なぜ、失敗するプロジェクトは生まれるのか。グロースハックをしようとする時に意外と見過ごされがちな組織の文化。

グロースハックプロジェクト

はじめまして、株式会社クリエイターズネクスト 代表取締役の窪田です。

お金ではなく知恵でサイトを成長させたい。その時に考えないといけないのは、「良い文化形成をすることだ」と言うと、驚く方も多いのではないでしょうか。実はグロースハックをする際には幾つか乗り越えないといけない文化としての壁があります。いくら有能なグロースハック担当者がいても、組織が協力しないと、プロジェクトは破綻するもの。では、なぜそんな残念な現象が起きるのか? この記事ではその原因や、対策について考えてみたいと思います。

うまくいかない理由1:アイディアは「つらら」。尖っているがすぐに壊れやすい。

そもそも良いアイディアというのは今までこの世に無かったものです。そのため良いアイディアは、定量的な根拠がなく批判に弱いという特徴があります。少しでも新しいアイディアに対して批判をする人が多い組織の場合、すぐにつぶされてしまいます。「アイディアはつららのようなものだ」と個人的には思っています。

つららは鋭角で何かに突き刺さる強さを持っていますが、横から力を加えれば、すぐに折れてしまいます。引っ越し会社が「割れ物注意」というシールを段ボールに貼って用心深く荷物を扱うのと同じように、アイディアは慎重に扱ってあげる必要があります。

つまり、グロースハックの前提には新しいアイディアに対して尊重をする文化が必要なのです。新しいアイディアはどんなに馬鹿馬鹿しく思えてもなるべくそのアイディアの面白い部分を広げていくように扱いましょ

うまくいかない理由2:「ちゃぶ台返しをする偉い人」がいると、誰のための改善かが定まらなくなる。

グロースハックは数字分析とアイディア出しを同時に行っていく必要があります。その際には、当然ペルソナ設計も必要になり、「このサイトは誰のために作るのか」を定義するところからはじめていきます。ペルソナ設計は非常に繊細で重要な仕事になります。しかし、始めからペルソナ設計の会議に参加していないと、なぜそのペルソナが最適だと考えたかという中間成果が抜け落ちてしまいがちです。

例えば、ペルソナ設計では過去の恋愛についても整理をしていきます。ですが、後からその報告をすると、その部分の重要性がイマイチ伝わり切らないまま、事が進行します。目に見えるデザインの制作をするまではその問題は顕在化しません。そして、いざデザインを作ったときに、「このデザイン俺は嫌だなあー」みたいなことを偉い人が言い始めるとそのプロジェクトはほぼ駄目です。

顧客のためにサイトは作るもの、と誰もが思っているにも関わらず、駄目なプロジェクトは誰かの上司のために作る羽目に陥ります。上司は顧客ではありません。そのため、「このデザイン俺は嫌だなあー」と言われた瞬間に担当者は「今回、ペルソナ設計をしたのは、○○さんではなく、ペルソナに対してのクリエイティブを作るためです。」と一蹴する必要があります。でも、そんなことが言える担当者はなかなか少ないのが現実ですね。

個人的にお勧めなのは、ちゃぶ台返しをしそうな上司がいる場合、プロジェクト初期のペルソナ設計からキーパーソンには関わってもらうということです。そうじゃないと、プロジェクトは時限爆弾付きの発火装置になってしまう可能性があります。

うまくいかない理由3:会議の参加者が多すぎる

会議の参加者が多すぎると、意思決定の有用性は下がると言われています。ベインアンドカンパニーの調査によると、7人を超えると、1人増えるたびに意思決定の有用性が10%下がると言われています。よく見かけませんか?一言も喋らない人が何人もいる会議。私はそういう会議に参加すると、誰がどういう気持ちで参加をしているのか、利害関係はないのか、みたいなことが気になってしまい、余計に喋りづらくなってしまいます。また、集団には序列がありますので、序列が上の人が中心となって話してしまい、下の人はほとんど喋らない。そんな会議もよく見かけます。ですが、アイディアの質は発信する量に比例します。誰かの意見に偏った会議はあまり面白みのある会議にはならないですし、組織の序列が強調されすぎると、ちゃぶ台返しの率が高まってしまいます。あくまでフラットで、みんなが話しやすく、最小人数での会議。それが必要です。すこしずつ、最初に申し上げたグロースハックのためには「良い文化形成をすること」が必要という理由が分かってきたのではないでしょうか。

うまくいかない理由4:一度の失敗に過敏に反応しすぎる。

グロースハックを魔法の技術だと思っている人がいます。実際には改善のための施策というのは全てがうまくいくということはなく、いっぱいやってみて成功するまで・成功してからも試し続けることが必要です。

そのために、工数が高すぎる改善ばかりをするのではなく、小さいまとまりに分解して少しずつやっていくことをお勧めします。

小さいまとまりを回す際、一度の失敗に過敏に反応しすぎてしまうと良くありません。CVRが上がる案を考えて実行してみたが、0.2%下がってしまった。そんなときに、担当者一人に責任をなすりつけて怒鳴る。そんな人を時々見かけますが、こういった姿勢はグロースハックには最も向いていないと言えるでしょう。

グロースハックを考える方は是非「ブライトスポット」に目を向けましょう。全体のCVRは下がったが、ゴールへのCTRは上がっているケースを考えてみます。その場合、実は最初にゴールページに移動することが全体のCVRを上げるためには大事だと思ったけれども、そうではなく、ゴールページにいく前に「お客様の声」を見てもらうことが大事だったのではないか、そんな仮説が思いつくかもしれません。

そうすれば、失敗だと思っていた施策からも重要なヒントを学ぶことが出来ますよね。

詰めるのが良くない理由はもう一つあります。詰めた後に担当者から出てくる妙案は「言い訳」に聞こえてしまうということです。どんなに担当者が良い案を言っていたとしても怒られた後で言われると、まるで言い訳をしているように見えますよね。そうすると、せっかく良いアイディアを出しているのに、そのアイディアが捨てられてしまうなんてこともあるかもしれません。それは非常にもったいないので、失敗してもブライトスポットを見つけてどんどんやってみる、という姿勢が重要です。

うまくいかない理由5:アイディア出しのための基礎資料が空気を読んで作られていたり、誰かの多大なる労力を元に作られているために、結論がその人にとって有利な結論になってしまいがち。

アイディア出しには根拠となる数字がしっかりと分析されている必要があります。なぜなら、インパクトが少ない改善案を考えるよりも、インパクトが大きい改善案を考える方がその後の経営成績が良くなるからです。

そのため、前提となる資料が中立的であることが求められます。しかし、組織には色々な派閥があるものです。また、私たちは知らず知らずのうちに、誰かの目を気にしながら資料を作ります。その資料はA部長はどう思うか、この結論だと営業部が嫌がるのではないか。そうやって軌道修正をしてしまうといつの間にか、大事だったはずの発見が歪められ、巧妙に隠されて起票されてしまう可能性があります。

それだけではありません。基礎資料を作るシーンを考えてみましょう。多くの場合、その担当者はその仕事だけを専任でやっているわけではなく、他の仕事と兼業をしています。そうなると、残業をしながら資料を作るという方も多いでしょう。朝一のミーティングのために資料を作る。夜にはレッドブルやコーヒーを飲みながらGoogle Analyticsと格闘をして、資料を作る。そんな方もいるでしょう。そうなると、わざわざ時間をかけて作る資料です。多大なる労力をかけることの見返りとして、自分が困るような情報をわざわざ積極的にいれようとは考えなくても不思議ではありません。果たしてその資料が良い資料と言えるでしょう.

では、どうすればいいのか?

個人的にはグロースハックの前提として、良い会社文化を作らないといけないと考えています。良い会社文化とはフラットで、アイディアを尊重し、小数で意思決定をすることが出来、誰かだけが多大な労力をかける必要がない会社文化のことです。

その文化を作るためには、良い会議の実例を示していく必要があります。人は気持ちの良いもの、楽しいものに敏感です。最初は反発が生まれたとしても、その会議が楽しかったり、居心地が良かったりすれば、感度の高い人から徐々に変わっていきます。

では、組織を変えたい人は最初のアクションをどのように始めるべきでしょうか?自分が前面に立って改善をしようとすれば、波風が立ってしまいますね。

1つの策としては、多くの企業はそんなとき中立的な第三者であるコンサルタントを雇います。外から来た人に正論を言ってもらい、喧々諤々な議論になった上で、諌めるように「コンサルタントの先生が言うのも分かる部分はあって・・・」と始めるのです。これなら自分は中立的なふりをしながら、誘導をすることが出来ます。ですが、この手法はコストが非常に高いため、出来る人は限られていますし、目的が自分の意見を通すことだけで、本質的な改善にはつながらないかもしれません。

そのためにも個人的にお勧めしたいのが「ツールの活用」です。人のやるべき仕事はクリエイティブなアイディアを創出したり、実際に実行する部分だと個人的には考えています。Google Analyticsを使ったログ解析などは典型的なツールで、対応するべき仕事の範囲になります。機械は残業をしても、計算ミスをしません。

Google Analyticsを使っている企業の多くは集計まではしているものの、その後の改善施策の立案や実行に時間を使えていません。なぜそうなってしまうのか。その原因は単純にレポートづくり・ドキュメントづくりの時間がかかりすぎてしまうために、改善にまで時間を使えなくなってしまうからだと個人的には考えています。

集計やレポートは誰かが空気を読みながら作るよりも、第三者であるツールが自動的にしっかりとした計算ロジックに基づいて作ったほうがよっぽどいい叩き台になります。人はレポートを眺めながら自由なアイディアを出し合って、実行に時間をかけるべきです。

そんなWEBマーケティングやグロースハック、組織の文化を良くすることに関心がある方にお勧めしたいのがKOBIT(コビット)です。KOBITは夜担当者が寝ている間に、先月のアクセス解析のデータを生成し、自動的に14枚のパワーポイントを作ってくれます。担当者が3日くらいかけて作っていた資料を2分で生成してくれるため、大幅な時間短縮に繋がります。

通常こういったサービスはBIツールと言って月40万円ほどしますが、月5000円という価格を実現しているため、多くの企業で手軽に導入することが出来ます。良い会社文化を作るための第一歩として導入を検討してみてはいかがでしょうか。






MARKETIMES編集部

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MARKETIMESを運営する編集部。国内や海外のデジタルマーケティング情報を中心にノウハウや事例、調査データなど幅広くご紹介しています。

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