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DXの責任者を設置している企業は46% 責任者設置がDXガバナンスの整備に影響大【CDO Club Japan調査】

 グローバルで DXに取り組む経営執行職である CDO(最高デジタル・データ責任者)のコミュニティを運営する CDO Club Japan は日本国内での DX の状況を把握するために、CDO Club Japanの会員ならびに一般の一部上場企業を対象に「CDO:最高デジタル責任者の設置状況ならびにDXの実施状況」に関する実態調査を実施した。

CDO:最高デジタル責任者の設置状況ならびにDXの実施状況

主な調査結果総括

  1. 「企業におけるDXの責任者」が明確になっている企業が全体の46%
  2. CDO/CIOとして「企業におけるDXの責任者」を設置している企業は、11.5%
  3. 企業におけるDXの責任者としてCDOを任命している企業が全体の約4.5%(Chief Digital Officerが2.7%、Chief Data Officerが1.8%)、CIO(Chief Information Officer)がDXの責任者を兼任している企業が全体の約7%
  4. 「企業におけるDXの責任者」がいる方が外向きの価値創造に注力される傾向にある
  5. 「企業におけるDXの責任者」がいる企業の方が組織的連携やガバナンスが整備される傾向にある
  6. 「企業におけるDXの責任者」がいる企業の中でも、特にCDO(最高デジタル責任者)がいる企業の方がDXに対する活動成果が高まる傾向にある

調査結果詳細

1. 「企業におけるDXの責任者」が明確になっている企業が全体の46%

DXの最高責任者の設置状況の調査結果

 大手企業で企業におけるDXの責任者が決まっている企業は全体の46%である。

 タイトルにこだわらなければ、誰がDXの責任者かが決まっている企業は、約半数の割合に達成しており、国内の主要企業でDXが一定の割合で認識され実行段階に入っていることが調査の結果明らかになった。

2. CDO/CIOとして「企業におけるDXの責任者」を設置している企業は、11.5%

 グローバルでは企業におけるDXの責任者に対してはCDO(Chief Digital/Data Officer)というタイトルを付与するのが標準的であるが、それは全体の45%(Chief Digital Officer が2.7%、Chief Data Officerが1.8%)となっている。

 またCIO(Chief Information Officer)が企業におけるDXの責任者を兼任している企業が全体の約7%となっている。

 これは純粋にCIOの数ではなく、企業における責任者と認識されているCIOの数となる。日本の大手企業の場合、DXを専門とするCDOよりもCIOが「企業におけるDXの責任者」を担う方が多いということになる。

 これについては様々な要因が想定されるが、一定数CIOが企業におけるDXの責任者として推進する企業が存在することが確認出来た。

3. 「企業におけるDXの責任者」がいる方が外向きの価値創造に注力される傾向にある

 「企業におけるDXの責任者」が注力・重視しているテーマについても分析した。

 企業におけるDXの責任者が設置されている企業では内部(「内部オペレーション(生産・物流・取引)」が35%)よりも「顧客とのコミュニケーションや顧客経験価値」が41%と高い。

 「製品・サービスの開発」(18%)も合わせると、企業におけるDXの責任者が設置された企業のDXは多くは内部よりも外部への意識が高いと解釈することができる。

企業のDX責任者が注力している領域の調査結果

4. 「企業におけるDXの責任者」がいる企業の方が組織的連携やガバナンスが整備される傾向にある

 同調査では、「企業におけるDXの責任者」が設置されている企業とそうでない企業によって、DXの諸要素にどのような差が生じるかを分析した。

 調査全体で様々な項目で検証しているが、代表的な違いとして企業におけるDXの責任者の有無は「DXガバナンス整備」に大きく影響していることが確認できた。

 DXでは様々な組織や部署・事業が相互に連携することが重要になるが、その「役割と連携」ならびに「全社DX戦略のマネジメント体制」ではDXの責任者の有無が大きく差が出ていることが確認できた。

 「組織全体の取り組みにDXを昇華していくためには、「企業におけるDXの責任者」の設置は必要条件である点が本調査から考察できる。

5.「企業におけるDXの責任者」がいる企業の中でも、特にCDO(最高デジタル責任者)がいる企業の方がDXに対する活動成果が高まる傾向にある

 また同調査では、「企業におけるDXの責任者」が設置されている中でもCDOとしてDXに取り組む企業と、CIOが兼務する企業と、それ以外のDXの責任者とで、どのような差が生じるかについても分析した。

 参考として項目4と同様な項目で検証した結果、CDOが明確になっている企業が他のCIOが兼務の場合、あるいはDXの責任者全体の平均よりも、「役割と連携」ならびに「全社DX戦略のマネジメント体制」で優位な結果になることが確認出来た。

 企業にとってのCDOの明確な採用と配置は、会社の戦略・方針としての意思が明確に表現される事項として組織的にも戦略的にもDXを前に進める要因となっていることが同調査で確認出来た。

企業のDX責任者のCIO設置有無の違いによるDXガバナンスの設備の違いの調査結果

調査概要

  • 調査期間:2022年7月~11月
  • 調査方法:調査票(アンケート)送付による調査ならびに個別のコールセンター調査
  • 調査対象:CDO Club Japan 会員ならびに一部上場企業のDX 担当部署
    (有効回答数:調査票送付による調査135、コールセンター調査110)

同調査の詳細について

 同調査の詳細内容については、一般社団法人CDO Club Japanの会員に限定して公開ならびに内容の解説が提供されている。

 詳しくはCDO Club Japanのホームページまで。

https://cdoclub.jp/

調査監修・協力企業

監修・調査実施

  • 神岡太郎 一橋大学教授(一般社団法人 CDO Club Japan 顧問)
  • 一般社団法人 CDO Club Japan 理事一同

協力・協賛

  • Sansan株式会社
  • オープンテキスト株式会社 Snowflake株式会社
  • Okta Japan株式会社
  • アドビ株式会社

一般社団法人CDO Club Japanについて

  CDO Club はデジタル分野における世界初の経営陣コミュニティ。

 世界各国のメンバーは10,000 人以上にものぼり、様々な領域においてプレゼンスを発揮している。

 CDO Club のメンバーになると、デジタルに関連した最新のニュースや研究報告が手に入ったり、キャリア開発支援といったサービスを受けることができる。

 また、経営陣同士の交流会や CDO サミットをはじめとする先進的なイベントに参加することも可能。

CDO Club には、デジタル分野における一流の専門家やストラテジストが所属しており、最高デジタル責任者(CDO)以外にも、下記のような様々な役職の方が在籍している。

同クラブで活動する主なCDO

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