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デジマスクールに通うその前に!MERC Educationに聞く、マーケティングの「本質」を知る意義とは

MERC代表取締役・福田正義氏の講義風景

 価格戦略やブランドエクイティ、ブランドストーリー設計など、多彩なスキルを学べるマーケティング戦略講座を提供しているMERC Education。体系化したマーケティングを3か月で集中的に教えており、これまでの累計受講者数は2,500人を超えている。講師として教壇に立つMERC代表取締役・福田氏に、マーケティングの本質やMERC Educationの強みについて取材した。

一般化が進むデジマ市場だからこそ本質への回帰を

—— 貴社の事業内容について教えてください。

株式会社MERC代表取締役・福田正義氏(以下、福田):当社ではマーケティング戦略を教えるMERC Educationと、マーケティングの支援サービスを行うMERC Consultingの2事業を行っています。私自身は2005年ごろからこの業界にいるのですが、マーケティングのコンサル会社を創設して売却したり、売却先の会社で広告スキームを作ったりといったことを行ってきました。

MERC代表取締役・福田正義氏

MERC株式会社代表取締役・福田 正義(ふくだ まさよし)氏
オーバーチュア株式会社、ヤフー株式会社において、デジタルマーケティングのコンサルティング部門の立上げや教育に携わる。2012年株式会社オモロワークスを創業、スタートアップから大手まで幅広い企業のマーケティングコンサルティングを行う。2018年マーベリック株式会社にオモロワークスを売却。その後、同社における執行役員に就任。新事業部門を立上げ、その事業に関しても2021年株式会社駅探に売却。2019年に立ち上げたマーケティングスクールMERCの卒業生は300名を超える。

—— そうしたキャリアを積まれる中で、なぜスクール事業をされるに至ったのでしょうか。事業開始までの経緯を教えてください。

福田:デジタルマーケティングの世界に17年以上身を置いているのですが、テクノロジーの進化が進むにつれ、デジタルマーケティングは誰でも運用できるようにどんどん一般化していきました。この一般化自体は良いことだと思うのですが、2つの課題があると考えています。

 1つはプレイヤーが増えたために、「ネット広告をしていれば売れる」という時代ではなくなったという点です。もう1つは技術がコモディティ化したために、手先のテクニックで解決しようというマーケターが増えた点です。特に2点目は、マーケティングそのものに対する理解や、それに対する重要度が運営現場の中で失われているように思います。

 デジタルマーケティングを学ぶことも大事なのですが、まずはマーケティングそのものに回帰していかなければならないと実感するようになりました。そのため、デジタルマーケティングに特化したスクールではなく、マーケティングの学校を作りたいと思ったことがMERC Educationの始まりですね。

本質を知ることで柔軟性と多様性のある施策へ

—— ツールについて学ぶ前に、マーケティングそのものの根本的な考えから学ばなければならないのですね。

福田:例えばナンバーワン表記をしたり半額キャンペーンを打ったりしても、商品そのものの質が悪ければどんなマーケティング施策を打ってもその商品は長続きしません。マーケティングや商品それ自体に向き合わず、テクニック的に解決しようとするマーケターが増えていますね。

 こうしたプロモーションはマーケティングの中にある1手段に過ぎませんし、広告運用はこのプロモーションの1形態でしかありません。「物を売る」ことにコミットしていくためには、消費者理解やブランド像といった、マーケティングの根本的な本質を理解しておくことが欠かせないと考えています。

 マーケティングの戦略は「人がなぜ物を買うのか」という消費者の行動から始まり、競合に対してどう差別化を図るかという部分を設計することです。その中の1つとして、Webやラジオ、TVなどさまざまな媒体を持つ広告があるので、マーケティング戦略の中に広告があるという枠組みになっています。

 だからこそ、どういう差別化戦略の中でどうコミュニケーションするのか、どう広告展開していくのかを考えなければなりません。全体的なマーケティング戦略において、広告はどの立ち位置にいるのかがわかればより広告の扱い方に柔軟性が出ますし、そうなるとより多様性を持った施策展開につながると思っています。

—— こうした「マーケティングの本質」を学ぶことで、時代や商品の変化にも対応できるのですね。

福田:例えば「自分の生活を豊かにしたい」とか、もっとシンプルな「モテたい」「他人との違いを見せたい」といった、人間本来の欲求や動機はいつの時代においても大きく変わらないと思っています。そうした人間の本質をリサーチしていくことによって、現代においてはその本質的なものをどう表現すれば人々に喜ばれるのかを考える必要がありますし、時流や価値観などさまざまな変化にも対応していくべきです。

買う可能性がある人とは

 そうした変化にも対応しつつ、大きな変化の中でも変わらない根源的なものを理解することで、リサーチやプロモーションにも正しく向き合っていけると考えています。そのために心理学や行動科学など、学術的な視点も踏まえてマーケティングに向き合うことが我々のスタンスです。

初学者はツールの前に本質を学ぶべき

—— バックグラウンドとしてアカデミックな知識があるというのは、人材としての強みになるように思います。

福田:ベースの知識があれば、今後マーケティングの知識をどうアップデートしていけばいいかという学び方が分かりますし、環境分析から施策までのフローについてを一通り経験しておくことは大きいと思います。そのうえでデジタルの知識を身に着けた方は、学習スピードや効果の出方がかなり早いです。

 たとえば新卒の時点で環境分析・戦略・施策の3つが分かっていれば、その上に成り立つデジタルがどういうものかという理解スピードを高められます。デジタルをマーケティングの基本と結びつけながら向き合うことで施策そのものの根本的な理解につながりますし、リスティング広告のような実務においても施策の深さや精度が全く変わりますね。総論を知っていれば業種を問わず応用が利くので、Webマーケターの初学者ほどこの本質部分を先に学ぶべきです。

—— デジタル分野に行く前に本質を学ぶことが、マーケターとしての必須要件なのですね。

福田:プロモーション分野でも機械学習の導入が進むなか、今後はマーケターの単価がだんだん上がらなくなってくると思います。こうした傾向は今後3年くらいでどんどん強まると予想しているのですが、CPAやTDの改善といった小手先のテクニックで改善しようとして、商品そのものを見ていないというマーケターは依然として多いです。

 すでにこうした課題は大手企業では顕在化し始めていて、デジタルの知識しかないために本質的な改善ができず、提案力が落ちてきているため場当たり的なメニューしか提案できないという状況が発生しています。

—— マーケティング手法やツールなどがどんどん多様化する中で、マーケターにはどのような資質が求められるのでしょうか。

福田:全体を俯瞰できる目を持っていること、論理的思考力の2点が求められると思っています。技術がたくさんあるからこそ、その技術を俯瞰的に見なければ1つの技術だけを取り上げてしまうことになるので、全体を見る視点は必須です。そのうえで、見えたものを自分の中で論理立てて考える思考力が非常に重要になります。こうした力を磨き養うためにも、ぜひMERC Educationで学んでほしいと思っています。

デジマスクールの前に通うべき「MERC Education」

—— こうしたマーケティングの本質を、MERC Educationではどのように教えるのでしょうか。

福田:例えば当社のカリキュラムでは「競合とは何か」というところから、競合の情報をどのように吸い出していくのか、競合と自社の比較をどう行うのかといった話をします。普通の学校だったら競合分析があって、自社と競合のサービスを比較整理しましょうといった程度で終わると思うのですが、我々はその抜き出し方に加えて、その抜き出したものが自社とどういうふうな関係性によって違いを生み出すのかまで踏み込みます。

 大学生レベルでもフレームワークを使いながら顧客の問題を整理してポジショニングを作り、ペルソナを考え、最終的なアウトプットを出すまでを体系的にやっていますね。MERC Consultingで実際の業務として取り組んだ事例を教材として使うので、業務デモのような形でリアリティある講義を展開しています。

MERC Education 卒業制作

 カリキュラム自体も、私がベンチャーから大手まで100社以上の売上を改善した実務をそのまま体系化したものなので、明日から使えるような内容になっています。短時間かつ低価格で、体系的な学びを得られるスクールです。

 デジタルマーケティング未経験者や初学者の方は、まずMERC Educationでマーケティングの基礎を学んでから、デジタルマーケティングなどのスクールに通うことをおすすめしますね。

—— デジタルマーケティングのスクールと競合する部分はないのでしょうか。

福田:MERC Educationはマーケティングの基礎や土台としての本質を教えることを主眼に置いたスクールなので、デジタルマーケティングに特化したスクールとは根本から異なります。基礎基本をしっかり身に着けたうえで、そのあとデジタルマーケティングを学んだり、自社のマーケティングに活かしてほしいです。

 MERC Educationでの講義は「物が売れるとはどういうことか」から始まります。戦略と思想から学んでほしいという思いがあるからこそスタート地点をそこに設定しているのですが、どういうコミュニケーション戦略を取るべきかという話をしたうえで、「デジタルならこういう形になるけども、これは紙やテレビでも表現できる」といった感じで、選択肢の幅を広げることを意識していますね。

コンサル事業で運用するツールやフレームを教材として活用

—— 学術的な理論が実務では通用しないこともあるように思いますが、実際の事例にあてはめて講義を行なうこともあるのでしょうか。

福田:もちろんあります。ここが当社でコンサルティング事業とエデュケーション事業を2つ行なっていることの意味だと考えていて、最前線の実務を学びつつ、学問的なバックグラウンドに基づいた学習もできることが、教育機関としてすごく重要だと思っていますね。

 当社ではエデュケーション事業で学問的な見地からのアプローチを整理しながらも、実際にコンサルティング事業でその理論に基づいたフレームなどが使えるかを現場的に検証して、その結果を教育の現場に戻して教えていくという流れを繰り返しています。

 なので、教育現場で生徒に提供しているワークシートやツールはすべてコンサルティング事業で使用しているものです。使い勝手が悪ければツールのアップデートなども行っているので、常に最新のものを教材として活用していますね。

—— 他にはどのような強みがあるのでしょうか。

福田:講義の「ライブ感」が大きな強みです。ベースの資料は変わらないのですが、画一的な事例で講義を展開すると生徒の抱えている問題に当てはまらないこともあるので、なるべく来ている生徒に合わせた事例を取り上げるようにしています。

 講義資料は常にアップデートされるのですが、アップデートした内容はMERC Educationのコミュニティ「MERC Guild」にて無償で提供しているのも特徴です。期限も特にないので、見たいときにいつでも無料で見ることができます。

 MERC Guildでは、毎月の勉強会や花王のブランドマネージャーなど外部のマーケターとの交流会などを通じて、定期的に学習できる機会を作っています。さまざまな方にいろいろな話を聞けたりしますし、それだけでもかなりの価値があると思いますね。こうした機会も無料で提供しています。

MERC Guildでの外部マーケターとの交流

—— 受講者層としては、実務経験者の方が多いのでしょうか。

福田:マーケティング未経験の方が圧倒的に多いです。比率でいえば8:2くらいですね。未経験の場合は、営業などの別職種についているもののマーケティング職に転職したい20代前半くらいの社会人や、マーケティング領域での就職を希望する大学生を中心に受講いただいています。

 いい商品やサービスを作って販売したいという思いを持っているにもかかわらず、広告運用の方法などのテクニックに終始しているマーケティングスクールばかりで困っていて、何とかMERC Educationにたどり着いたというパターンも非常によくあります。

 受講者の中には飲食店を20店舗ほど経営されている方もいて、マーケティングを体系的に学ぶことで従業員の教育などにも活かしているようです。

—— 就職実績に関してはいかがでしょうか。

福田:未経験から制作会社に就職した方もいますし、マーケターとしてデジタル系の会社に入る方もいます。背景として、環境分析や戦略立案と言われている大きなフレームは制作会社も代理店も行なうのですが、なかなか学問に基づいたリサーチの徹底まで実行できているところがないという点が挙げられます。

 MERC Educationの卒業生は、バックグラウンドとして学問的な知識を持って転職・就職活動ができるので、企業側からベースのスキルや知識があることを評価されて採用されることが多いですね。

「放課後」で理解を深め、講義内容を自分事に

—— 受講期間や料金についてもお教えください。

福田:講義は1回2時間・全12回の形式で、受講期間3か月・税込価格261,800円で提供しています。料金は業界でも最安値をうたっていますが、クオリティはMBAのマーケティング講座にも引けを取らないと自負しています。MBAは学業や仕事との両立が難しいですし費用もかかってしまうので、費用を抑えながらも本格的なマーケティングを集中的に学べるというコンセプトで展開していますね。

 授業が終わった後に「放課後」があるのも特徴で、授業が終わった後にさらに30分から1時間くらいかけて、講義の中で生まれた質問に答える時間を設けています。これらの講義から放課後までを全て私一人で行なっていることもMERC Educationの特徴です。

—— 今後の展望について教えてください。

福田:全く違う時期に卒業した生徒がMERC Guildで出会い、一緒に新たなサービスを作ってリリースしたという事例があるのですが、こうしたコミュニティ発のサービスに対して我々が出資するといった事もやっていきたいです。

 当社にはMERC Educationの学びから良いビジネスが社会に出ることで、社会全体を豊かにしていきたいというミッションがあります。このミッションを達成するために教育・コンサル・出資の3方向から支援するという構想を描いています。

MERC Educationロゴ

  • 再現性高く成果を出せる教育カリキュラムを3ヶ月で。
    元Yahoo!コンサルティングマネージャーが100社以上の売上を改善してきた実務を体系的にカリキュラム化。再現性高く成果を出せる思考力が身につきます。
  • ワークショップで実践!プロからのフィードバックで高い学習効果
    学んだ内容をもとに、他の受講生と一緒にワークショップを実施。自らが主役となって圧倒的なアウトプット量をこなし、講師から個別具体的なフィードバックを受けることで、その場ですぐに学習内容を定着させます。
  • 無料のコミュニティで実務経験を積む!さらなるスキルアップを実現
    受講生限定のコミュニティ「MERC Guild」では、実務を通してマーケティングの学びを深められる機会を提供。卒業後もプロからのフィードバックを受けながら実務の中で生まれる疑問を解決し、さらなる成長を実現できます。
  • 授業はすべて元Yahoo!コンサルティングマネージャーが直接指導
  • 圧倒的な高品質なのに業界最安値水準

MERC Education公式サイト

編集後記

これまで多くの卒業生を輩出したMERC Education。卒業後のサポートとして、実務へ戻った後に生じた疑問点を解決し、学びを深めるための解決策として生まれたのがMERC Guildだ。福田氏は「マーケティングは1回学んで終わりというわけではないので、継続的に実務を通じて学んでいくことが不可欠」としたうえで、「1人の後ろには何百人の戦友がいるというスタンスでMERC Guildを運営している」と語った。マーケティングの本質を学んでより深くデジタルマーケティングなどを理解するだけではなく、コミュニティで新たな交流を持って「戦友」を得られることも、MERC Educationを受講するメリットだ。

取材・構成:MARKETIMES編集部・中島佑馬