企業のSNS活用を支援するテテマーチ株式会社は、当社が運営する23,000以上のアカウントが登録する国内最大規模のInstagram(インスタグラム)分析ツール「SINIS」に収集された5,971の企業アカウントおよび95,520件のフィード投稿のデータを分析し、企業アカウントの動向について独自調査した。
- 「育児」「ウエディング」では25-34歳・女性のフォロワー層が全体の40%以上を占める
- フォロワー数の平均値が最も大きいのは「WEBメディア」で55,453
- フォロワー数の中央値が最も大きいのは「出版・印刷」で10,807
- 「プロフィール閲覧率」が最も高いのは「美容サロン」で22.2%
- 「プロフィールURLクリック率」が最も高いのは「アパレル」で14.2%
- 「プロフィールURLクリック数」が最も大きいアカウントは「アパレル」カテゴリにあり、1ヶ月あたり239,956クリックが発生している
- プロフィールに掲載された「位置情報リンク」のクリック数が最も大きいアカウントは「アパレル」カテゴリにあり、1ヶ月あたり10,532クリックが発生している
目次(クリックしてジャンプ)
調査結果
フォロワーの性別・年齢 構成比
多くのアカウントで最も割合が大きいのは、Instagramのメインユーザーである「女性・25-34歳」の層。
この層はユーザー数が多く利用頻度も高いため、必然的にフォロワー割合の多くを占める。
特に「育児」「ウエディング」などのカテゴリでは40%以上のフォロワーが25-34歳・女性であった。
逆に「モビリティ」カテゴリは、自動車やバイクといった商材を扱うアカウントが多く、男性のフォロワー割合が突出して高いという結果になった。
マーケティングにおけるターゲットの概念が非常に重要なように、Instagramにおけるフォロワー属性も施策成果を振り返るうえで非常に重要な指標。
自社アカウントが属するカテゴリはどこで、どれぐらいのフォロワー構成比を目指すのが適切なのかを考慮し、戦略的なフォロワー獲得をする必要がある。
フォロワー数の平均値・中央値
カテゴリごとに「フォロワー数」の平均値・中央値を算出。(「中央値」とは、集計対象の数値を並べたときにちょうど真ん中に位置する値のこと)
平均値が多い一方で中央値が少ない場合、そのカテゴリで上位のアカウントは多数のフォロワーを獲得しているが、下位のアカウントはそこまでフォロワー数が多くない、ということを意味する。
例えば「WEBメディア」と「出版・印刷」を比較すると、「WEBメディア」の方が平均値が高く、一方で中央値が低いことが分かる。
「WEBメディア」カテゴリは「レシピ」「美容」「ファッション」「旅行」のような情報を発信するアカウントが属する。また、「出版・印刷」カテゴリには雑誌出版社のアカウントが多く含まれる。
「WEBメディア」カテゴリのアカウントは商品やサービスが不要なため、予算が少なくても立ち上げやすくアカウント数が増えやすいが、差別化が難しいため先行者利益が大きく、結果的に上位と下位の格差が大きくなり、平均値が上位アカウントに引き上げられる。
他方、「出版・印刷」カテゴリは、雑誌という既存ブランドを活用でき、かつある程度の予算をかけて運用ができるため、どのアカウントも一定のレベルまではフォロワー数を増やしやすく、結果的に平均値と中央値の差が小さくなる。
「プロフィール閲覧率」「プロフィールURLクリック率」
カテゴリごとに「プロフィール閲覧率」「プロフィールURLクリック率」を算出。
「プロフィール閲覧率」は、アカウントの「プロフィール閲覧数」を「フィード投稿のリーチ数」で割った値。投稿を見たユーザーがどのぐらいの割合でプロフィールを閲覧したのかを表す。
「プロフィールURLクリック率」は、アカウントの「プロフィールURLクリック数」を「プロフィール閲覧数」で割った値。プロフィールを閲覧したユーザーが、プロフィールに1つだけ設定できるURLをどのぐらいの割合でクリックしたのかを表す。

「プロフィール閲覧率」上位には「美容サロン」「イベント」「飲食」など実店舗や会場のあるカテゴリが並ぶ。
これらのカテゴリはフォロワー数が比較的少なく、リーチ数も少ない一方で、「行ってみたい」「どこにあるのか調べたい」と思われ、住所や営業時間などの詳細を知るためにプロフィールを閲覧される割合が高いためである。
「プロフィールURLクリック率」上位には「アパレル」「アパレル雑貨」「雑貨」など、比較的低価格でEC化率の高い有形物を取り扱っているカテゴリが上位に並ぶ。
公式通販サイトなどにアクセスして、そこから商品を閲覧したり購入することを目的にURLをクリックしているためである。
特に「アパレル」カテゴリではプロフィール閲覧者の7人に1人がURLをクリックしており、Instagram経由でのサイトアクセスが非常に多いことが分かる。
「プロフィールURLクリック数」
最も多いアカウントで月に約240,000クリックが発生している。
以前はSNSでの集客について「Instagramはダメだ、TwitterかFacebookが良い」という声が多くあった。
その理由は主に2つあった。
- TwitterやFacebookにはRTのようなシェア機能があるため、拡散性が高くリーチを増やしやすい
- TwitterやFacebookは投稿にURLを掲載できるため、サイトアクセスを獲得しやすい
実際、今もRTのようなシェア機能はなく、フィード投稿にはURLを掲載できないが、それでも多くのサイトアクセスを獲得することができるようになっている。
既にアカウントのプロフィールや過去の投稿を閲覧してからアクセスするため質も高く、他のSNS経由のアクセスに比べてCVRなども高くなると予想される。
「位置情報リンククリック数」
カテゴリごとに、プロフィールに掲載できる「位置情報リンク(クリックするとGoogleマップ等が開く)」のクリック数が2020年7月の1ヶ月間で最も多かったアカウントのクリック数。
「アパレル」「雑貨」「美容製品」など、リアル店舗で有形物を販売する業態のカテゴリが上位に並ぶ。
アカウントが気になり、実際に商品を手にとってみたいと思ったユーザーが店舗の位置情報を調べるためにクリックしているためである。
こちらも最も多いアカウントで月に10,000クリック以上が発生しており、リアル店舗への送客チャネルとしてのInstagramの価値の高まりを感じさせる。
SINISのサービスについて
SINISでは今回のようなもの以外にも大量のデータを保有しており、アカウント単位やカテゴリ単位で様々な分析が可能。
ストーリーズ投稿の「リーチ数」や「インプレッション数」、2010年10月からのフィード投稿の「いいね数」「コメント数」「保存数」「エンゲージメント率」などはもちろん、独自の分析も行っており、フォロワー属性と「保存率」の関係性、「いいね数」や「保存数」と「インプレッション数」との相関性など、これまでにない気づきを与えるような分析も得意とする。
SINISの「ビッグデータ分析プラン」として、上記のような分析を企画し、企業様にとって有用なデータをご提供するようなサービスも行っている。
【プレスリリース】