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「SNS広告×人気漫画」で売上UP Mintoに聞く、マンガを活用したTwitterプロモーションの成功ポイントとマーケターの意識

Mintoコンテンツソリューション部・仙水悠介氏

 日本のポップカルチャーとして国内外・老若男女問わず人気を集めるマンガ文化。2021年時点でのコミック市場の規模は6,759億円とする調査もあり、巣ごもり需要による電子書籍市場の伸びも背景に大きな伸長を見せている。最近ではTwitterをはじめとするSNS上でマンガを発信するクリエイターも台頭し、そうした「Webマンガ」を商品やサービスのPRに活用するマーケティング手法も珍しくなくなっている。そうした中で株式会社Mintoは、人気漫画と企業製品をコラボさせ、Twitter上でプロモーションを行う「SNS広告×人気漫画・アニメコラボパッケージ」を提供している。同社コンテンツソリューション部・仙水悠介氏に、具体的なサービス内容や導入事例などについて取材した。

Twitterの「スポンサーシップ」を活用して配信

—— 貴社の事業内容について教えてください。

仙水:Mintoは2022年1月に株式会社クオンと株式会社wwwaap(ワープ)が統合して設立された会社で、クリエイターとともに企業のマーケティング企画と支援を行うコンテンツソリューション事業・デジタル発のIP/コンテンツをプロデュースするIPプロデュース事業・ブロックチェーン技術などを活用し、メタバースへの展開やブロックチェーンゲームの開発などを行うWeb3事業の大きく3領域で事業を展開しています。

Mintoコンテンツソリューション部・仙水悠介氏

Mintoコンテンツソリューション部・仙水悠介(せんすい ゆうすけ)氏
国内大手PR会社、D2C事業を展開するスタートアップを経て、2020年よりMinto(旧wwwaap)にジョイン。マーケティング戦略やブランディング戦略の設計、PR・広告の企画など幅広く担う。 日本のカルチャーを牽引する漫画やアニメが、さらに多方面で活躍できる経済的なポテンシャルを持つことに注目。 2021年からMintoにて新規事業として漫画やアニメ、声優とコラボしたコンテンツの企画制作を開始し、現在はコラボがよりしやすい環境設計に取り組む。

 wwwaapではTwitterなどのSNSで活躍するクリエイターと広告主をマッチングして企業のPR漫画を制作し、Twitterなどのメディアで発信していくというマーケティン支援を展開していました。この事業が現在の「コンテンツソリューション事業」に承継されており、今回ご紹介する「SNS広告×人気漫画・アニメコラボパッケージ」も、この事業で提供するサービスになります。

—— 具体的には、どのようなサービス内容になるのでしょうか。

仙水:まず広告主からマーケティングの課題や達成したい目的といった要件をいただき、それを解決するためのコラボする漫画の作品案と、制作するコンテンツの企画を提案しています。今回リリースしたパッケージは、Twitterの「スポンサーシップ」というコンテンツ制作費をTwitterが負担することで、コストメリットに優れたプロモーションが可能なパッケージです。企画制作から配信までを一気通貫で行うので、コンテンツとメディアの側面をカバーしたサービスだと思っています。
Minto概要 当社では講談社をはじめとする多くの出版社や版元とつながりがあるので、さまざまな作品とのコラボの提案が可能です。中小企業様でも話題につながるような企画や提案提案ができるのが強みですね。

 また、その世代の方には忘れられない往年の名作漫画をTwitterで投稿すると、多くのファンの方が反応してくれます。当社は様々な作品を活用して企画提案をすることも得意としていますので、先ほどもお話したように予算が限られている事業規模の小さなプロジェクトでもご提案が可能です。ぜひ活用いただきたいと思っています。

高いエンゲージメントで発話量UPに貢献

—— このプロジェクトを実施するに至ったきっかけを教えてください。

仙水:もともとwwwaapでやっていた事業を進める中で、Twitter上でPR漫画を投稿することで高いエンゲージメントを得られるという「相性の良さ」が一定の認知を得られるようになってきました。 その中で、現在アニメ化されているマンガや各出版社が刊行しているマンガ雑誌で連載されているような作品とのコラボができれば、これまでとは異なる層にリーチでき、より認知を高められる可能性があるのではないかという仮説からこのサービスをスタートさせたというのが、事業に至った経緯です。

新たな顧客認知の獲得 Twitterを活用する仕組みについても、当社はもともとTwitterで活躍するクリエイターとともにコンテンツを作ってきたという背景があるため、どのようなコンテンツが大きな話題になりやすいかというノウハウを持っています。本来制作にかかる費用がTwitterの広告配信費に内包されている分、費用を抑えながらより高い広告効果をもたらす「Twitterスポンサーシップ」を使いつつ、コンテンツを「バズらせる」ことで、認知度アップを実現しています。

—— どれくらいの効果があるのでしょうか。導入事例について教えてください。

仙水:「のだめカンタービレ」とホットペッパービューティーのコラボでは、合計約3万いいねと6,000件以上のRTを獲得することができました。Twitter社が出してるレポートの中では「Twitter上での発話量が10%増加すると売上が最大3%伸びる」と言われています。Twitter上にある「#PR」が付いている投稿と比較すると、コラボ期間中は15倍程度のリアクションが発生しました。

 このプログラムではUGC(ユーザー生成コンテンツ)の獲得に対しても非常に効果的な施策なので、ファンがコンテンツを広めることで波及的な効果が期待できるのも特長ですね。他にもYoutube上で3ヶ月限定でCMを公開した「範馬刃牙」とどん兵衛のコラボでは、動画の影響で実際に商品の販売に大きな影響があったという評価をいただきました。

商品との親和性や担当者の熱意が重要

—— このサービスにおいて成果を出すためには、どういった点がポイントになるのでしょうか。

仙水:1番は、「その作品とファンについての理解がある」ことです。どういう人が支えている作品で、どういう文脈のコンテンツを出すことで喜んでいただけるかというポイントを抑えることが不可欠です。担当者自身の熱量が、より良いものを生み出します。

 また、IPとのコラボは「SNSでどう発話されて話題になっていくのか」という過程も重要です。最初にコンテンツに気づいて発話をしてくれるのはその作品のファンなので、その作品を理解したうえでファンが盛り上がることができる要素を抑えながら、マーケティング上の本来の目的を達成するための企画へと落とし込むことで大きな成果を生み出すことができます。そのため作品の新しさや知名度にとらわれず、PRしたい製品やサービスと伝えたいコンテキストに適した作品や、作品を推す担当者自身の熱意を大事にするべきだと言えますね。人気タイトルとのコラボメリット—— 担当者自身が好きな作品とコラボすることも、有効な施策といえるのですね。

仙水:SNSマーケティングにとって最も大事なことは、そのコンテンツに対して「ファンと面白い・好きという熱量を分かち合えるかどうか」だと考えています。特にTwitterはリツイートなどを通じて発話が生まれやすいという特性があるので、コラボしたコンテンツをバズらせられるかどうかは、いかに熱量やこだわりを企画に落とし込めるかにかかっていますね。

 もちろん我々から面白い企画を提案できればとは思いますが、担当者の方がコラボ先の作品の面白さを理解したうえで一緒に企画を考えていただけると、よりコンテンツに落とし込んだディテールが精緻なものになります。コラボ先のマンガをよく知らないという場合でも、実際にその作品を読んで理解を深めることで、「こういうことをすればファンの方が盛り上がってくれるのではないか」という、より深い観点からのディスカッションもできます。

 当社のクライアントは「もともとマンガやアニメが好き」という担当者が多く、こうしたファン目線でのディスカッションなどをよくさせていただいています。最終的には、作品への愛をどれだけ反映させられるかが、Twitterでバズる良質なコンテンツを制作できるかどうかにつながってきます。

マーケティングの目的に応じて作品の「使い分け」を

—— 特に相性の良い業界や商材・ユーザー層などのセグメントがありましたらお教えください。

仙水:Twitterで展開していくことが前提となるので、やはりtoCのビジネス、特に消費材や食品・飲料の方が相性は良いと思っています。一方でBtoBの企業ブランディングでキャラクターを活用している企業もあるので、今後の可能性としてはこうしたtoBのビジネスに対してもコラボしていきたいですね。

 また特定の作品については、ファンの方がよくグッズを買ってくれたり、リアルイベントに参加してくれたりといった特性があります。基本的に作品によってファンの性質は異なるので、その施策で認知を取りたいのか、購買につなげたいのかというマーケティングの目的によって使い分けてほしいと考えています。

—— 最初から「この作品とコラボしたい」と指定する問い合わせも来るのでしょうか。

仙水:コラボしたいIPを指定される場合もありますし、目的やターゲットを明確にしたうえでどういう作品とどのような企画をやるべきかという相談をいただくこともあります。比率としては後者のほうが多いのですが、最初からコラボ先を指定されるケースも2~3割ほどあります。

 当社では国内ほぼすべての版元さんと何かしらの関係性がありますので、「この作品とコラボしたいです」とご相談いただければ、マンガだけではなく、そのアニメやその出演者とのコラボなども可能です。

—— こうしたIPを活用したマーケティングにおける、貴社の強みはどのようなところなのでしょうか。

仙水:Twitterのスポンサーシップを活用した広告商品の開発を行なったり、社内で広告運用チームを持っているなど、コンテンツとメディアの両側面を一気通貫してプランニングできることが強みの一つです。特に漫画・アニメと相性がよいTwitterにおいては、もともと「マンガ×Twitter」「アニメ×Twitter」という枠組みでビジネスを伸ばしてきた会社でもあるので、SNS上で話題になるためにはどういうポイントを抑えるべきかといった、ノウハウが社内に蓄積されており、それらを反映した施策を展開できます。
SNSコンテンツの制作ノウハウ そして何より、コラボを検討している作品やファンの性質、トレンドについての知見があるメンバーが社内に揃っています。デジタル上で広がる文脈をちゃんと理解した上で、作品そのものやファンの方が持つ熱量に応えられるコンテンツ企画に落とし込めるのも当社独自の強みですね。

効果を定量化しマンガ業界全体に貢献

—— 今後の展望についてお聞かせください。

仙水:これからはIPコラボをもっとやりやすくなるような環境を整備していきたいと考えています。デジタルマーケティングがどんどん発達しCPAなどの指標で施策の効果がわかるようになっている世の中だからこそ、できる限りコラボの成功率を高めていくような情報を示すことで、よりマーケターが社内でコラボ企画を提案しやすい、その説得材料を提供していきます。

 たとえばIPを活用した取り組みを現場レベルから上層部に通す際、現状では発行部数やアニメの視聴率といったシンプルな数字をもとに判断されていると思いますが、「その作品にどういうファンがついているか」が分からなければそのIPに投資することはなかなか難しいかと思います。

 だからこそ、今後は1つの作品にどういう性質を持ったファンがついていて、Twitterで投稿したらどれくらいの発話が予測できるかといったファンの数や熱量を可視化できる、定量的なファクトを示せるようにしていきます。

 また現在はTwitterのスポンサーシップという座組の中で展開していますが、今後はInstagramやTikTokといった他メディアでの展開も進めていきたいですね。当社ではコンテンツの制作だけ・企画だけを請け負うこともできるので、豊富な選択肢からその都度最適な提案をさせていただきたいです。

 アニメやマンガが持っているビジネス的なポテンシャルはもっと大きいと思っています。こうした広告でのコラボはもちろん、さまざまな形でコンテンツに秘められたポテンシャルを引き出し、さらに市場規模を大きくできるよう会社を挙げて取り組んでいきます!

株式会社Mintoロゴ

この度リリースした「SNS広告×人気漫画・アニメコラボパッケージ」は多くのファンを抱える漫画の出版を担う出版社とともに、Twitter社が提供する「Twitter Amplify」を活用して提供する広告パッケージ商品です。「Twitter Amplify」はTwitterで一定金額以上の広告出稿を行う場合、広告クリエイティブを制作するのにかかる費用(制作費)がその広告出稿費に内包される広告パッケージです。本来必ず発生する制作費を広告運用に回すことができる分、より多くのターゲットにリーチすることが可能です。

Mintoはデジタル×漫画・アニメのプロモーションに強みを持ちます。特に漫画・アニメと相性の良いTwitterを使ったプロモーションにおいて、国内最大級のコンテンツ納品実績を誇ります。本パッケージに限らずご予算に応じた企画・ご提案を致しますので、好きなアニメとコラボしてみたいな〜くらいの気持ちで、ぜひ気軽にご相談ください。

Mintoコンテンツソリューション事業・公式ホームページ

編集後記

 最初は1人でコラボパッケージ事業を行なっていたという仙水氏。事業を拡張するなか、「事業を作るよりも実際にコラボさせることの方が大変」だと語った。権利関係や企画・作品との相性などさまざまな制約や条件があるものの、「だからこそ自分たちのような企業がチャレンジできる隙間があると考えている」と前向きだ。
 また実際のコラボに当たっては、「クライアント側から作品の指定があると、担当者の方が熱量をもって社内で企画や決済などを通そうと頑張ってくれますし、肌感としても提案が通りやすいと感じている」としたうえで、「ディテールのこだわりが施策に生きるので、結果的に良い数字が出ることも多い」と語った。担当者自身が好きなことをマーケティング施策に組み込むことで施策の成功率が上がるだけではなく、自分の好きな作品と仕事ができるというモチベーションの増加にも繋がりそうだ。

取材・構成:MARKETIMES編集部・中島佑馬

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