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フィード広告経由での売り上げが4倍に 「フォーカセル」事業担当者に聞く、ECサイトの利益最大化のポイント

SOTechnologies・フォーカセル事業担当者 中村智氏

 現代人の生活に欠かせないECサイト。経産省の調査によると、2013年時点で11.6兆円だった市場規模は、2021年には20.7兆円まで拡大した。急成長する市場に合わせ、業種・規模を問わずさまざまな企業がECに挑戦している。ECサイトの集客に欠かせないフィード広告を支援する「フォーカセル」事業責任者の中村智氏に、フォーカセルの活用事例やフィード広告を使った利益最大化のポイントについて伺った。

フィード広告は適切な管理・改善が必須

—— フォーカセルは「EC向けフィード広告支援サービス」として展開されていますが、このフィード広告とはどのような広告なのでしょうか。

中村:データフィードという仕組みを利用して、さまざまな広告媒体を通じてサービスの情報を発信する広告になります。一般的に最も活用されるフィード広告としてはGoogleのショッピング広告が挙げられますね。これはGoogleでの検索結果に商品画像と価格などの情報を配信する広告なのですが、意識して見ないと広告だと気づかない方も多いかと思います。

 他にもFacebookやInstagramのタイムライン上に、Amazonで直近見た商品が並んでくる、さっきまで閲覧していたサイトの情報が出てくるというものも、フィードを通じたFacebook・Instagramの広告ですね。

SOTechnologies・フォーカセル事業担当者 中村智氏

SO Technologies・フォーカセル事業責任者 中村智(なかむら さとる)氏
2015年にソウルドアウトに新卒入社し、中小企業向けWeb広告コンサルに従事。その後、越境ECコンサル企業にてSEMチームマネージャー、BtoB SaaS企業にてプロダクトマーケティングマネージャーを経験。キャリアでは一貫して中小企業のお客様へのマーケティング支援に従事し、在籍4社中2社にて上場を経験する。コンサル時に過去最高売上を達成した企業多数、EC企業への支援実績は1,000社以上にのぼる。2020年にSO Technologiesに入社し、プロダクトマネージャーを経て現職。

—— 消費者にとってはかなり目にすることの多い広告なのですね。事業者がこうしたフィード広告を運用するには、どういった点が大事になってくるのでしょうか。

中村:成功のポイントとして、「フィードを適切に管理すること」「消費者目線での継続的な改善」の2点を抑えておくべきだと考えています。

 まずフィードの管理についてですが、これは広告媒体ごとにフィードの規定が少しずつ異なるため、その規定に合わせて適切に商品情報を加工する必要があります。自分でエクセルやスプレッドシートを使って管理しようとするとかなり手間がかかるので、フォーカセルのようなサービスツールを利用したり、対応できるアウトソース先の会社を探して委託したりといった対処をおすすめしますね。

 消費者目線の意識は、配信された広告が「消費者にとって有益な広告か」を考えることが重要です。フィード広告には商品画像やタイトル、説明文といった情報を盛り込みますが、全商品のタイトルや画像を見直すといった細かいところまで意識が回らない方も多いように思います。

 しかし、消費者はその商品1つ1つの情報をそのまま広告として受け取るので、そこに魅力的な情報がないと購入につながりません。価格などの情報が古いことで、お店自体に不快な思いを抱いてしまうというリスクもあります。だからこそ、消費者にとって有益な情報が記載されているかを細かく確認しながら、継続的に改善していくことが重要になりますね。

広告成果は「商品単位」で確認

—— そうした成功のポイントを実現するために、マーケターやEC担当者に求められる資質を教えてください。

中村:先ほど申し上げた継続的な改善という意味でいうと、フィード広告もWeb広告の1つなので、当然数字への意識は大事になります。フィード広告やGoogle広告全体といった大きな括りでの数字を見る方は多いと思いますが、商品単位の広告成果まで見ている方は少ないように感じますね。

 商品単位まで見ていかないと、この商品が配信先のユーザーである消費者にとって有益だったかがわからないので、まずはそこまで見るという数字の意識が必要かなと思います。商品ごとの細かい数字を見ることで、CTRが低い商品は商品画像で興味を引けなかったのかもしれない、CVRが低い商品はサイトでの動線にボトルネックがあるかもしれないといった、仮説を基にした改善が可能になるのです。

 フィード広告は商品ごとに最適化できる広告手法なので、特に「商品単位で効果を見る」という意識が重要になります。

—— 貴社は広告運用や店舗集客支援などさまざまなマーケティングサービスを行っていますが、ECサイトの売上を最大化させるためにはどういったポイントが重要になるのでしょうか?

中村:現在はECを取り巻く販促施策の種類もどんどん増えていて、各種施策がどんどん進化しているような状況です。そのなかで、売り上げにつながりやすい施策を実施すること、施策が最大限に効果を発揮することの2点が大事だと思っています。

 売り上げの最大化に目的を絞るのであれば、予算やリソースなどのコスト面も含めた費用対効果や、短期的・長期的な売り上げ見込みなど、その施策が本当に「売り上げ増加」に効果があるのかをしっかり見極めて、売り上げにつながりやすい施策を選ぶことが重要なポイントになります。

 また大抵の集客施策は、ただ実施するだけでは十分に効果を発揮できないところがあると感じています。施策を放置せず、どれだけ最大限に活用できるかを突き詰めていくことが大事です。

—— 広告のCookieレス化が広告業界全体の課題となる中、ユーザーの趣味嗜好に近い広告を出せるフィード広告の重要性は増してくるように思います。

中村:たとえばGoogleのショッピング広告ではCookieと関係なく、ユーザーの検索語句と商品情報のマッチングで広告が配信されます。ユーザーの趣味嗜好や興味関心に近い広告配信が可能なので、フィード広告はCookieレスの時代でもこれまでと変わらず重要な広告施策になると思いますね。

 またフィードという観点でいうと、サイト上のレコメンドエンジンのように、商品情報をデータフィードの仕組みを使って送るという施策が増えています。広告に限らずさまざまな活用ができるので、フィードそのものも重要な施策であり続けると考えています。

 たとえばサイト上の商品に店員さんのレビューを載せたり、サイト上の商品にタグ付けをして勧誘率を高めたりといった、ECサイト向けのソリューションにもフィードが使われているんです。こうしたEC向けソリューションは増えていますが、いずれの施策もその基盤にあるのはフィードです。

 このように、ECの基幹システムや在庫などいろいろなところに眠っている商品情報を、広告やサイト上の接客ツールを使ってユーザーに送るという仕組みはすべてデータフィードを使っています。汎用性の高い技術だけに、今後はフィードそのものの重要性もどんどん増してくるのではないでしょうか。

フォーカセル導入で収益4倍の事例も

—— そうした中で、フォーカセルはどのような強みを持つサービスなのでしょうか。

中村:EC企業のKGIに沿ったフィード広告の最適化ができるという点が1番の強みですね。フォーカセルのカテゴライズ機能は、施策効果の最大化を目指すECサイト向けのサービスで、導入いただいた企業の85%以上が広告効果の改善に成功しています。商品単位で分析から最適化までを一貫して自動で行えるので、管理工数の削減にも貢献できるサービスです。

 現状、類似サービスがない仕組みであり、商品点数500点以上・フィード広告予算50万円以上・CV件数月間300件以上、の3点を中心に導入基準を満たしていればKGIに沿った最適化が見込めるという形です。カテゴライズ機能は商品単位の広告実績を用いるため、過去のデータが豊富にあるかが重要になるのでこの3点を導入条件としています。

—— フォーカセルの導入事例をお教えください。

中村:BtoBの包装用品を中心に、約2万点の商品を取り扱うECサイト「シモジマオンライン」を展開されているシモジマ様に導入いただきました。こちらはGoogleショッピング広告のスタートから支援させていただき、最終的にフォーカセルが管理しているフィード経由での広告からの売上収益が4倍まで拡大しました。

 導入の背景としては、コロナ禍で飲食店がテイクアウト商品を提供し始めたり、さまざまな企業がECを始めたりと包装用品の需要が高まりを見せていたことが挙げられます。その間にGoogleショッピングをスタートして最適化をかけていきたいというご要望があり、フォーカセルを提供させていただいたというのが導入までの経緯です。

 また創業100年の鰹節メーカーである金虎様では、フォーカセル導入後にP-MAX経由のCV件数が466%増という成果が出ています。Web広告をインハウスで管理されていたのですが、人手不足などの要因から一部の商品しか広告配信できていないという課題がありました。

 全商品を配信してより効率よく集客を強化したいというご相談をいただいたので、当社からフィード広告(Googleショッピング広告)のさらなる活用を提案し、フィードの生成から最適化までをサポートしました。

代理店との相乗効果でさらなる成果を

—— 一部の商品しか配信されていなかったというケースはよくあるのでしょうか。

中村:広告担当者が1~2名という企業では多いように思いますね。フィードの生成や管理をエクセルやスプレッドシートで行なうと、かなり手間がかかってしまうので非常に大変です。そもそも最初の広告掲載までに不承認になり苦労される方もいらっしゃいます。

 フィードの知見はもちろん、フィードの改修などにかかる工数も必要になるため、最初から一部の商品だけ配信するというケースも珍しくないと思います。

 例えばそういった知見を持つ人材を雇うには、他社から引き抜くような形になるので当然コストがかかります。またWeb広告業界は変化が激しい世界なので、今年雇った方が2~3年後もWeb広告の専門家として活躍できるわけではありません。

 インハウスでWeb広告を運用しようという企業も多いのですが、最初に専門家を雇い入れることに成功したとしても、その方が知識をアップデートし続けることが難しかったり、そもそも広告媒体社の新しい情報が広告代理店にしか共有されなかったりといったことも多いです。なかなかインハウスで継続的に成果を出すことは難しいですね。

 当社ではフィードの生成からキャンペーンの設定といった、フィード広告のスタートからサポートさせていただくのはもちろん、フィード広告の運用規模を拡大する際の最適化支援も行っておりますので、広告を内製化されている企業様にもぜひご検討いただきたいなと思っています。

—— 広告配信を行う企業にとっては、代理店とフォーカセルの併用が望ましいように思います。

中村:フォーカセルの主要な機能であるフィード広告のカテゴライズ機能は、広告代理店が得意とする広告施策全体の設計やカスタマイズレポートの作成などと合わせて導入いただくことでより成果が見込めます。もちろん、代理店自体がフォーカセルを導入して、自社が運用するフィード広告の成果改善を図ることも可能です。

 フィード広告の最適化というミクロの部分はフォーカセル、広告を通じた消費者とのコミュニケーション設計や詳細な分析レポートといったマクロの部分は広告代理店、といった形で「棲み分け」がなされた上で活用いただける状態が理想的ですね。

SOTechnologies・フォーカセル事業担当者 中村智氏

不承認対応やフィード改修も迅速にサポート

—— フィードの活用支援サポートについて、詳しくお聞かせください。

中村:フィードの生成、不承認対応、広告タグの設定、広告配信開始後のフィード改修の4点を行っております。一般的にフィードの生成は、クローリングツールかマスタデータ連携ツールのどちらかを採用しているものが多いのですが、フォーカセルではどちらも対応しているのが特徴です。

 スピーディに作りたい方はクローリング、サイトに掲載していない情報も使いたいという場合はマスタデータの連携をご案内しております。どちらのツールにも対応していることも、フォーカセルの強みの1つだと言えますね。

 マスターデータ連携の場合はマーケティングの部署だけではなく、システムの部署と連携して商品データを出力する機能を改修していただく必要があります。そこで足並みが揃わないと、スケジュールとしてマーケティング部署はフィード広告の売り上げ対策として早く改修したいものの、システムからは3か月後と回答されてしまうというケースもよくありますね。

 クローリングならすぐにデータを出力してフィード広告を作れるので、そうした背景を持つクライアント様からクローリングをやりたいというご要望をいただき、すぐに提供することも多いです。

—— フィード広告をタイムリーに改善していきたいという、マーケターのニーズにも応えられるのですね。

中村:タイムリーな改善という意味では、先ほど挙げた4つのサポートのうち「不承認の対応」と「フィード改修」において当てはまると思っています。たとえばフィードのアップロード後に審査に落ちてしまった場合、すぐに対応しないと商品が掲載されないのですが、フォーカセルでは迅速な対処が可能です。

 現実問題として、生成したフィードは一度アップロードしなければ不承認が発生するかわかりません。Googleも含め一般的な広告プラットフォームはポリシーガイドラインを公表しているのですが、ガイドラインのアップデートサイクルも早いので、ヘルプのアップデートが追いついていないこともたまにありますね。

 人気のあるフィードツールのタイプとして、自分自身でWeb上のサービスにログインしてブラウザ上でフィードを作成する「セルフサーブ型」が挙げられます。しかしこのタイプは不承認の原因を自分で調べたうえで、原因となった文字列の改修を自ら行う必要があり、自分でやらなければならない範囲が非常に広いです。

 フォーカセルの場合はアウトソースでこちらでそれらの作業を請け負いますので、今まで培った知見を基に問題点をすぐに改修し、再審査申請までを速やかに行います。

—— フィード改修においては、どのような対処をされるのでしょうか。

中村:広告成果が上がっていない商品への改修提案などを行なっています。例えば類似の商品が売れているのでさらなる売り上げが見込める商品に対して、商品タイトルが不十分で表示回数が増えないといった原因を調べたうえで、「この商品のタイトルをこう改修しませんか」というソリューションをご提案し、OKをいただければ改修するというサービスを提供しています。

 基本的にフィードの改修はかなり広告成果に反映されるので、費用対効果のいい施策です。「なぜ売り上げが上がらないのかわからない」ということは往々にしてあるように感じるのですが、フォーカセルを導入いただければこちらで確認させていただき、提案を承認いただければ改修まで一気に行いますので、効率よくフィードの改善ができると考えています。

越境ECにも効果、規模感などに応じた料金体系

—— 越境ECについても効果はあるのでしょうか。

中村:効果がございます。すでに導入の実績もありまして、最新のGoogleショッピング広告である「P-MAX」をはじめ、FacebookやCriteoといった広告媒体の仕組み自体は海外でも共通なので、その改善施策も日本で通用するものは海外のECでも通用します。

 フォーカセルは世界共通で採用されているGoogle広告の配信手法を改善していくものなので、配信先の国を問わず、Googleの最適化アルゴリズムをより促進するサービスだとイメージしていただきたいですね。

—— 広告費連動、固定月額の2種類がある料金体系だと伺っていますが、この料金体系について詳しくお聞かせください。

中村:こちらはカテゴライズ機能の料金体系になるのですが、広告費連動は従量課金のような仕組みになっています。広告成果の改善に伴って増えた広告費が料金となるパターンですね。

 Web広告代理店はその月の予算をあらかじめ指定した中で管理されていることが多いので、費用対効果と予算を加味したうえで、広告費連動型で導入されるケースが多いですね。

 固定報酬はECの売り上げ規模の大きいEC企業が検討されることが多いです。料金は毎月50万円となっているのですが、たとえば広告費連動型でいうと、フィード広告の費用が300万円以上の場合はそのうち8%が料金となります。

 そのため600万円をフィード広告の費用とする場合は48万円のご請求になるので、それ以上の広告費を安定して使われているECサイトでは固定報酬が最もお得になります。

機能拡充を進め、広告以外でもフィードを活用

—— 最後に、フィード広告やフォーカセルの今後の展望についてお聞かせください。

中村:Web広告の市場は成長していますし、フィード広告の配信元となるEC業界も伸びていますので、必然的にフィード広告自体も継続的に成長拡大していくと考えております。

 またフィードという観点でいうと、先ほどお話ししたとおり、商品情報を活用したレコメンドエンジンなどさまざまなサービスに採用されるシーンが増えています。フィードという仕組み自体も、今後ますます活用されていくと予想していますね。

 フォーカセルの展望としては、今はGoogleやCriteoに対応しておりますが、対応媒体の追加や、機能を拡充してより幅広い支援を実現していきます。広告以外のフィールドでもフィード活用というところも進めていきたいと考えており、すでに対応を開始しているサービスもあります。

 また、フォーカセルのカテゴライズ機能は、すでにフィード広告を活用しているEC向けですが、今後はフィード広告運用そのものもサービスとして提供してまいります。ECサイトのフィードを活用した成長を総合的に支援するという形で、さらなる機能の拡充をこれからも進めてまいります!

フォーカセルイメージ

 多品種ECサイト向けに開発されたフォーカセルは、商品単位の売上実績に基づいて予算配分を最適化できるサービスです。データ分析から広告改善までを自動化することで、作業負担をかけずに広告経由の売上最大化を図ることができ、導入企業の85%以上で売上増加実績があります。フィード広告をこれから始めるEC向けには初期設定、フィード作成・更新を代行する導入支援プランも提供しています。

フォーカセル公式サイト

編集後記

大きな可能性を秘めたデータフィード。インタビューの中で、中村氏は「不動産や人材など、広告以外の問い合わせも多い」と語った。他業種への展開については検討中の段階だが、「ニーズ自体は強い」と、引き合いの強さを肌で感じているという。フィード活用の広がりに合わせた、新たなサービスや機能の誕生にも期待が高まっている。

取材・構成:MARKETIMES編集部・中島 佑馬

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