HubSpot Japanが2024年の「日本の営業に関する意識・実態調査」の結果を発表した。この調査は、新型コロナウイルスの5類移行や生成AIの台頭といった社会の変化の中で、日本の営業組織がどのように進化しているかを明らかにすることを目的としている。
調査結果のハイライトによると、営業担当者は業務時間の54%を顧客とのやりとりに費やしており、理想としては「1日にあと25分」顧客と接する時間を増やしたいと考えていることがわかった。また、訪問営業を好む営業組織は53.3%で、リモート営業に対する好意度が微減していることが示された。
意思決定においては、「データ重視派」と「感覚重視派」がほぼ半々であり、従業員規模が大きくなるほどデータを重視する傾向にある。CRMソフトウェアの導入率は全体で36.2%と前回調査時と同水準であるが、従業員数1,001名以上の営業組織では導入率が47.4%にのぼる。
生成AIを業務に活用したことがある営業担当者は21%であり、営業組織における生成AIの利活用が顧客との関係性向上の鍵になる可能性も示唆されている。しかし、生成AIの活用に対しては、売り手・買い手ともに「部分的な活用には肯定的だが、積極的な活用には肯定できない」という意見が多かった。
HubSpot Japanのシニアマーケティングディレクター、伊佐裕也は、以下のようにコメントしている。
「営業組織における課題感は大きく変化しませんでした。これに対して、ビジネスシーンにおける『信頼関係』の重要度は、コロナ禍を経て売る側と買う側双方にとって高まってきていることが数値に現れたのも印象的です。」
「生成AIの認知度や活用度合いは徐々に向上し、実際に業務効率化・生産性向上も期待できる一方、自社の顧客のニーズを踏まえない汎用資料や定形コミュニケーションの大量生産、大量発信は顧客との信頼関係を毀損するリスクを孕んでいます。」
「『独自の価値観』や『信念』を言語化し、それに基づいて一貫性のある営業活動を行っていくことが競争力の向上につながってくるでしょう。」
この調査は、ビジネスシーンにおける「売り手」計1,545名及び商品やサービスの「買い手」計515名を対象に、2023年11月24日から27日にかけてオンライン上で実施された。HubSpotは、今後も日本企業が最先端のテクノロジーを活用しながら顧客との信頼関係を育み、事業の成長を推進できるよう支援を続けていく方針だ。
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