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「担当者が得意なメディア」から始めるリード獲得とは? free web hopeに聞く、コンテンツマーケティングの成功ポイント

株式会社free web hope 代表取締役社長・相原ゆうき氏

 ターゲット層に価値のある情報を提供し、顧客の育成やリードの獲得につなげるというコンテンツマーケティング。新たなマーケティング手段として、オウンドメディアでの情報発信などに取り組むBtoB企業も増えている。コンテンツマーケティングの重要性やマーケターの持つべき意識などについて、株式会社free web hopeの相原氏にインタビューを行った。

個人情報保護法を背景に注目度が上昇

—— 貴社の事業内容についてお聞かせください。

相原:もともと当社はLPと広告に特化したデジタルマーケティングの会社なのですが、直近では事業の立ち上げ支援や、SNSやコンテンツを活用した集客支援も事業として行っています。DX化なども含め、デジタルマーケティング領域におけるコンバージョン率アップの支援を幅広く行う会社です。

株式会社free web hope 代表取締役社長・相原ゆうき氏

株式会社free web hope 代表取締役社長・相原ゆうき(あいはら ゆうき)氏
2011年に株式会社free web hopeを創業。 累計1000件以上のランディングページの制作運用実績を有する。Twitterアカウントは9.7千フォロワー。 自著に『現役LPO会社社長から学ぶコンバージョンを獲るランディングページ』、共著に『現場のプロが教える!BtoBマーケティングの基礎知識』がある。

—— デジタルマーケティングの推進は多くの会社で行なわれていますが、最近ではコンテンツマーケティングを取り入れる企業も珍しくないように思います。なぜこの手法に注目が集まっているのでしょうか。

相原:Cookie規制をはじめとする、個人情報保護法の影響が大きいですね。広告媒体で広告を打つだけではなく、「自社コンテンツで集客して顧客データを集めていかなければならない」という認識が広がったために、再度コンテンツマーケティングの注目度が上がっていると考えています。

 BtoBの企業においては、顧客との良好な関係性の構築や、見込み客へのアプローチがダイレクトに行なえることが大きな強みです。費用の支払いを止めてしまえばいきなり流入がなくなる可能性のある広告とは違い、価値の高いコンテンツであればなくならずに蓄積していくので、1つの企業財産として残っていくというのもメリットです。

担当者が継続できる媒体から始めるべき

—— 「どの媒体から手を付ければいいのかわからない」という企業もあるように思います。

相原:どの媒体にも一長一短はあるのですが、結局のところ最も重要なのは「継続力」です。有益な情報を発信し続けないとコンテンツマーケティングは成立しないので、まずは担当者が得意な、または苦手意識を持たないようなプラットフォームから始めて情報発信を継続することが大事ですね。

コンテンツマーケティングのチャネル(媒体)

 プラットフォームとして拡散性があるのはTwitterですが、例えば担当者がプライベートでInstagramを運用しているなら、Instagramを糸口にしたコンテンツマーケティングを始めるべきだと思います。結局のところどのプラットフォームでもやりようはあるので、そのプラットフォームを運用することが得意かどうか、苦手意識を持っていないかどうかは非常に大きな要素です。

 またSNSなどに興味がない人でも、媒体をハック(解析や拡張)することが好きな人はどの媒体でも結果を残せる可能性があると考えています。「こうやるとエンゲージメントが高くなる」と分析したり、アルゴリズムを研究して「今はこういうツイートの表示回数が多いようだ」と予想することを楽しめるような、数字や戦略が好きな方だと全体的にうまくいく傾向があるように思いますね。

—— プラットフォームへの苦手意識がないことに加え、数字を見るという意識も大事なのですね。

相原:同じ数字を見ても、データの読み解き方によってアウトプットの形が異なります。アウトプットには世の中をどう見ているかというセンスも問われるのですが、そもそもデータを正確に理解できるかというのが大事です。

 たとえばランディングページで例えると、Googleアナリティクスで報告された平均滞在時間の長短でそのページの効果を判断することはNGです。アナリティクスの平均滞在時間はページAからページBに遷移したときの差分の時間のことをいうので、各ページに滞在した時間をストレートに表しているわけではありません。またこれらは仕様の変更などによって変わります。

 こうした知識がなければその数字が意味するものを見誤ってしまいますし、施策の精度が悪くなるという状況が生まれてしまいます。なので、数字の意味をきちんと理解していることは大前提ですね。

データを正しく読み解くことで成果が生まれる

—— データを読み解くという面では、どういった要素や意識が必要になるのでしょうか。

相原:例えば遷移率が悪いページを発見した場合、単純に下層ページへの動線を強めようとするのは安直な読み取り方だといえますね。ページの遷移率が低いということは、そのページ内だけで必要な情報が完結しているという場合もあるので、安易に「遷移率を高めるべき」という考えに直結してしまうのはNGです。

 CVしたユーザーが下層ページまで遷移していなければ、遷移率が低いこと自体は特に問題ではないとわかります。そのため「言葉や指標の正しい意味を知っている」という前提のうえで、「データを正しく読み取れる」というスキルが必要不可欠です。正しいアウトプットを行なうにはこの2段階をクリアしていることが前提ですが、そのデータが何を表しているかを正しく理解することはしっかり勉強すればクリアできるので、そこまで難しくありません。「その事実をどう解釈するか」の方が大事ですね。

—— 他にはどういった点に気を付けるべきなのでしょうか。

相原:基本的にすべてのコンテンツマーケティングに言えることなのですが、「見る人のことを第一に考える」ことも重要です。そのコンテンツが「面白いか」と言い換えてもいいですね。笑えるか、泣けるか、勉強になるかなど面白さにも色々ありますが、、動画やテキストなどの発信手段によらず、その軸からブレないアウトプットができるかが大事です。

 またコンテンツマーケティングを成功させるためには、寄せられたコメントやリプライなどの会話からニーズをキャッチアップしたり、サーチコンソールなどのデータを見てユーザーの動向からさまざまな推察を行なったりといった、双方向性もポイントとして挙げられます。

「定性的」な顧客理解と「定量的」なデータ理解

—— コンテンツマーケティングを実行するにあたって、マーケターがつまづきがちな点があれば教えてください。

相原:越えるべきハードルは2つあって、1つは先ほど申し上げた数字の理解や分析、その次にあるのがユーザーの理解になります。ユーザー理解はアウトプットのセンスに関わる問題なのですが、アンケートなどを通じた顧客理解やクライアントが求める商品についての理解がなければ、消費者から求められているものとはズレたコンテンツが出力されてしまいます。

 こうした定性的なところの情報は顧客へのヒアリングで取れますが、施策の効果という定量的な情報はすべて数字で証明されるので、数字の理解もなければうまくいきません。数字と顧客理解は全く同じ重要度なので、最初は顧客理解と数字の見方・読み解き方をしっかり勉強することが、コンテンツマーケティングを成功させる1番の近道です。

—— 顧客や商品についての理解と、数字の見方・読み取り方の理解がある担当者が、自分の得意なプラットフォームでコンテンツを配信することが理想的なのですね。

相原:実際の現場では定性面に強い人と定量面に強い人がいて衝突してしまうこともあるのですが、そうなると、マーケターはバランサーとしての役割を果たすことが求められます。運用体制にもよりますが、定量面・定性面にそれぞれ特化した人材がいる場合、マーケターが間に立って調整できるような体制を作っておくことも必要です。

 また意思決定に至るまでには、定量的・定性的な側面に加え、「この時期は短期的な施策を回したい」という時期的なものや、「とにかく今は営業をかけていく」といった会社の方向性などさまざまな要素が絡みます。そうした多様な要素の中でバランスをとっていく必要があるので、ある種の経営的な知見を含めた意思決定力も求められると思いますね。

—— オウンドメディアでの記事製作などを外注する企業も多いように思いますが、こうした社内外の体制についてはどういった点を意識するべきなのでしょうか。

相原:まず内製すべきか外注して業者に任せるべきかといった点では、基本的に社内に得意そうな人材がいれば、職種を問わずその人に任せてみてインハウスでの運用を行うべきだと思います。社内に適任者がおらず外注する場合でも、売上を生んでいるコアの部分は極力担当者が内製し、それ以外の部分を任せるというやり方が望ましいです。

 すべて外注にしてしまうと自社にノウハウがたまっていかないので、コアの部分だけでもいずれ内製化するという前提で運用するべきだと思っています。例えば、最初は外部の企業に伴走してもらいながら担当者がノウハウを学び、慣れてきたらコア部分から内製するという形でもいいと考えています。こうした体制づくりも重要なポイントですね。

仲間内で楽しみあい、励ましあうことでモチベーションを維持

—— こうしたコンテンツマーケティングの支援において、貴社ではどういったサポートを行なっているのでしょうか。

相原:コンテンツ制作の代行はもちろん、壁打ちやコンサルティングといった伴走も行っています。またコンサルティングの一環としてワークショップも行なっており、参加した社員それぞれが作ったコンテンツをコンペにかけて競争するという形で、楽しみながら高めあうというタイプの研修を行なっています。

 このワークショップは3か月かけて行うのですが、その3か月が終わった後も継続しなければ学んだことが残りません。そのため苦手意識をいかに取り除いていくか、面白がってやれるかというところに重きを置いています。

 コンテンツを作っても、基本的に最初は反響もなくフォロワーも増えないため、そこで心が折れる方も非常に多いです。軌道に乗るまでは、社内で励まし合ったり競い合ったりすることでモチベーションが生まれますし、5人や10人でそれぞれ別のコンテンツを制作すればその中の1人が伸びて、やり方を体得することも期待できます。

 当社が支援した採用管理ツールを提供するクライアント企業は、社員複数人でTwitterとホワイトペーパーを活用してリード獲得した事例があります。営業のメンバー13名に参加いただき、この13名を2チームに分けてホワイトペーパーのダウンロード数を競うゲーミフィケーションを取り入れました。結果的に支援から3ヵ月でフォロワー数が6000名増加し、インプレッション数も3倍に増えたことで、Twitter経由のホワイトペーパーのダウンロードは108件に達しました。

—— コンテンツマーケティングという手法は、今後どのように展開していくのでしょうか。

相原:担当者が得意なチャネルを深掘りすることは、どの企業にとっても前提となってくるように思いますね。また「その情報を誰が発信しているのか」という信頼性は今まで以上に重要視されるようになるので、今後は権威性や信頼性につながる動画メディアでの「顔出し」がさらに増えていくと考えています。

 逆に顔出しをしないコンテンツでは信頼の蓄積に時間がかかるので、濃いコンテンツを次々に投下しなければなりません。最近では顔出し動画も当たり前になってきているのですが、情報の発信源を明示することの重要度が増していくにしたがって、顔出しのコンテンツはさらに伸びていくでしょう。

「顧客ニーズから逆算」する総合的な事業支援を展開

—— 貴社の今後の展望についてもお聞かせください。

相原:今後はダイレクトレスポンスマーケティングを極めていきたいと考えているので、さらに大きくて広い意味でのマーケティングができる部門を育てていきます。社内のリソースなどの枠にあてはめるのではなく、商品名や値段の決定といった部分も含めた顧客の求めるものから逆算して、短期・中期・長期的な支援をすべてそろえた総合支援を展開する予定です。

 何から始めたらいいかわからないし人もいない、というところからスタートするので、抽象的な問い合わせでも対応できます。また支援チームの結成においても、社内リソースからではなく事業に必要なものから逆算してメンバーを構成するのですが、もし必要なリソースが自分たちにない場合、チームにフリーランスなどを入れて対応しています。

 数字に強いだけではなく、抽象的な課題を解決するパワープレーもできるという両輪を持っている会社はなかなかありませんし、再現性がない事業でもあるので、特にデジタルマーケティングの広告代理店でこうした支援を展開されている企業もないですね。

 LPや広告、コンテンツマーケティングやウェブサイト制作など、デジタルマーケティングの領域で行える支援はすべて実行できるので、デジタルで売り上げを伸ばしたいという方はぜひお声がけください!

Web Free Hopeの展開する事業支援

 free web hopeは経営脳を持ったマーケティング支援会社です。マーケティングの4P(4C)に関わる課題にコンサルティングまたは実行支援という形態を持って伴走しております。コンテンツマーケティングやランディングページの制作などのプロモーションだけではなく、プライシング、ブランディング、HR、ターゲット/市場の選定や調査、営業改善、データ基盤整備など”経営に必要なこと”を議論し、見極め、実行しています。
free web hopeコーポレートサイト

編集後記

「経営≒マーケティング」というキャッチコピーを掲げてデジタルマーケティングの支援を行う相原氏。1つの職種や商品に振り切った経営を行う企業でも、そのトップは「意外とバランスを取れている人が多い」と分析する。営業に多くのリソースを割いてプロダクトを伸ばすといった企業も珍しくないが、「合理的な判断をして、そこにリソースを集中的に投下している」と語った。マーケターはさまざまな判断軸からバランスをとることが求められるが、時には偏って見える立ち位置でつり合いを取ることも必要になりそうだ

取材・構成:MARKETIMES編集部・中島佑馬