無料の資料掲載・リード獲得し放題サービスはこちら

進まないGoogle Analytics 4への移行 デジタリフトが語るGA4導入・活用の大きな壁とベストプラクティス

進まないGoogle Analytics 4への移行 デジタリフトが語るGA4導入・活用の大きな壁とベストプラクティス

[右]朝長 広樹(ともなが ひろき) 氏
株式会社デジタリフト AE Div マネージャー。 東京大学理学部卒業。デジタリフト以外にも複数の企業を経験し、現在はWebエキスパートとして運用 を統括する立場にある。広告運用の他、Google Tag Manager / Google Analyticsなどのツールへの理解やHTML/CSS/JavaScript/Python/PHP/SQL/Go などにも知見がある。 媒体のAPIを叩いたり Google Apps Scriptや Google Ads Scriptを用いて自動化するのも好き。

[左]小川 寛大(おがわ ひろき) 氏
株式会社デジタリフト AE Div チームリーダー。 新卒から一貫して運用型広告の仕事に従事。これまで携わってきた業種も金融、保険、食品、アパレ ル、BtoBなど多岐にわたる。予算数万円から数千万円の案件まで幅広い規模でクライアントの広告運用を支援。

2023年7月1日に行われる、UA(ユニバーサルアナリティクス)からGA4への完全移行が刻一刻と近づく中、GA4への移行を課題としているマーケターも多い。GA4への移行支援サービスを行っている株式会社デジタリフトの朝長氏・小川氏に、GA4の現状や課題、マーケターとGA4の向き合い方について取材した。

GA4の導入率と早期導入のメリット

—— GA4の現状(移行率など)と課題についてお教えください。
小川:2022年6月時点での移行率は上場企業で約25%となっており、中小企業も含めた導入率も高くないと想定しています。GA4への完全移行まで残り約1年と時間が差し迫っている中で、切り替えられていない企業がまだまだ多いというのが現状ですね。

GA4移行のスケジュール

GA4の移行期間

—— まだまだ導入率は低いのですね。そうした導入率の低さが課題になるのでしょうか。
小川:導入率の低さは課題の1つですね。GA4は導入後から数値の取得を開始するため、導入が遅れればその分取得できるデータが少なくなり、過去との数値比較などもできなくなってしまいます。また、GA4の「活用」ができている企業はまだまだ少ないという点も課題として挙げられます。UAからGA4への移行で変更される点が多く、GA4が計測したデータを分析して、日々のサイト運営に活用することが難しいのではないかと見ています。

—— なぜその課題が発生しているのでしょうか。
小川:導入率については「数値の取り方が違う」というのが最大の理由だと思っています。従来のUAではセッション数やページビューを軸に集計やレポートの作成を行っていましたが、GA4ではページビューはもちろん、ページ内にある動画の消費時間なども含めた「イベント」を軸にするので、単純な比較が難しいです。

データが見られないことについては、GA4とUAの間に互換性がないことが理由ですね。GA4は導入してからデータを取り始めるので、例えば2023年8月に2022年8月のデータが見たいという場合、今年の8月までにGA4を導入しなければならないのですが、学習コストもかかるので二の足を踏む企業が多いのかもしれません。

計測の仕様や定義が大きく変更 機械学習など新たな要素も

—— イベントを軸にした集計を行うことで、具体的にはどういった変化があったのでしょうか。
小川:例えばセッション(訪問)時間の計測において、UAでは「最初のページが表示された時間と最後のページが表示された時間の差分」がセッション時間となっていましたが、GA4では「最初のページでsession_startというイベントが発生した時間から、最後のページでイベントが発生した時間まで」がセッション時間として計上されます。実際にページをスクロールしたり、動画を再生したりといったアクションを行った時間が反映されるので、ユーザーの行動視点で計測が行われるようになりました。

計測ポリシーのアップデート

計測ポリシーのアップデート
ユーザーの行動分析

ユーザーの行動分析

—— 計測から運用にいたるまで、かなり大きな違いがあるのですね。セッション時間の計測手段など、UAとは内部的にも大きな違いがあるように思います。
朝長:GA4ではプライバシー保護に注力しているという印象を持っています。例えばUAでは主にCookieを活用してトラッキングをしていたのですが、GA4はユーザーIDの優先度が最も高く、IDのないユーザーに対してはGoogleシグナルを使うという仕組みです。ファーストパーティーも含めたCookieの優先度はさらにその下で、世界的な潮流となっているCookie規制に対応した計測ができるツールとなっています。

また機械学習の活用も特徴の1つで、GA4では商品を購入しそうなユーザーをオーディエンスとして構築する予測モデルを導入しています。収益予測を立てたり、Google広告と連動させて運用することも可能です。

機械学習を用いた予測指標

機械学習を用いた予測指標

GA4導入・活用の大きな壁を乗り越えるには

—— GA4を導入する企業は、その課題にどう対処するべきなのでしょうか。
小川:「何に活かすためにどういった情報が必要なのか」というビジョンを明確にしたうえで、GA4でなにを計測するのかを定義することが大事だと考えています。ここがうまくいかずGA4移行に苦心する企業様もいらっしゃるのですが、早めにビジョンを策定して、当社も含めたGA4移行サポートを行っている企業に依頼することが、学習コストなどを総合的に鑑みてもベストな選択だと思います。

—— 貴社ではどういったサポートを行っているのでしょうか。
小川:実際にUAからGA4への移行をするのはもちろんですが、移行後に当社が推奨する基本設定に加え、クライアントごとに「こういう数値やレポートがほしい」という要望に合わせたセッティングを行っています。また数値の見方から分析の方法までのレクチャーも行っており、かなり細かくサポートしています。

「いまUAで見ているデータをGA4でも見られるようにしたい」という要望も多く、そうした声にお答えしながら「GA4ならこういったデータも見られますよ」といった運用面でのご提案をさせていただくこともあります。

朝長:テクニカルな話ですが、サーバー側から発行するCookieであればITP(iOSにおけるCookie規制)を回避できたりするので、そうした設定を行うことも可能です。

移行期間は「猶予期間」

—— マーケターはGA4へどう向き合うべきなのでしょうか。
小川:まずはGA4を導入し、スタートラインに立つことから始めるべきですね。完全移行までの1年はGA4の運用やデータ分析に慣れる猶予期間であり、UAが完全に使えなくなる前にGA4を使えるようにしておくための時間だと思っています。完全移行後にGA4を導入しようと思ってもすぐに対応することは難しいので、少しでも早く導入することを強くおすすめします。

ただしサイトの規模が大きくなればなるほど自分で導入することは難しくなってくるので、早めにプロに依頼することが一番の近道です。当社の場合は導入した後にどう見ればいいかわからないというクライアント様も多いので、そういった場合にはコンサル的に数字の見方などの助言をさせていただくこともあります。

—— これからのWebマーケターには、どのような資質や働き方が求められるのでしょうか。
小川:Cookie規制やアフィリエイトに関する薬機法の厳格化など、激しい変化が絶えない業界なのですが、こうした変化を受け入れて対処していく柔軟性が大事だと思っています。またどういった変化があるのかを正確に知るためにも、適切な情報をキャッチアップする力も必要ですね。GA4に関してはGoogleの公式ページを見たり、薬機法などは法律の改正に際して省庁のホームページから情報を確認したりといったリテラシーも、マーケターに必要な資質だと思っています。

朝長:日々の変化によって使えなくなるツールもあるなかで、使えなくなったことを嘆くよりも、他にどうやって分析するか頭を使うことがマーケターの仕事だと思っています。業界自体の動きも早いですし、テクニカルな領域の知識が必要になってくる局面もありますが、「ここまでは自分でやって、ここからは詳しい人にお願いしよう」という線引きを整えたり、社内エンジニアやプログラマーとの連携を図ることも大事ですね。マーケター自身が能動的に動いて組織全体を巻き込み、社内の連携を強くするような働き方が1つの理想かなと考えています。

GA4運用における重要なポイント

—— Google Analytics領域全体や、GA4を活用したマーケティングの今後の展望についてお聞かせください。
小川:UAではページやブラウザ内での挙動によって、同じユーザーが別々のユーザーとして認識されることがあり、実態と異なる分析結果が導き出されることがありました。一方GA4ではユーザーのイベントを追跡できるので、より正確に見込み客となりうるユーザーを洗い出します。ユーザーの離脱率も測定できる機械学習と併用し、購入意欲の高いユーザーに繰り返し訴求できる、より効率的な運用を実践することが大事になってくると思っています。

朝長:GA4ではBigQuery(ビッグデータの高速解析)のエクスポートが無料でできるという特徴があるのですが、今後はこのエクスポートデータを他のデータと組み合わせて分析するというような、テクニカルな話題が多く出てくるかなと思っています。そのためテクニカルな領域に対して知識をつけたり、あらかじめ委託先を確保してスムーズに連携するといったことが重要になると思っています。

また今後はCookie規制などで細かいデータを取れなくなっていくので、Googleシグナルを活用した機械学習の重要性が上がっていくと予想しています。こうした新しいツールや概念との付き合い方を模索していくことも大事になっていきますね。

デジタリフトは、2022年6月より「GA4導入支援サービス」の提供を開始いたしました。 クライアントのビジネスやWEBサイトの運用目的に合わせ、今後の利用を想定しながら最適な設定に調整いたします。

Google Premier Partner認定企業である当社の担当者が、丁寧にヒアリングを行いながら快適な分析環境を構築いたします。

 

まずはお気軽にご相談ください 当社HPのお問合せフォームより「GA4導入支援サービスに関するご相談」であることを明記の上ご連絡くださ い。担当者より詳しいご説明をさせていただきます。

https://digitalift.co.jp/contact/post-ad/

編集後記
より効率的なツールやサービスの活用は、ビジネスにおいて機先を制することにつながる。GA4はUAからアップグレードされた要素も多数備えているものの、まだまだ導入率も低いことから「現状ではGA4を導入し、データを分析できることが他社との差別化になる」と小川氏は語った。GA4をはじめとする最先端のツールについては、導入をプロに一任する「餅は餅屋」の考え方が最も効果的な方法だといえる。技術面で頼れる社外パートナーを持つことが、会社の利益最大化をもたらしそうだ。

取材・構成:MARKETIMES編集部・中島 佑馬

 

【5社限定】無料のSEOサイト診断 募集中