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約半数のITエンジニアのキャリア不安は、自分の技術やスキルの陳腐化【パーソル総合研究所調査】

株式会社パーソル総合研究所は、ITエンジニアの就業意識に関する調査結果を発表いたします。本調査は、ITエンジニアの人手不足が課題となる中、ITエンジニアの就業意識に関する定量的なデータや知見を提供し、企業経営や人事に資することを目的に実施した。

調査結果概要

ITエンジニアのキャリア不安ランキング

ITエンジニアのキャリア不安をランキング化すると、1位は自分の技術やスキルの陳腐化で46.5%、3位は新しい技術やスキルの習得で43.6%となった。ITエンジニアはそれ以外の職種と比べて、技術やスキルに関する不安感が高いことが定量的に明らかとなった。企業としてはITエンジニアが技術やスキルを研鑽する機会を積極的に提供すべきと考えられる。

ITエンジニアのキャリア不安ランキング

ITエンジニアの年収

①年収と転職意向の関係性

年収と転職意向の関係性をみると、ITエンジニアは年収が高いほど定着しやすい傾向にある。ITエンジニアの場合、職務に見合った市場価格とすることで、それ以外の職種以上に定着の効果が現れる可能性がある。

図表2.年収と転職意向の関係性

図表2.年収と転職意向の関係性

②希望年収と現年収の差

ITエンジニアの希望年収と現在の年収の差は150.1万円、それ以外の職種における差は141.4万円(図表3)。ITエンジニアの方が8.7万分ギャップが大きく、給与に関してより不満を抱えている可能性がある。

また、希望年収と現年収のギャップの大きさは、ITエンジニアでは転職意向を上げ、それ以外の職種では管理職意向を下げる(図表4)。ITエンジニアの場合、転職市場に求人ポジションが相当数あり、どの会社でも通用するスキルを持っていることが背景にあると考えられる。それ以外の職種の場合、低い給与に見合った働きぶりにとどめようという意識が働いていると考えられる。

図表3.希望年収と現年収の差

図表3.希望年収と現年収の差

図表4.希望年収と現年収のギャップと転職意向・管理職意向との関係性

図表4.希望年収と現年収のギャップと転職意向・管理職意向との関係性

③エンジニアの職種別・役割別の年収

希望年収と現年収に最も差がある職種はセキュリティエンジニアであり、181.7万円ものギャップがある。人材の希少性を背景に給料面で不満を抱えている可能性が高く、注意が必要。

図表5.ITエンジニアの職種別・役割別の年収

図表5.ITエンジニアの職種別・役割別の年収

④プログラミング言語別の年収

ITエンジニアが使っているプログラミング言語別に希望年収と現年収をみると、最も差が生じたのはTypeScriptであり、226.6万円ものギャップがある。給料面で不満を抱えている可能性が高く、注意が必要。

図表6.言語別の年収(複数選択)

図表6.言語別の年収(複数選択)

ITエンジニアの残業

ITエンジニア全体の月平均の残業時間は18.2時間。職種別にみると「IoTエンジニア」「ネットワークエンジニア」「インフラエンジニア」の順で、残業時間が長い。役割別にみると「プロジェクトマネージャー」「プロダクトマネージャー」といった調整機能を担う場合に長時間労働となる傾向が見られた。

図表7.ITエンジニアの残業時間

図表7.ITエンジニアの残業時間

ITエンジニアの入社理由ランキング

ITエンジニアの入社理由ランキング1位は安定して働ける環境で53.8%。2位は成長できる環境で40.4%、3位は技術を伸ばせる環境で38.3%となり、ITエンジニアの成長志向が強い傾向が伺える。

図表8.ITエンジニアの入社理由

図表8.ITエンジニアの入社理由

ITエンジニアの学習

ITエンジニアとそれ以外の職種の学習実施率で大きく差が開いたのが「資格取得のための学習」で11.1%の差。「通信教育、eラーニング」は5.1%の差。ITエンジニアの副業が語られることが多いが、「副業・兼業」で差は見られなかった。

図表9.ITエンジニアとそれ以外の職種の学習実施率(複数回答)

図表9.ITエンジニアとそれ以外の職種の学習実施率(複数回答)

ITエンジニアの勤務場所

現在(調査期間の2020年9月)、ITエンジニアが在宅勤務している割合は38.1%、ITエンジニア以外の職種が在宅勤務している割合は24.1%となり、ITエンジニアは在宅勤務で働きやすいことが定量的に明らかとなった。

図表10.ITエンジニアとそれ以外の職種の勤務場所(調査期間の2020年9月時点)

図表10.ITエンジニアとそれ以外の職種の勤務場所(調査期間の2020年9月時点)

【プレスリリース】