米国Backlinko社は、1180万件のGoogle検索結果を分析したSEOについての分析結果の詳細を公開した。
検索エンジンの上位ランキングと相関する要素は何かを探るために、コンテンツや被リンク、ページの速度など様々な要素について分析している。
検索結果1180万件を分析したわかったSEOについての調査結果概要
- サイトの全体的なリンクオーソリティ(Ahrefs Domain Ratingで測定したもの)が上位ランキングと強く相関していることを示している。
- 被リンクの多いページは、被リンクのないページより上位に表示される。実際、Google検索ランキングで1位を獲得しているページは、2位から3位の10社と比べて、平均で3.8倍も多くの被リンクを獲得している。
- 高い「コンテンツグレード」を持つ網羅的なコンテンツ(Clearscope指標)は、トピックを深くカバーしていないコンテンツを大きく上回った。
- ページの読み込み速度と最初のページのGoogle検索ランキングとの間に相関は見られなかった。
- 複数の異なるサイトからの被リンクを獲得することは、SEOにとって重要であると考えられる。1つのページにリンクするドメインの数は、ランキングと相関関係があることがわかった。
- Googleのタイトルタグの大部分は、検索結果のキーワードと完全に、あるいは部分的に一致している。しかし、タイトルタグにキーワードを使用することと、最初のページの上位ランキングとの間には、基本的に相関関係はない。
- ページオーソリティ(AhrefsのURLレーティングで測定したもの)はランキングと弱い相関がある。
- 単語数が上位10件の検索結果に均等に分布していることがわかりました。Googleの検索結果の1ページ目に表示される単語数の平均は1,447語である。
- HTMLページのサイズは、ランキングとは相関しない。つまり、重いページは軽いページと同じようにランク付けされる。
- URLの長さとランキングの間には非常にわずかな相関関係があることがわかった。具体的には、短いURLは長いURLよりもわずかに有利なランキングになる傾向がある。
- Schemaマークアップの使用は上位のランキングと相関しない。
- ウェブサイトの滞在時間が平均以上の場合は、Googleで上位にランクインする傾向がある。具体的には、サイト滞在時間を3秒長くすることは、検索結果の上位1位と相関がある。
詳細なデータと情報は以下の通り:
ドメインオーソリティ(ドメインの権威性)が高い場合、Google検索結果で上位にランキングされる傾向がある
ウェブサイトの網羅的なリンクオーソリティ( Ahrefs Domain Ratingを使用して測定)は、1ページ目のGoogleランキングの上位に相関していることがわかった。
そして一般的に、ドメインレーティングの平均値はSERPの位置によって増加する。
つまり、最初のページに進むほど、ドメインレーティングは高くなる傾向があるということである。
事実、ウェブサイト全体のオーソリティとランキングとの相関は、ページ自体の権威(URL レーティング)よりも強い。
重要なポイント:ドメインレーティングの高さは、Googleの最初のページのランキング上位と相関している。従って、ドメインはSERPにおいて重要な決定要因となる。
被リンクが多いページは、被リンクが少ないページよりも上位にランクされる傾向がある
今回の分析から得られた最も興味深い発見の一つは、被リンクがあるページが非常に少ないということだった。
実際には、全ページの約95%のページに被リンクが「0」であることがわかった。
この発見は、このBacklinko社とBuzzSumo社が9億1200万件のブログ記事を分析した結果と一致しており、全コンテンツの94%が被リンクが0であることがわかった。
実際、被リンクを持っているページは非常に少なく、「被リンク0」のページがデータを歪め始めていた。そこで、このランキング要因では、被リンクが0のページを除外して分析を行うことにしたという。
驚くことではないが、総被リンク数が最も多いページがGoogleで最も高いランキングを獲得する傾向があることがわかった。
ランキング1位は、ランキング2位~10位よりも平均で3.8倍の被リンクがあることがわかった。
重要なポイント:Googleはアルゴリズムに多様性を追加し続けているが、依然として被リンクが重要なランキングシグナルであるようだとBacklinko社はコメントしている。
網羅的なコンテンツがランキングの上位表示に強く関係している
SEOの専門家の多くは、網羅的なコンテンツがGoogleで最も効果的だと主張している。
言い換えれば、1つのページでトピック全体をカバーするコンテンツは、ランキングと直接的または間接的な関係を持つ可能性がある。
Backlinko社らは、この仮説を検証することにした。具体的には、1180万件のURLデータセットのサブセットをコンテンツ分析ツール「Clearscope.io」を使って実行した。
その結果、デスクトップとモバイルの両方の結果において、「コンテンツグレード」とGoogleのランキングとの間に明確な相関関係があることがわかったという。
実際、上位30件の結果を見ると、 「コンテンツグレード」 を1つ上げることは、ランキングを1つ上げることに似ており、重要な関係を示唆しているという。
例として、PaleoLeap.comのページを見てみよう:
このページは、一般的にGoogleランキングの上位表示に相関する指標を多く持っている。例えば、このページはページのタイトルタグとH1タグに正確なキーワードを使用しており、ドメインは非常にオーソリティが高い(Ahrefs ドメインレーティングで73点)。
しかし、このページのキーワードは「Paleo diet breakfasts」で9位しかない。
もちろん、このページの「コンテンツグレード」は低い。
網羅的なコンテンツがランキングに直接影響するかどうかは不明だ。
Googleは網羅的なコンテンツを好む傾向があるのかもしれないとBacklinko社はコメントしている。あるいは、ユーザーが検索結果に満足して、自分の質問に対する完全な答えを得ているかもしれない。
これは相関関係の研究であるため、この関係の背後にある根本的な理由をデータだけから特定することは不可能であるとしている。
重要なポイント:網羅的で詳細なコンテンツを書くことで、Google検索のランキングを上げることができる。
ページ読み込み速度は検索ランキングと相関しない
Googleは2010年以来、公式のランキング指標としてサイトの速度を使用してきた。
そして、Googleのより最近のスピード関連のアップデートである2018年の「Speed Update」は、モバイル検索者がより速くページを読み込めるようにするためのものだった。
しかし、Backlinko社は疑っていた。
サイトの速度は実際にGoogleランキングと相関があるのか?
Backlinko社は、彼らのデータセットから100万ドメインのロードタイムの中央値を分析するために、Alexaのドメインスピードを使用した。データセットの中の個々のページの読み込み速度を直接測定したわけではない。単にドメイン全体の平均的な読み込み速度を指標としているという。
結果として、サイト速度とGoogleランキングとの間には相関関係はなかった。
一見すると、この発見は驚くかもしれない。
サイトのページスピードがGoogleのランキングシグナルであることは間違いない。これを知っていれば、一般的に、高速なページの方が低速なページよりも優れていると考えることができるだろう。
GoogleがSpeed Updateを発表したとき、同社はこのアップデートが非常に遅いページに大きな影響を与えたことを強く指摘した。
要するに、Googleのアルゴリズムは、極端に遅いページは、速いページを優遇するように検索順位が落ちているようであるともコメントしている。
そして、backlinko社の分析によると、最初のページの検索結果の平均ページ読み込み速度は1.65秒であることがわかったという。
重要なポイント:平均的なGoogleの1ページ目の結果は1.65秒で読み込まれる。しかし、サイトの速度とGoogleのランキングとの間には相関関係は見られなかった。
被リンクのドメイン数が順位に影響する
多くのSEOスペシャリストは、同じドメインから複数の被リンクを得ることは、評価が減少するとしている。
つまり、同じドメインから10のリンクを得るよりも、10の異なるサイトから10のリンクを得た方が良いということである。
Backlinko社の分析によると、これは事実であろう。ドメインの多様性がランキングに大きな影響を与えることがわかっている。
被リンクの場合と同様に、トップの検索結果は最初のページの下位のランキングのページよりも多くのリンクドメインがある。
重要なポイント:多様なドメインからのリンクを得ることがSEOには重要である。
Google検索結果の最初のページに表示されるほとんどのタイトルタグには、その検索と完全に一致する、または部分的に一致するキーワードが含まれている
検索エンジンの初期の頃から、タイトルタグはページ上で最も重要なSEO要素と考えられてきた。
タイトルタグは、人々(と検索エンジン)にページの全体的なトピックの概要を与えるため、タイトルタグに表示される言葉は、おそらくランキングに大きな影響を与えるはずであるとしている。
実際、GoogleのSearch Engine Optimization Starter Guideでは、そのページがどのようなものであるかを説明するタイトルタグを書くことを推奨している。
Googleの1ページ目にあるほとんどのタイトルタグには、ランクインしたキーワードのすべてまたは一部が含まれていることがわかっている。
キーワードでランキングされるほとんどのページはそのキーワードをタイトルタグに入れているが、キーワードに最適化されたタイトルタグは、最初のページでの上位ランキングとは相関関係がないとしている。
キーワードが豊富なタイトルタグは、検索ランキングを上げる少しのテクニックになるかもしれない。
しかし、一度1ページ目に入ってしまうと、タイトルに正確なキーワードを使用しても、順位を上げるのに役立たないという。そこで、他の要因(被リンク、ユーザーエクスペリエンスシグナル、ドメインオーソリティなど)が大きな役割を果たしているように見えるという。
重要なポイント:Googleのトップ10の結果に表示されるページは、そのタイトルタグにランキングされているキーワードの65%から85%が含まれている。しかし、キーワードに最適化されたタイトルタグと1ページ目のランキングの上位表示との間には、ほとんど相関関係がないことがわかった。
キーワード最適化されたH1タグは、1ページでのランキングを上げることはできない
タイトルタグの分析結果と同様に、Googleの検索結果のほとんどのページは、そのページのH1タグに一致するキーワードを含んでいる。
また、キーワードにマッチしたH1タグは、基本的にGoogleの上位ランキングとは関係がない。
重要なポイント:タイトルタグの最適化と同様に、H1はGoogleの最初のページをクラックするのに役立つ要素かもしれない。しかし、キーワードの多いH1は、1ページの検索ランキング内でさらに上位に押し上げるほどの要素にはなりえないだろう。
ウェブページオーソリティ (URL レーティング)は順位の上昇とわずかな相関関係がある
ドメインレーティングに加えて、さらに詳しく分析した。
ページの全体的なリンクオーソリティはランキングに影響を与えるか?
つまり、特定のページへの被リンクを獲得することの方が重要なのだろうか。それとも、サイトの全体的なドメインオーソリティの方が重要なのだろうか。
そのため、Backlinko社はページオーソリティ(Ahrefs URL Ratingで測定)とランキングの相関関係を調べた。
結果として、URLレーティングとランキングには関連性があることがわかったが、その関連性は小さかったと結論づけている。
具体的には、上位6位にランクインしているページは、7~10位のページ(URLレーティング:11)と比較して、URLレーティング(URLレーティング:12)がやや高い。
しかし、この相関関係は、サイトのドメインレーティングがランキングに与える影響ほど強くはなかった。
全体としては、ほとんどのURLレーティングは上位10位までの間で似たような傾向を示していた。
また、今回のデータセットに含まれるすべてのページで、Googleでの1ページ目の結果の平均URLレーティングは11.2であることがわかった。
重要なポイント:ウェブサイトの各個別ページのリンクオーソリティは、あなたのサイトの全体的なドメインオーソリティと比較して、ランキングへの影響は比較的小さい。
Googleの1ページ目の検索結果の平均単語数は1,447語
※内容は英語の単語数になります。
長文のコンテンツは200語程度の短いブログ記事よりも優れているのだろうか。
一般的な研究では、短いブログ記事よりも長いコンテンツの方がバックリンクを多く蓄積する傾向があることがわかっている。
確かに、Googleでランキングされているコンテンツは長文になる傾向があることがわかった。
全体的に見ると、Googleトップ10の結果の平均単語数は1,447語(英語)であった。
しかし、長文コンテンツはリンク構築に最適な傾向があるにもかかわらず、単語数とランキングの間に直接的な関係はないことがわかりました。
これは相関関係の研究なので、長文のコンテンツがなぜGoogleの最初のページに表示される傾向があるのかを正確に指摘することは不可能であるとしている。
重要なポイント:単語数は検索ランキングと相関がない。Googleの最初のページの結果の平均ワード数は1,447ワードである。
ページのHTMLサイズはランキングとは無関係
無駄なページの削除(総バイト数で見ると)はGoogleのランキングに影響を与えるのだろうか。
この分析によると、答えは「いいえ」であるという。
ページサイズとランキングの間には相関関係はないと結論付けている。
ただし、SEOコミュニティのユーザーは、肥大化したHTMLを持つ大きなページは不利だと推測している。
重要なポイント:ページサイズはGoogleのランキングに影響を与えないと考えられる。
短いURLは長いURLよりもわずかにランクが高い傾向にある
Googleは「単純なURL」の使用を推奨しており、「非常に長い」 URLを使用しないようにアドバイスしている。
しかし、これらのGoogleによるアドバイスは、SEOよりもユーザーエクスペリエンスのためにURLを最適化することに重点を置いていると受け取れる。
そこで、Backlinko社はURLの長さとランキングの関係を調べることにした。
結果、短いURLの方が長いURLよりも上位にあることがわかった。
特に、検索ランキング1位のURLは、検索ランキング10位のURLより平均して9.2文字短い。
トップ10の平均のURLの長さは66文字であることがわかったという。
しかし、全体として見ると、Googleの1ページ目にあるほとんどのURLは、長さがほぼ同じ(40から100文字)
短いURLは、いくつかの異なる理由でSEOを改善する可能性があるという。
第一に、短いURLは自然検索のCTR(クリック率)の向上につながる可能性がある。実際、Backlinko社の大規模な自然検索のCTR調査では、短いURLの方が長いURLよりも高いCTRを持っていることがわかっている。
第二に、短いURLは、Googleがページの内容を理解するのに役立つ可能性がある。
例えば、backlinko.com/my-post のような短い URL は、backlinko.com/1/12/2022/blog/category/this-is-the-title-of-my-blog-post pageid=891/よりも Google が理解しやすいのは誰がみてもわかるだろう。
最後に、長いURLは、ホームページから数クリックしたページを指す傾向がありる。これは通常、そのページに流れているオーソリティが少ないことを意味する。権威が少ないということは、順位が低いことを意味する。
重要なポイント:短いURLは高いランキングと相関関係がある。Googleの1ページ目のURLは平均66文字。
構造化マークアップとランキングに相関関係はない
ここ数年、SEOコミュニティーでは構造化に関する議論が多くなされた。
Google自身も、構造化がランキングに与える影響については曖昧である。
多くの人は、構造化マークアップによって検索エンジンがコンテンツの意味をよりよく理解できると考えている。
多くのサイトが構造化を使用して、SERPでリッチスニペットを表示させている。
しかし、このような潜在的なメリットがあるにもかかわらず、構造化を実装しているサイトは非常に少ないことがわかった。
Googleの1ページ目に表示されるページのうち、構造化を使用しているのは72.6%に過ぎないことがわかった
そして、backlinko社の分析によると、構造化データの存在はGoogleのランキングとは何の関係もなかったという。ランキングとは関係はないが、ページの内容を適切に伝える手段としては、非常に有用ではないだろうか。
重要なポイント:構造化マークアップはGoogleの上位ランキングとは直接相関していない。
平均以上の「サイト滞在時間」を持つウェブサイトは、Googleで上位にランクされる傾向がある
SEOの世界では、Googleが「ユーザーエクスペリエンスシグナル」(バウンス率、サイト滞在時間、オーガニッククリックスルー率、ポゴスティッキングなど)をランキング要因として使用していると推測している人が多くいる。
[clink url=”https://marketimes.jp/rankbrain-the-definitive-guide/”]
この理論を検証するために、Backlinko社は、サイト全体のサイト上の時間を決定するためにAlexaを介して私たちのデータセットからドメインのサブセットを実行した。次に、サイト上の時間とGoogleの1ページ目のランキングとの間に相関関係があるかどうかを分析した。
分析結果としてサイト滞在時間とランキングの間に強い関係があることがわかった。
具体的には、サイト滞在時間がランキングの上位表示と強く相関していることを発見したという。
一般的に、Googleの1ページ目の結果に対するサイト滞在時間の平均は2.5分だった。
ここで注意すべきは、サイト滞在時間とランキングの上位表示との直接的な関係を示唆しているわけではないということである。
もちろん、Googleはサイト滞在時間やバウンス率のようなものをランキングシグナルとして使用するかもしれない(以前にbacklinko社は否定しているが)。あるいは、質の高いコンテンツの方が人々のエンゲージメントを高めているという事実もあるかもしれない。したがって、サイト滞在時間が高いということは、Googleが測定している質の高いコンテンツの副産物であるといえるとBacklinko社は考えている。
これは相関関係の研究なので、Backlinko社ののデータだけでは判断できない。
重要なポイント:Googleの1ページ目の結果に対するサイト滞在時間の平均は2.5分。また、サイト滞在時間とGoogleランキングの間には強い相関関係があることがわかった。しかし、これが相関関係なのか因果関係なのかは、今のところ不明としている。
【参考】