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多くの企業でDXが進展 一方DXに失敗した場合の予想損失額は平均13億円【セールスフォース・ジャパン調査】

※当資料は、2023年2月1日に米国で発表された資料(https://www.salesforce.com/news/stories/connectivity-report-2023/)を元に、日本語バージョンのレポート完成を受け、日本向けに内容を加筆・再編集したもの。

 株式会社セールスフォース・ジャパンは本日、「2023年版 接続性ベンチマークレポート」の日本語版(https://www.mulesoft.com/jp/lp/reports/connectivity-benchmark)を発表した。

 最新データによると、組織内のビジネスアプリケーションの数は過去1年間で10%近く増加し、平均で1,000を超えた。

 しかし、他アプリケーションやシステムと連携されているのは29%に過ぎず、コストの上昇、作業の重複、生産性の低下、エクスペリエンスの切断の原因となるデータサイロを生み出している。

 同調査は、こうした課題をより良く理解し、経済の不確実性が高まる中で成功を目指して組織に何ができるかを明らかにするため、セールスフォースがMuleSoft事業の一環として、1,050人のITリーダーを対象に実施した。

各部門のリーダーの効果的な投資が、IT部門のデリバリーを改善

 事業部門のリーダーは、IT 部門に今まで以上に多くのことを要求している。

 実際、企業の平均IT 投資額は1,170万ドル(約16億円)にまで増加。

 一方、今年、事業部門からリクエストされたプロジェクトのすべてを計画どおりに完了できたIT部門が増加している。

  • ITインフラストラクチャの合理化は進み、自社のITインフラに手を加えることが難しいと感じている企業は大幅に減少している。「変更を加えるのが難しい」と回答したのは54%(昨年は74%)、「新しいテクノロジーを導入するのは難しい」と回答したのは54%(昨年は70%)だった。
  • IT部門は、より多くのプロジェクトを計画通りにデリバリーできるようになった。48%の回答者が「リクエストされたすべてのプロジェクトを予定どおりに完了させた」と回答。昨年の44%から増加した。
  • この1年間、企業は1,170万ドル(約16億円)をITスタッフに費やした。ほとんどの企業(78%)が「IT予算は今後も増え続けるだろう」と予想している。

DXに失敗した場合のコストは、かつてないほどの規模に

 ほとんどの企業でDXは進展している。一方、DXのリスクがかつてないほど大きくなっていることも事実だ。

 企業がDXイニシアティブを完了できなければ、一企業あたりの損失額の平均は950万ドル(約13億円)になると予測されている。

  • カスタマーエクスペリエンス(CX)はビジネスの成功にとって最も重要な指標のひとつとなった。現在、顧客との接点の 72%はデジタル化されている。
  • 69%の企業は「予想以上に早いスピードで自社の DX が進んでいる」と回答。「DX の進捗が予想よりも遅れている」と回答した企業は、わずか 10%だった。
  • DX イニシアティブに失敗したときのコストは大幅に増加している。失敗したときの損失額は、950 万ドル(約 13 億円)にものぼると予想されており、昨年の予想金額 680 万ドル(約 9 億円)から大幅に増加した。

デジタルトランスフォーメーションの取り組みを達成できなかった祭のコストの調査結果

インテグレーションの課題が解決されないまま、アプリケーションの数は急増

 企業が使用するアプリケーションの数は、976(2022年)から1,061へと大幅に増加した。

 既存の ITエコシステムをそのままにアプリケーションを追加しようとすると、インテグレーションの課題が浮きぼりになり、DX進展の障壁がさらに高まるだろう。

 カスタム型のインテグレーション(いわゆる手組み開発) でこれらの課題解決をしようとすると、年当たり470万ドル(約6.3億円)の追加支出が必要になる。

  • 企業は、平均1,061ものアプリケーションを使用しており、その数は急速に増え続けている。これらアプリケーションのうち、他のシステムやプラットフォームと統合されているのは 29%に過ぎない。
  • 企業は、直近の1年間で、カスタムコーディングによるインテグレーションに平均 470万ドル(約6.3億円)を費やしている。 昨年の360万ドル(約4.9億円)から大幅に増加した。
  • 80%の組織にとって、DXの障壁となっているのはインテグレーションだ。「DXの進捗が予想より遅れている」と回答した企業では、この割合が90%にも上昇する。

企業が利用しているアプリケーション数と、他システムと統合されているアプリケーションの割合

コネクテッドエクスペリエンスは、顧客にとってあたり前

 36%の企業は「すべてのチャネルで完全にコネクテッドなユーザーエクスペリエンス(UX)を提供している」と回答(昨年は30%)。

 しかし、多くの企業にとってUXインテグレーションは依然として難しい課題になっている。

    • 54%の企業が、エンドユーザーエクスペリエンスのインテグレーションは難しいと感じています。この割合は、「DXが当初予想よりも遅れている」と感じている企業では、74%と高くなった。
    • 事業部門は、顧客の満足度とエンゲージメントの向上に取り組んでいる。36%の企業が、すべてのチャネルで「完全にコネクテッドなユーザーエクスペリエンスを提供できている」と回答。昨年の30%から増加した。
    • ユーザーエクスペリエンスが統合されると、以下のことが可能になる。
      • カスタマーエンゲージメントの向上(56%)
      • オペレーションの見える化(53%)
      • イノベーションのサポートの実現(51%)

すべての事業部門が自動化ソリューションを必要としている

 自動化の導入は着実に進んでいる。

 多くのIT部門は、自動化プロセスを中央で管理(67%)かつモニタリング(59%)を実施しており、IT以外の非エンジニア系部門からも自動化の導入を求める声が大きくなっている。

 このような非エンジニア部門からの要求に応えるため、ノーコードの自動化ソリューションが注目されている。

  • 効率的なビジネス成長のために、多くの企業が自動化ソリューションの導入を進めている。すべての業種業態においてRPAの導入が進んでおり、33%の企業がRPAへの投資を計画している。これは2年前の13%から20ポイントも増加したことになる。
  • 自動化は、DXにおいて重要な要素になってきている。自動化においてIT部門が担っている主な責任とは、集中的な管理(67%)とモニタリング(59%)だ。
  • データ分析(64%)、製品(62%)、業務分析(61%)など、IT以外の多くの職種や部署が、その業務の効率的な遂行のために自動化を必要としている。

インテグレーションと自動化が必要だと思う部門の調査結果

APIはコスト削減と収益最大化に貢献

 APIはDX成功のカギとなった。

 開発を合理化し、収益の38%をうみ出している。

 DXの進捗が予想よりも速く進んでいる企業のほとんど(93%)が、明確なAPIインテグレーション戦略を有している。

  • ほぼすべての企業(99%)が、パブリックAPI/プライベートAPIを使用している。最もよく使われるのは、「新しいプロジェクトのプロセス開発(53%)」、「 インテグレーション(53%)」だった。
  • 56%の企業は、「非エンジニア系のビジネス ユーザーがアプリケーションやデータソースを簡単に統合できるような、完成度の高いAPI戦略を持っている」と回答している。
  • 52%の企業が「APIがセルフサービスITの機能を支えている」と回答。2018年の35%から毎年着実に増え続けている。これはAPIがコストを抑え、効率を高めることを示している。

 MuleSoftのCTO(最高技術責任者)であるマット・マクラーティ(Matt McLarty)は、次のように述べている。

 当社では、デジタルトランスフォーメーションを目指す企業が多額の投資を行い、献身的に尽力している姿を目の当たりにしてきました。

 不透明な経済情勢の中でも、DXの取り組みは順調に進んでおり、スピードアップしている企業もあります。

一方で、インテグレーションの取り組みは遅れており、これなしではデータとアプリケーションの機能を存分に活かしきることはできません。

インテグレーションツールと自動化は、そのギャップを埋めるのに役立ち、生産性、効率性を向上し、イノベーションによる利益をもたらすことで、企業がビジネスを前進させる牽引力となる。

 「2023年版 接続性ベンチマークレポート(日本語版)」は以下のリンクからダウンロードいただける。

https://www.mulesoft.com/jp/lp/reports/connectivity-benchmark

調査方法

 セールスフォースは、MuleSoft事業の一環としてVanson Bourneと共同で、世界的な企業のITリーダー1,050人を対象に、第8回接続性ベンチマーク年次調査を実施した。

 企業がデジタルトランスフォーメーションによって実際にどれだけの価値を得ているかを明らかにし、デジタルトランスフォーメーションの目標を達成するために、ITリーダーの最も成功した戦略を解明することを目的としている。

 このオンライン調査は、2022年10月から2022年11月にかけて、米国、英国、フランス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、シンガポール、香港、日本で実施されました。調査に参加したのは、適切な候補者のみで、厳格な複数のスクリーニングプロセスを使用して検証された。

 すべての回答者は、従業員1,000人以上の官民の企業組織に勤務し、IT部門の管理職以上の役職に就いている。

*調査回答者は、過去12か月間にITスタッフ(従業員と外部請負業者)に平均11,666,820ドルを費やしたと述べている。回答を合算すると、ITチームはカスタムインテグレーションの設計、構築、テストに、平均40.31%の時間を費やしていることになる。2023年: $11,666,820 x 40.31% = $4,702,89

Salesforceについて

 Salesforceは顧客関係管理(CRM)のグローバルリーダーであり、あらゆる規模や業種の企業がデジタルトランスフォーメーションを行い、顧客を360度で見られるよう支援している。

 Salesforceの詳細については、salesforce.com/jp よりご覧いただける。

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 Salesforceのアプリケーションを購入する顧客は、現在利用可能な機能に基づいて購入を判断する必要がある。

 米国サンフランシスコに本社を置くSalesforceは、ヨーロッパとアジアにオフィスを構えており、ニューヨーク証券取引所ではティッカーシンボル 「CRM」 で取引されている。

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