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WACUL、「B2BフォームAI診断」をリリース Webサイトのフォームが勝ちパターンに適合しているかを自動判定

 データ分析ツール「AI アナリスト」でマーケティングDX を自動化する株式会社WACULは、Webサイト全体を人工知能がチェックし、フォームが成果を出すポイントを押さえているかを判定する「B2BフォームAI診断」をリリースした。

 同取り組みで活用した、自然言語処理技術等を用いたウェブページ分析技術への応用について、今後も改良を継続していくとしている。

リリースの背景

 WACULではAIアナリストに連携された37,000超のサイトアクセスデータおよび12,000超の改善PDCAデータを元にサイト種別ごとに成果を出すための“勝ちパターン”を研究開発している。

 その中でもWebサイトのUIはおおむね勝ちパターンが決まっているが、未だにそれらが実装されていないWebサイトが多く存在している。

 同社はAIアナリストを導入した顧客にプロのコンサルタントが改善方針を提案しているが、人力では改善できるWebサイトに限りがあるため、WACULではWebサイトのUI(ユーザーインターフェース)が勝ちパターンに沿っているかの判定自動化に取り組んできた。

 今回は2022年8月に提供したBtoB企業のWebサイトのトップページが理想的なUIになっているかを自動判定する「B2BトップページAI診断」に続く、第2弾となる。

 前回のAI診断では、累計3,813件の分析が行われた。

 フォームはトップページと同じく、問い合わせに至るまでで最も多くの人が通る重要なページであり、この2つを最適化することで、問い合わせ数の増加が期待できる。

*業界初とはマーケティング支援会社によるAIを用いたフォームの改善ポイントを提示する機能について、2023年3月31日時点の同社調べによるもの

「B2BフォームAI診断」の機能

 BtoBサイトのフォームのURLを入力すると、顧客のWebサイトのフォームが成果の出る理想的なUIになっているかをAIが自動で判定する。

https://diagnose-b2b.wacul-ai.com/input-form/

※BtoBサイト以外のWebサイト(例: ECサイト)やフォーム以外を入力すると正しい判定結果が出力されない可能性がある

B2BフォームAI診断のサンプル画像

 AIがフォームの情報を取得し、勝ちパターンに適合しているかを自動で判定する。

 判定結果は「合格」「要改善」のいずれかが表示される。

 分析結果表示の際には、WACULの提唱する勝ちパターンに沿っていないとAIが判断する点について、「改善すべきポイント」として提示する。

主な取得情報

 ページ内のパーツ(DOM要素)について、主に以下の情報を収集する。

  • <img> や <h1> 等のHTMLタグ情報
  • 位置やサイズ等のスタイル情報
  • テキスト情報
  • リンク先が指定されている場合、そのURL文字列

B2BフォームAI診断のサンプル画像2

「勝ちパターン」の判定観点

  • ページの縦幅を極限まで圧縮する
  • 入力ステップ・入力項目は最低限のものに絞り込む
  • 離脱導線となる他ページへのリンクを削除する

など

「B2BフォームAI診断」の開発状況

 「B2BフォームAI診断」では、複数の学習器を組み合わせてフォームに含まれる適切・不適切な DOM ノードを予測している。

 現在のマクロ平均での「適合率 (precision)」、「再現率(recall)」と「F値」はそれぞれ 0.845、0.467、0.548 。

  • ※適合率 (precision) は予測の正確さを評価する指標で、1に近いほど良い予測器であることを示す値
  • ※再現率(recall)は予測の網羅性を評価する指標で、1に近いほど良い予測器であることを示す値
  • ※F値: 0〜1の値をとり、1 に近いほど良い予測器であることを示す値

 今後、アルゴリズムの見直しや学習データを増やすことで、さらに精度の高い判定ができるようになる見込みだ。

開発した予測器について

 ページ内に含まれるパーツ(DOM 要素)について、勝ちパターンに適合したものかどうかを判定する予測器を開発している。

 この予測器では、予測対象の要素の素性だけでなくその周囲の要素の素性も考慮することが特徴だ。

 今回、勝ちパターンに適合したDOM要素にラベルを付与した322ページ(DOM要素数の合計142,315)のデータセットを構築した。

 その内、約80%を訓練用ページ、約20%を評価用ページとし予測精度の評価を行った。

「B2BフォームAI診断」の活用方法

 現在は同社のコンサルタントが直接顧客のWebサイトを見て、理想的なUIになっているかを判定しているが、「B2BフォームAI診断」を利用することで顧客自身でフォームの改善が実施できるようになる。

 また、同社は今後「B2BフォームAI診断」のアルゴリズムを「AIアナリスト」に組み込むことで、より多くの顧客が利用できるようにしていく予定している。

WACULについて

 WACULは、ビッグデータとナレッジで、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するマーケティングDXカンパニー。

 2010年にデジタルマーケティングのコンサルティング事業を開始し、人工知能等を活用したデータアナリティクスの先進テクノロジーとコンサルティングを通じて蓄えた知見とを融合し、2015年から「AIアナリスト・シリーズ」を提供や組織設計から戦略立案を行うWACUL DXコンサルティング、フリーランスのデジタル人材のマッチングなど、マーケティング&セールスのDXを通じて、クライアントの売上最大化を効率的に実現する。

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