一方で、DX推進の取り組みを継続する上で、人材不足などの課題を抱えている企業も多いようだ。
社内の「人材の採用・育成」については、スキル向上・獲得に対して会社や従業員が後ろ向きであるという声が多数挙がった。
社内の人材育成を進めて業績につなげていくためには、人材育成サービスの導入が有効ではないだろうか。
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