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コンサルタント業務従事者の4割がChatGPTを活用 利用用途は「情報収集」が9割【INTLOOP調査】

 コンサルティング事業、フリーランスのエンジニアやコンサルタント向けプロジェクト案件紹介事業などを行うIINTLOOP株式会社は、コンサルタント300名以上に対し、現在さまざまなシーンでの活用が進む「ChatGPT」に関するアンケート調査を行った。

調査サマリー

  • ChatGPTを業務に利用している人は4割、しかし利用者はその便利さを実感している
  • ChatGPTの使途としては、「情報収集」が9割、次いで「資料作成」が6割弱
  • 利用した人の中で「ChatGPTによりコンサルタント業務がなくなる」と大きな不安を抱える人は4%
  • 効率化を目的とした利活用には関心が高いが、複合的な条件を加味する必要があるコンサル業務への活用には不足を感じている人が多い

コンサルタント業務におけるChatGPTの利用状況

 「現在のクライアントワークにChatGPTを利用していますか」という質問に対しては、4割の人が利用していると回答した。

 「頻繁に利用している」と答えた人は13.6%で、現状ではまだ業務に浸透している段階ではないといえる。

 一方で、ChatGPTを利用した約9割の人が業務効率化につながっていると感じており、一度利用した人は継続的に利用するのではないかと考えられる。

コンサルタント業務におけるChatGPTの利用率と業務効率化への貢献の実感度の調査結果

 利用した人を対象にどのような業務に利用しているかを聞いたところ、「情報収集」と答えた人が9割を占め、次いで「資料作成」(57.4%)となった。

 また、「クライアントの戦略立案」と答えた人も25%にのぼり、企画のための情報収集から発展させた活用に至っているケースも増えてきていることが伺える。

コンサルタント業務においてChatGPTをどのような業務に利用しているかの調査結果

 また、「ChatGPTによりコンサルタント業務がなくなる不安がありますか」という質問に対しては、不安を感じていると回答した人は23%弱となった。

 しかし、「とても不安を感じている」という人は4%に過ぎず、クライアントの課題や環境により提案内容が多様になるコンサルティング業務において、ChatGPTが担う部分は少ないと感じている人が多いのではないかと考えられる。

ChatGPTによりコンサルタント業務がなくなる不安があるかの調査結果

コンサルタント業務におけるChatGPT活用可能性(多数回答のみ抜粋)

 「ChatGPTによって生まれる新たなコンサルタント業務としてどのようなものがあるか」という質問に対しては、「ChatGPTを活用したクライアントの業務効率化」(78%)が最も多い回答となった。

 「ChatGPTを活用したコンテンツ企画」(54.8%)「ChatGPTを活用した事業戦略立案」(46.7%)と答えた人が次に多く、積極的な導入が進む定型的業務支援などの効率化における活用に加え、企画などの高度な業務への活用可能性を感じている人も多いことがわかった。

 さらに、「ChatGPTの学習のためのデータセット作成」(43%)、「ChatGPTを利用する際の倫理・社会的責任に関する課題解決」(41.5%)と続き、多くの企業が関心を持ちながらも課題としている「ChatGPTの正しい使い方」にニーズを見出している人も多いことがわかる。

ChatGPTによって生まれると思うコンサルタント業務の調査結果

ChatGPTの活用アイデア(フリーワード)

 「あなたが考えるChatGPTの活用アイデアがあれば差し支えない範囲で教えてください」という質問にフリーワードで回答してもらったところ、下記のような回答があった。

  • 自身の知見のない領域について大枠で理解したい時などに、いわゆる参謀的に活用する
  • アイデア出しの際にマインドマップを作成する、プロジェクトの課題解決、メリットデメリットの比較など
  • 生産履歴やKPIデータ、人/機械/材料/方法などの関係性などのデータを与えて工場の改善点の洗い出しに利用する。さらに分析資料を作成するまでをChatGPTで行う
  • ブレインストーミングをする際のアイデア出し、資料作成の際の構成や記述内容のアイデアを得る
  • 情報の図式化や簡略化、一覧化など、収集した情報の整理

 情報収集などを中心に効率化を図り、よりクライアントに適した提案を作成するための活用が多く挙がる一方で、「コンサルタント業務はファクト・知識・経験などを組み合わせて成果を出す仕事であるため、ChatGPTで得た情報をまとめても差別化された戦略を生み出すことは難しい」「コモディティ化する知識・情報レベルの確認に利用しているが、コンサルタントは常にそれを上回る知見や洞察・示唆を出していく必要がある」など、あくまでも効率化のツールとしての利用に留めるという意見や、ChatGPTをより正確に活用できるプロンプトを与えるプロフェッショナルになることでコンサルタントとして差別化できるなどの意見も多くあった。

 自治体や企業でも前向きな導入検討が聞かれるChatGPTだが、生成される情報の正確性などにはまだ学習余地があり、現状では定型業務の効率化やシンプルなQAにおける活用が中心となっている。

 今回の調査では、コンサルタントの業務の中でも効率化を目的に利用する人が大半を占め、活用の幅が広がるにはもう少し時間を要するであろう現状が浮き彫りになった。

 しかし、2023年3月にリリースされた「ChatGPT4.0」は画像入力をはじめとして機能を向上しており、今後バージョンアップに伴う利活用の幅の拡大も想定される。

 新たな技術をどのように取り入れ、それがコンサルタントの業務にどう影響していくのか、同社は今後も注目していくとしている。

調査概要

  • 調査期間:2023年4月11 日~2023年4月21日
  • 調査機関:INTLOOP株式会社
  • 調査方法:INTLOOPが運営する「High Performer Consultant」の登録者を対象としたインター
  • ネット調査
  • 対象者:居住地 日本全国
  • 年代:20~60代
  • 性別:男女不問
  • 回収サンプル数:323

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