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まだ注目されていないソーシャルコマースのもう一つの側面とは?

2020年には、様々なSNSアプリに新機能が導入され、注目を集めました。とりわけYouTubeとInstagramのライブ配信機能は、eコマースの進化を加速させ、あらゆるユーザーをミニ・インフルエンサーに変えたことから、広く話題となりました。一方、新興プラットフォームとしては、TikTokやClubhouseなどのアプリが脚光を浴びました。しかし、ソーシャルコマースにはあまり注目されていないもう一つの側面があります。それは共同購入です。

eコマースの黎明期である2006年頃、ユーザーが「グループ」を作って一緒に注文することで、商品・サービスをより安価に購入できるGrouponというグループ購入プラットフォームが登場しました。自分の知人や家族に商品を紹介すると、報酬を受けられる仕組みです。

今日、「ソーシャルコマース」といわれるものの多くは、通常はかなり受動的であるコメントの共有やライブストリームの視聴などを除いて、他者と交流する機会がほとんどありません。Grouponは、ショッピングが「ソーシャルな活動」であり、客はお互いに影響を与え合うものだと認知していました。しかし、これを利用できているソーシャルコマースはごく僅かです。

現在のeコマースやソーシャルコマースは、1人で行うものがほとんどです。ゲーマーがゲームの実況をTwitchで配信するように、個人のオンライン・ショッピングを実況することはありませんし、ブランドはユーザーが一緒に買い物を楽しむというソーシャル・エクスペリエンスを構築していません。早いうちからGrouponがこれを把握していたにもかかわらず、eコマース業界は未だに追いついていないのです。

しかし、ここ数年の中国の状況は異なります。同国で「抖音(Douyin)」として知られるTikTokの台頭は話題となりましたが、今、新たなアプリがeコマースのあり方を変えつつあります。現在、中国で7番目に人気のアプリ、Pinduoduoです。このアプリでは、ユーザーは友人や家族と一緒にゲーム感覚で買い物をして割引を受けられるなど、買い物客を喜ばせる要素が目白押しなのです。ユーザーがSNSのアカウント上で商品を紹介し、友人が自分の共同購入グループに加わり、一緒に購入をすると値引きされます。また既存の別のグループに加わっても値引きされます。これは、売り手・買い手双方にとって有益です。ブランドは顧客獲得単価(CPA)が低く抑えられ、顧客はリアルでのショッピングと同じように、人と交流しながら買い物を楽しめるのです。

2020年、普通の人でもミニ・インフルエンサーとなれる時代が到来しました。2021年、2022年は、SNS上での情報共有やグループ購入による「ソーシャルコマース」が進化を遂げるでしょう。

この現象が中国だけに留まらないことを実証しているのが、eコマースプラットフォームのShopifyです。2020年後半、Shopifyは「Power Buy」というアプリでグループ購入ができる機能を追加し、加盟店が前述のPinduoduoと同様のパーソナライズされたページを構築できるようにしました。

将来のeコマース、中でもソーシャルコマースについては、次のことに留意する必要があります。
-ソーシャルコマースとは、「つながり」です。ここで例に挙げたサービスでは、共通の関心をもったユーザー同士がつながり、対話が生まれるように促しています。顧客がショッピングをする際の「つながり」やコミュニティの構築に向けて、積極的に何ができるでしょうか。
-グループ購入に割引を適用する必要は必ずしもありません。今、共同購入に割引を導入しているところが増えていますが、ブランドは割引ではなく、これまでにない新たな体験やコンテンツを考案することも可能です。
-ショッピングは「ライブ」ではなく「ソーシャルな体験」になり得ます。PinduoduoでもShopifyでも、ユーザーはライブの体験なしに、一緒に「買い物」することを楽しむことができます。ライブの体験と非同期コミュニケーションの両方を利用して、ブランド体験の効果を最大限にする方法を考えることが重要です。

電通アイソバーのCommerce Serviceは、ソーシャルコマースのエキスパート集団がノウハウを駆使し、Adobe、SalesforceやSpotifyをはじめとした主要なeコマースプラットフォームとも提携して、eコマース体験の構築のため最適なソリューションを提案・導入いたします。ぜひ弊社までご相談、お問い合わせください。