つなぐマーケティングが運営するフリーランス情報メディア「フリーランスガイド」は、全国のフリーランス男女400名を対象に「フリーランスの働き方に関する実態調査」を実施した。
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調査結果サマリ
- フリーランスになって「1年未満」が最多で4割以上。
- フリーランスに多い職種1位は「ライター」、2位「デザイナー」、3位「エンジニア」。
- 週の稼働日数は「5日」が約3割、「7日」が約2割。
- 1日の労働時間は「1~3時間」が約5割、「3~6時間」が約3割。
- フリーランスの年収は「100万円以下」が最多で、独立系は約4割、副業系は約9割。
- フリーランスという働き方の満足度平均は「60%」となった。
「独立系(個人事業主、専業)」は32.5%、「副業系(会社員や主婦など)」は67.5%

独立系 副業系
現在フリーランスとして働いている人の7割近くは副業系フリーランスであることが分かった。
フリーランスというと、独立して仕事をしている人のイメージが強いが、フリーランスは独立系(個人事業主、専業)と副業系(会社員や主婦など)に分けられるという。
副業系フリーランスが増えている背景には、2018年に厚生労働省によりモデル就業規則が改定されたことが要因と考えられるようだ。


4割以上がフリーランスになって1年未満

フリーランスの経験年数
日本では2008年にランサーズが設立されて以来、クラウドソーシングサービスを提供する会社が増え、誰でも気軽にネット上で仕事を発注・受注できるようになった。
企業がクラウドソーシングを利用して仕事を発注し、会社員や主婦がお小遣い稼ぎのために副業を始めるケースが増えてきている。
年々フリーランス人口が増加している傾向から、フリーランスを始めて1年目の人が多いのも納得ができるとしている。
フリーランスに多い職種第1位は「ライター」、2位はデザイナー、3位はエンジニア

フリーランスに多い職業
ライターになるのは専門的なスキルや資格などが不要なため、比較的始めやすい職種と言える。
企業からの記事作成やコンテンツ作成のニーズが高い(案件数が多い)ことも、ライターを選ぶ理由となっている。
デザイナーやエンジニアなど専門職は、その職業だけしている人が多いが、ライターの場合はライターと他の仕事(動画編集・コンサルタント・栄養士・講師)を兼業している人が多いことも特徴的だった。
フリーランスの稼働日数(週)は、「5日」が28%、労働時間(日)は、「1~3時間」が49.5%

フリーランスの稼働日数と稼働時間
約5割の人は1日の稼働時間が3時間以内ですので、無理をしない働き方だからこそ毎日働けるのかもしれない。
自分の決めた時間だけ働くことができるというのも、フリーランスの良いところである。
フリーランスの年収は「100万円以下」が最多で、独立系は41.5%、副業系は87.4%。

フリーランスの年収表
ほとんどのフリーランスは稼げていないことが分かる。しかし、そんな中にも1000万円以上稼いでいる人が2人いた。
この2人の職業は、学習塾(50代男性)と飲食業(40代男性)をしている方であった。
その他、500万円以上の人には、広告企画営業やITエンジニア、社会保険労務士、デザイナーをしている方がいた。
フリーランスで一番多い悩み・不安
フリーランスの悩みとして一番多かったのは、何と言っても収入に関する悩みで、年金や健康面、将来に対する不安も多く聞かれたという。
収入が安定しない
- 安定した収入の見通しがないこと、結果的に生活に支障は出ていないが、会社員のような安定性はないことに不安はあった。自分の時間の都合や気分・状態によって働くペースを調整できることは良いと感じるが、その分自分をしっかり律していかないとパフォーマンスが維持できないと感じた。(30代男性、心理カウンセラー)
- 収入面で前職(正社員)と比べると下がってしまうことと、不安定さの心配があるので、今後、ちゃんと食べていけるのかという不安が常に頭のどこかにあること。自分が事故や病気で動けなくなった時に、仕事をどうしようか、という健康面の不安も同様にあります。(30代女性、不動産管理業)
- この先も良い依頼先になかなか出会えず、収入が増えず、その一方で貯金がどんどん減っていくのを考えると不安です。(40代女性、Webライター)
- 何よりも「安定性」に乏しい。出来高制のため収入にムラがあるし、いつでも積極的に新規の案件を獲得していかなければならないというプレッシャーもある。(40代男性、Webライター)
将来への不安
- 何も保証はありません。自分で責任を取る覚悟が必要です。そして、その覚悟は、今まで積み重ねてきたものが無いと、なかなか身につくものではありません。そして、必ず結果がついてくる保証もありません。綱渡りですが、一度はやっ
- みたかったです。(40代女性、カーテンコーディネーター)
勤め人に比べて補償が薄く保険だけでは足りないため、万が一働けなくなった時などにどうすればいいのかという不安は常にある。また現在のコロナ禍で先の見通しが立てづらいことも悩みの一つになっている。(40代男性、社会保険労務士) - 働いたら働いた分だけ収入にはなりますが、ボーナスや退職金、有給、一般で働く人が当たり前のように受け取るものや保証がないので老後が不安です。(30代女性、音楽講師)
- 保障がないので将来が見えない。このままフリーランスを続けていっていいのかと迷うことがあります。(20代男性、webライター)
頼れる人がいない
- 新規案件の難しさと、作業量、スケジュールが厳しくなった時に対処する方法が極めて少ないこと。(40代男性、ソフトウェアエンジニア)
- 契約が突然無くなってしまったり、パソコンなどの通信トラブルがダメになると全く仕事が出来なくなってしまうことです。自分ですべて対応しなければならないので、人に頼れないのがつらいです。(40代女性、Webライター)
調査概要
調査対象:フリーランス
調査日:2021年08月01日~2021年08月04日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査人数:400人(男性171人/女性229人)
【プレスリリース】