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集客に大事なのは「継続力」 Peatixに学ぶイベント集客とコミュニティづくり【Peatix取締役CMO・藤田祐司氏インタビュー】

Peatix取締役CMO・藤田祐司氏

 既存顧客を中心としたコミュニティを作り、継続的な関係を構築する「コミュニティマーケティング」が注目を集めている。イベントなどを通じて顧客どうしのつながりを深め、既存顧客が新たな顧客を呼ぶ新たなマーケティング手法として取り組む企業も少なくない。コミュニティの発展やイベントを支援するPeatix Japan株式会社(ピーティックスジャパン:以下、Peatix)CMO・藤田祐司氏に、イベントを成功させるためのポイントやコミュニティづくり、Peatix創業の経緯などを取材した。

コミュニティ発展のための集客支援を展開

—— まずはじめに、Peatixの事業内容を教えてください。

藤田:Peatixは2011年5月に誕生した、イベントとコミュニティの発展を支援するサービスです。コア事業は3つありまして、1つ目はPeatixのプラットフォームによるイベントの「集客」支援です。2つ目は有料イベントを開催する場合の「集金」で、コミュニティ活動において月額で費用を集める際に必要な決済などを支援しています。

 3つ目が「集援」と呼んでいるコミュニティと企業をつなぐ活動で、これは企業側がイベントを行う際、我々がそのイベントと同じような属性を持ったコミュニティに対してアプローチをかけ、企業とコミュニティのマッチングを支援するというものです。

Peatix取締役CMO・藤田祐司氏

Peatix取締役CMO・藤田祐司(ふじた ゆうじ)氏
慶應義塾大学卒業後、株式会社インテリジェンス(現 パーソルキャリア株式会社)で営業を担当後、2003年アマゾンジャパン株式会社(現 アマゾンジャパン合同会社)に入社。最年少マネージャー(当時)として、マーケットプレイス事業の営業統括を経て、Peatixの前身となるOrinoco株式会社を創業。国内コミュニティマネージャーチームを統括したのち、営業、マーケティング統括を兼務。2019年6月 CMO(Chief Marketing Officer)に就任した。

 なので大きく分けると集客、集金、そして「集援」の3つが事業のコアになっています。現在は世界27か国に840万人のユーザーがいて、実際にイベントを開催するコミュニティの数は13万に上ります。

 最近では事業拡大に伴い、興行系の企業様に使っていただくケースも増えてきているのですが、いわゆるプレイガイドのサービスと競合しているわけではありません。Peatixは1つのテーマや思いをもとに一緒に活動したり、新たな繋がりを作るための草の根の活動をしたりといった、ロングテールでの関係づくりをサポートすることに特化したサービスです。

—— 創業の経緯についてお聞かせください。

藤田:Peatixの前身であるOrinocoという会社の立ち上げから一貫して、「個のエンパワーメントを応援する」ことをテーマとして掲げてきました。このテーマを実現するために何ができるのかをいろいろ考えながら進んでいった結果、イベントごとサポートするようなコミュニティ支援に大きな可能性を感じたことがPeatixのルーツです。

 当時はFacebookの認知が少しずつ広がってきたタイミングだったのですが、ちょうど震災で一気にソーシャルメディアが広がりました。それでもまだまだ自分たちが表現したいことを表に出す場が十分ではないという中で、そうしたコミュニティやイベントの支援には可能性があると思いました。

 アメリカなど、海外ではコミュニティやイベントの支援活動サービスが盛り上がりを見せていた時期でもあったのですが、我々Peatixは個人の活動を支援するところからスタートしました。創業時からサービス内容そのものは大きくは変わっていないのですが、活用の場面やスケールがどんどん広がってきたと感じていますね。

—— 創業当時から、コミュニティを支援するというところは変わらないのですね。

藤田:以前はアーティストのライブ音源をライブの翌日に販売するというような、音楽系のサービスを展開していたこともあります。Peatixの事業を立ち上げる段階では、インディーズの方の利用を増やして活動のお手伝いができればと考えていたのですが、東日本大震災により、世の中全体で「自粛」という形になりました。

 エンターテインメント領域も例外ではなく、ライブやフェスをどんどんやっていくという状況ではなくなっていました。そうした中で我々に何ができるかを考えた時に、震災からの復興を支援するNPOがたくさん立ち上がったり、個人での活動がものすごく広がりを見せていたので、そのような方たちを応援することが最初の1歩でした。

 当時はNPO団体が行うようなソーシャル・グッド系のイベントであれば、有料のイベントであっても、手数料を原価まで下げるといった割引プランも用意していました。そういった方を応援しようというところに踏み切って、ちょうどサービスを開始したタイミングから動いていきました。

 これがPeatixの原点であり、我々が「草の根の活動」であるコミュニティを応援していくに至った経緯になります。そうした支援を通じて感じた、コミュニティの強さも1つの原点ですね。

イベント集客の成功ポイントは「参加者側の視点」

—— Peatixには、どのようなコミュニティがあるのでしょうか。

藤田:主にヨガやグルメなどの「ライフスタイル」と「ビジネス」、「エンターテイメント」の3領域になります。いまはライフスタイルとビジネスが約40%ずつ、エンターテイメントが残りの約20%を占めていますね。それぞれの領域の中でも、かなり幅広いジャンルのコミュニティが形成されているのもPeatixの特徴です。

 コロナ禍前まではそれぞれ1/3ずつという感じでしたが、コロナ禍でオフラインイベントやライブができなかったという背景もあり、構成比が変わってきていますね。こうしたエンターテイメント領域も、今後はコロナの終息にしたがって、また伸びてくると思います。

—— ビジネスにおいては、どういった企業からのニーズがあるのでしょうか。

藤田:最近ではウェビナーなどのリードジェネレーション(見込み客獲得のための活動)を目的とされている企業のご利用が多いですね。特にセールスマーケティングチームによるイベント開催が多いように感じています。コロナ前は1000人以上の方が集まるようなビジネスカンファレンスでご利用いただくことも多く、コロナ後はこのような需要も戻ってくると考えています。

 こうしたウェビナーやカンファレンスは業種を問わずご利用いただいているのですが、ここ数年はSaaS系の事業を展開する企業の利用がとても増えていますね。他にも人材ビジネスなど、人事関連の企業が主催するイベントも多くなっています。またイベントの数自体も増えており、特にビジネス系のイベントはオンラインで行なう企業様が多いというのが現状です。

—— そうしたイベントを成功させるためには、どういったところがポイントになりますか。

藤田:企画の中身がしっかりしていることはもちろんなのですが、多くの方にイベントへ参加してもらうためには「参加者側の視点」が大事になります。Peatixも含め、いろいろなところでオンライン・オフラインを問わずイベントの告知がなされていますが、イベントのタイトルやイベントページで使用する画像のクオリティなど視覚的な要素が重要になります。

 また、サービスごとの見え方の違いをしっかり把握しておくことも大切です。Peatixはスマホなどのモバイルから見られている方が多くいらっしゃるので、モバイルからはどう見えるか、またFacebookなど他サービスであればどう見えるかを考えて、サムネイルの大きさなどをサービスごとに変えたりといった工夫が大事です。

 昔は画像を用意するハードルも高かったのですが、現在ではCanva(無料でも利用出来るグラフィックデザインツール)のようなサービスを使ったり、PowerPointやKeynoteを活用したりして簡単に高品質な画像を制作することができます。画像を作ることをあまり重く受け止めずに、このようなサービスを利用して魅力的な画像を用意することも1つのポイントですね。

 他にもPeatixではイベントの時間帯や曜日などの調査レポートも出しているので、そういった資料も参考にしていただきながら、参加者の動きを見ていくことも必要ですね。

「メリットが一目でわかるタイトル」で参加者を引き付ける

—— イベントタイトルの設定においては、どういった点に気を付けるべきなのでしょうか。

藤田:イベントに参加することで「何を得られるか、何を解決できるのか」がタイトルに含まれているか、という点に気を付けてほしいですね。「Peatixカンファレンス」のようなサービス名などを冠にしたイベントタイトルをたまに見かけるのですが、参加して何が得られるのか参加者に伝わりづらいため、集客にはつながりません。

 集客のコツとして、タイトル設定のテクニックをお伝えすると、イベント名を波ダッシュ(~)で囲んで後ろに持ってくるというものがあります。また、オンラインかオフラインか、無料か有料かという情報は、ぱっと見て判断できるようにタイトル内に記載するとよいと思います。オンラインであれば参加しようという方も多いので、たとえば「【オンライン無料ウェビナー】〇〇 〜Peatixカンファレンス〜」のように、最初に隅付き括弧でどのようなイベントなのか、情報をわかりやすく伝えることが大切です。

 いわゆるイベントページにまず来てもらえるか・中身を見てもらえるかは、最初の情報である「タイトル」と「画像」で決まります。ユーザーが何のイベントかわからないと感じた瞬間にスクロールされて、過去のものになってしまうので、「目に留まった瞬間に、いかに情報を伝えられるか」という意識が求められますね。

—— コロナ禍でビジネスにおいても行動様式が変わってきていますが、イベントの時間帯なども変化があったのでしょうか。

藤田:ビジネスに限らないのですが、以前は18時~19時開始で21時くらいに終わるというイベントがスタンダードでした。今はオンラインに移行したこともあり、20時や21時スタートのイベントも増えていますね。参加しやすい時間帯についてのアンケートでも、20時から21時という回答が多いという結果になっています。

Peatix上で公開されたイベント数・オンラインイベントの割合

 また、以前は人と集まって飲みに行きがちな金曜日や、どこかに出かけることの多い土日は、人が集まりにくい状況にありました。しかし、家にいる時間が増えたことでそうした機会が減少した結果、平日なら金曜日に参加したいという方や、土日なら参加しやすいという方が増えています。外に出る時は気を付けようという情勢の中では、このような動きになるというデータが出ていますね。

—— 参加者の総合的なニーズをとらえることも重要なのですね。

藤田:イベントページを見て100人が申し込んだとしても、100人全員が当日に参加してくれるわけではありません。申し込み率まではかなり考えられている方も多いのですが、この「参加率」をどう高めていくかが重要です。そこを考えると、曜日や時間帯を考慮することも必要だと思いますね。

 先ほどのデータは一般領域での調査結果なので、ビジネス領域の場合は想定するクライアントや参加者の属性によって、時間帯や曜日のニーズが変わってくると思います。そのあたりを企画段階からしっかりと設計した上で、イベントづくりを行なうのがよいと考えています。

細かいデータから特定の層を狙えるPeatix

—— そうした細かいデータからイベントに最適な日時を決められるというのも、集客面におけるPeatixの強みなのですね。

藤田:どういった企業のどういった部署の方が参加しているか、という情報を得られるのも特徴の1つだと思っています。主催者判断で参加者にアンケートを取る「フォーム機能」を使うのですが、その回答データは主催者側に帰属するので、次回以降のイベント集客にも活用いただけます。サービスによるとは思いますが、基本的にこうしたアンケート結果は公開されないので、Peatixを活用するメリットだといえますね。

 当社ではユーザーが過去に参加したイベントの属性などのデータを蓄積し、集客のエンジンに活用しています。このエンジンが、集客におけるPeatixの大きな強みです。例えばAさんが東京でマーケティングのイベントに参加した場合、後日同じような属性のイベントが開催されたときに「おすすめ」としてAさんに情報を伝えるという仕組みです。

 Peatixでは、イベントを主催するとコミュニティグループを持つことができます。イベントの参加者にこのグループをフォローしてもらうことで、フォロワーに対してメッセージを送ったり、新たなイベントの情報を自動で通知することが可能です。こうしたフォロー機能を通して、自社サービスやイベントのファンとのつながりを持てるのもPeatixの強みです。

—— ビジネスにおける、Peatixの活用事例を教えてください。

藤田:例えば、HISさんの「旅と本と珈琲と」という企画にPeatixをご活用いただきました。猿田彦珈琲様とタッグを組んで、旅にまつわる本と珈琲を楽しむというコンセプトのカフェを表参道で展開されていたのですが、そちらでは、日々開催される少人数イベントの集客にPeatixを使っていただいていました。

 このようなイベントに申し込んで実際に参加する方は、かなりアクティブな方が多く、旅行との密接なつながりが期待できると思います。そうした方に自社のコミュニティをフォローしてもらい、間接的に旅行とのつながりを高める働きかけを行なうことでコミュニティを広げられていました。HISさんは現在でも、「旅カレッジ」という企画コミュニティのアカウントを持たれていて、そちらでは1万4千人以上のフォロワーがいらっしゃいます。

 他の事例では、丸の内エリアで三菱地所さんが展開されている「東京21cクラブ」というコミュニティがあります。

Founders Night Marunouchi イベント画像

 こちらは、丸の内に拠点を置くスタートアップ企業をコミュニティ化する、ということで始められたイベントシリーズです。スタートアップ経営者の方に登壇していただき、オンライン・オフラインを組み合わせたイベントが月1回行われています。

 Peatixを活用して、コミュニティマーケティング的手法で潜在顧客にアプローチをかける企業も増えている印象がありますね。

—— イベントと親和性の高い属性を持つユーザーに訴求できれば、コミュニティの成長を加速させられるように思います。

藤田:HISさんの「旅カレッジ」では、ハワイやニューヨークといったメジャーな場所はもちろん、行き方もわからないようなニッチな場所を取り上げる企画もあります。口コミが少ない場所が好きというコアなファンもいらっしゃるので、そうした熱量の高い方同士でつながりができたりもしますね。なかなか世の中に出回らない情報でも、HISのコミュニティに参加することで得られるとなれば、HISさんへの親近感も増していきます。

 広く多くの人を集めることも大事なのですが、コアなファンをつかむこともまた重要です。コアなファンの獲得はただコミュニティを広げるだけに留まらず、コミュニティ全体の質を上げることにもつながってくるように思います。

集客のサポートも実行可能

—— Peatix側で集客のサポートを行なった事例についてもお教えください。

藤田:これもスタートアップ関連の事例なのですが、伊藤園さんが以前から行なっている「茶ッカソン」というイベントの集客などのサポートさせていただきました。

伊藤園「茶ッカソン」ロゴ

 お茶とハッカソンを合わせた造語で「茶ッカソン」というタイトルになっています。内容としては、立場や職種に関係なく様々な人が集まって各々でビジネスアイデアを考え、チームを結成し、最終的にはプレゼンを行なって優勝者を決めるというイベントシリーズになります。イベント後には、実際にそのビジネスを実行される方もいらっしゃいますね。

 伊藤園さんは、スタートアップ業界にしっかりとリーチしてブランディングしていくという考えを持たれていて、「おーいお茶」ブランドと、起業などに挑戦する人への応援を掛け合わせるイベントを行ないたいという思いからスタートしました。

 スタートアップ関連に興味を持つ方はPeatixユーザーにも多いので、当社ではそのような方々の集客をサポートさせていただきました。結果として伊藤園さんのスタートアップに対するプレゼンス(存在感)が非常に上がっていき、このようなコミュニティ活動においての立ち位置を作ることに貢献できたと思っております。

—— こうしたイベントは参加率も高いのでしょうか。

藤田:チャッカソンのような、メディアの露出もある注目度の高いイベントは申込数も参加率も高いという印象があります。しかし、例えばトーク系のイベントであれば、その時のテーマや登壇者によってばらつきがあるので、何をやっても人が集まるというわけではありません。

 最近では1000人規模のイベントを開催してフォロワーを一気に増やすというアプローチよりも、数十人〜100人程度の規模間のイベントをコンスタントに開催して、コツコツとコミュニティのメンバーを増やしていくケースが多いように感じています。以前は比較的大きなカンファレンスなども多かったのですが、これまでとは少し違う動きが出てきているように思います。

参加者の顔が見える規模感は「最大50人」

—— イベントの集客を成功させるためには、定期的なイベントを開催してコツコツとファンを増やしていくという継続性が重要なのですね。

藤田:例えば、企業がコミュニティを作っていこうとしたときに、大型のイベントを開催するとなると準備だけでも半年以上かかったりします。仮にそのイベントを開催して500〜600人集まったとしても、大人数のイベントは熱量が高いぶん、ひとりひとりに声が届いていなかったりするので、温度が下がりやすい状態になってしまいます。

 イベント参加者やコミュニティメンバーの熱量を上げることを、コミュニティづくりでは「加熱」という言い方をするのですが、イベントを開催して加熱させたうえで、いかに高い熱量を保ったままコミュニティを作っていくかが基本的な考えになりますね。

—— 規模感としては、どれぐらいの人数がベストなのでしょうか。

藤田:Peatixが自分たちで醸成している主催者コミュニティではおおよそ30人、最大でも50人までが適正だと考えています。以前は100人超の規模のイベントを開催したことがあるのですが、そこまでの規模になるとやはり参加者ひとりひとりの顔まで見ることは難しかったんです。

 年に1回大きな花火を打ち上げるよりは、自分たちでコミュニケーションを取れるだけの参加者数をベースに、定期的にイベントを開催することが望ましいですね。コミュニティを構成する人たちがコンスタントに集まれる場を作っていくことの方が、コミュニティ作りとしてはやりやすいと考えています。

—— 今後の展望についてお教えください。

藤田:まず業界全体を見ていくと、現在はかなりオフラインの活動も戻りつつあるので、その流れの中でオフラインのイベントも増えてきているように感じます。人と直接会うことはオフラインでしかできませんし、人と「つながる」という点ではやはりオフラインのほうが強いです。会場の空気感や音の振動など、オンラインではどうしても伝えきれないものがあるので、エンターテインメント分野はオフラインに回帰していくだろうと考えています。

 一方で、ウェビナーのような情報を得る・学ぶというイベントは、移動のコストがなく参加・開催の場所も問わないオンラインに残っていくでしょう。学びを得た参加者がコミュニティを作って交流を深める際は、オフラインで集まるというような形で、オンライン・オフラインの使い分けやハイブリッド化が進んでいくと予想しています。

 当社の展望としましては、たとえばPeatix上でチケット販売から配信までの流れをワンストップで行うことができる「Peatix Live」という配信サービスがあるのですが、このようなオンライン配信システムのサービスを拡充させていきます。さらに、イベントの集客時・開催時以外でもPeatixのグループページを活用して何か活動ができるような、よりコミュニティを盛り上げていく機能も充実させたいと考えています。

Peatix Live ロゴ画像

コアな顧客層との関係づくりが重要

—— 最後に、これからPeatixを利用する将来のユーザーに向けてアドバイスをお願いします。

藤田:イベントを開催しても最初はなかなか人が来ないというケースもあると思います。しかし、いきなり多くの参加者を集めることが正解だとは限らないという点を意識していただきたいです。

 多くの参加者が来ることは、ビジネスにおける仕事の成果としては見栄えがよいかもしれません。しかし、コアなファンと継続的にお付き合いをすることが、企業のマーケティングやブランディングなど顧客との関係づくりに効いてくることもあります。

 コミュニティマーケティングを始められる際には、この認識を上長の方と合わせておくとよいでしょう。一緒に時間を過ごすイベントの参加者とどういう関係を作りたいかを意識すると、ユニークな事例が出てくるかもしれません。

 ビジネス以外にもエンタメやカルチャーなど、Petiaxには、さまざまなジャンルのイベントが揃っています。見方を変えるだけで、いろいろな業界のマーケティング手法を知ることにもつながりますので、ぜひPeatixをご活用ください!

Peatixロゴ

Peatixは、「出会いと体験を広げる」をミッションとして、有志のイベントから大型フェスまで様々なシーンで活用できる、イベント・コミュニティ管理サービスです。現在は全世界で840万人以上の人が利用するサービスで、セミナーから音楽フェスなど、あらゆるイベントでお使いできます。2011年にサービスを開始し、日本をはじめ、アメリカ、シンガポール、マレーシア、香港など27カ国で多くのユーザーに支持されています。
Peatixを始めるために特別なスキルは一切不要で、イベント名やチケット金額、会場住所などを入力するだけで告知ページを作成できます。誰でも簡単にチケットを販売できることが、Peatixの特徴のひとつです。

Peatix公式サイト

編集後記

東日本大震災から2か月後に創業したPeatix。藤田氏は「当時は復興支援のイベントがとても多かった」と振り返る。復興支援がひと段落し平常時に戻った後も、別のイベント活動でPeatixを利用し続けるユーザーが非常に多く、「我々が支援をさせていただいた方々が、Peatixを広げてくださったのです」と、藤田氏は笑顔で語った。1つのサービスを使って集まった縁がサービス自身の規模を広げるという、コミュニティマーケティングの成功例をPeatix自身が示している。

取材・構成:MARKETIMES編集部・中島 佑馬