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ITP がアクセス解析に与える影響大 新規ユーザー率は85%までに上昇【フルスピード調査】

 SEOを始めとしたインターネットマーケティング支援を行う株式会社フルスピードは、2017年から始まったGoogleが実施したPC向けページエクスペリエンスアップデートが、Webページに与えた影響などを独自に調査した。

 その結果、既に ITP の影響で新規/既存などについてはウェブサイトの分析ができているとは言えない状況であり、結果として適切なプロモーション計画立案の難易度が高まっていることがわかった。

 また、GA移行は未だ10%程度であることが判明した。

2017年Q1と比較して新規ユーザー率は15ポイント増

 ITP 対応ブラウザと ITP 非対応ブラウザの新規ユーザー率

 上のグラフは、97件のGoogleアナリティクスのビューから抽出したデータを基に、 ITP 対応ブラウザと ITP 非対応ブラウザそれぞれの新規ユーザー率を算出している。

 2017年Q1と比較して2022年Q1では ITP 対応では15ポイント上昇、非対応でも8ポイントの上昇がみられた。

 また ITP 非対応ブラウザについても上昇しているのはGDPR対応によるクッキー同意ポップアップへの拒否率が高いことを暗に示していると推察できる。

 少なくとも ITP 対応などのcookie規制が進むことで、既存の計測における新規・既存といったユーザー分類が使い物にならない状態に近づいていると考えられる。

GA4タグ設置率は約10%程度

GA4タグ設置率

 2020年10月にリリースされたGoogle アナリティクスの最新バージョンであるGA4(Google アナリティクス 4 )のタグ設置率の調査では、387件中40件に設置が確認することができたが、わずか約10%という少ない割合だった。

 今回の調査方法としてタグの読み込みを確認する方法をとったため、正しく検知できなかったサイトがある可能性もあるものの、低い結果となった。

GA4とUAでの「直帰率」には27%も差が

GA4とUAでの直帰率の比較グラフ

 上記のグラフは8サイトの「直帰率」をUAとGA4それぞれの平均数値を比較したもの。

 2022/04/04時点ではAPI経由でしか取得できないが、GA4でも直帰率と呼ばれる指標が存在することになった。

 GA4上では2021年11月までは正しい数値としては捉えがたく、2021年12月以降は数値が安定していた。

 GA4とUAでは平均すると約27%ほどGA4のほうが低い率として出てくるような指標になっているのがわかる。

調査背景

 2017年にAppleが自社製ブラウザ「Safari」へ導入を開始した ITP という技術は、プライバシーの保護を技術的な面でサポートするもので、昨今話題になっているGDPRやCCPA、そして国内では改正個人情報保護法などもそれにあたる。

 ブラウザのシェア率が圧倒的に高いGoogleのChromeでも、2023年中には ITP と同種のプライバシー保護(cookie規制)を進めるとされている。

 同調査は、現時点までに ITP が及ぼしてきた影響をウェブアクセス解析の面から分析することで、今後どのような対策が必要なのかについて洞察を得ることを目的としている。

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