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製造業のためのWebを活用した用途開発マーケティング

製造業のための Webを活用した用途開発マーケティング

製造業が持っている技術や製品を、今まで使われていた領域ではなく、新しい領域で使ってもらえるようにすることを「用途開発」と呼びます。

用途開発は、技術開発と同様に製造業にとって重要な活動の一つです。

本記事では、製造業がWebマーケティングにより用途開発を成功させるためのポイントについてご紹介します。

用途開発マーケティングのメリット

多くの製造業が抱えている課題として、同じ技術を既存の市場へ長年提供することで、次第に競争が激しくなり、競合企業に仕事を奪われてしまったり、技術を高く買ってもらえなくなったりしてしまう、というものがあります。

そのような状況を脱するために、新しい技術を開発するという打ち手がありますが、新しい技術の開発には大きなコストがかかりますし、既存の市場が縮小傾向だと、新しい技術への需要が生まれづらく、あまり有効な打ち手になり得ません。

これに対し、既存の技術を新しい市場へ展開する「用途開発」を実現できれば、成長性のある市場へ参入できるきっかけとなり、場合によっては既存の市場では考えられないほど高く技術を買ってもらえる可能性も出てきます。用途開発のためのマーケティング活動は先述した課題に対する有効な打ち手といえるでしょう。

既存の技術を新しい市場へ展開する「用途開発」を実現

用途開発マーケティングが難しい理由

メリットの大きい用途開発マーケティングですが、一般的なマーケティングとは考え方や進め方が異なるため、まだ手法が確立されていないのが現状です。

一般的なマーケティングの場合は、はじめにターゲットを選定し、そのターゲットへどのように情報を伝えていくか、を考えていきます。この方法だと確実に届けたい情報を届けたい相手に届けられるため、短期間で成果に結びつきやすいというメリットがあります。しかし、言い換えれば、ターゲット以外には情報が伝わりづらいということです。

これに対し、用途開発マーケティングは、より多くの技術者へ自社の技術を知ってもらうために、敢えてターゲットを絞らずまんべんなく情報が伝わるようマーケティング活動を行います。

用途開発マーケティング

また、未来の投資の種を見つけるための活動となり、成果が出るのが中長期的となってくるので、企業としてはなかなか予算を確保しづらい面があります。さらに、技術情報を外部へ積極的に発信していかなければならないので、情報流出などのリスクに敏感な企業にとっては導入のハードルが高い活動と言えます。

MFTフレームワークを使い技術の棚卸しを行う

先述したとおり、用途開発マーケティングは、一般的なマーケティングとは進め方が大きく異なります。後者はターゲットありきで物事を考えていきますが、前者では、より多くの技術者へ技術を知ってもらうことが必要です。そのため、はじめに「技術の棚卸し」を行います。
技術の棚卸しでは「MFTフレームワーク」を使うことをおすすめしています。MFTは、Market(市場)、Function(機能)、Technology(技術)の略語で、技術と市場の間にある機能に着目することで、技術を活用できる市場を幅広く検討できるフレームワークです。これを使い自社の技術を要素分解していきます。

MFTフレームワークの使用例として「ガラスコーティング技術」

MFTフレームワークの使用例として「ガラスコーティング技術」を題材に取り上げてみます。まずガラスコーティング技術が持つ機能について洗い出し、次に機能ごとにどのような用途(市場)で活用できるのかを考えていきます。こうすることでより多くの用途(市場)を想像できます。

技術の棚卸しは、さまざまな部署のメンバーを巻き込んで行うことをおすすめします。なぜなら、営業やマーケティング部門のメンバーは常日頃から顧客と接しているため、用途(市場)寄りの情報を多く持っているからです。また、研究開発や生産部門のスタッフであれば、技術寄りの情報を多く持っていることが考えられます。さまざまな部門のメンバーが集まったほうが、より多くのアイディアが創出できる可能性が高まります。

また、MFTフレームワークにより技術を要素分解したものを、「技術MAP」として常に自社内で共有し、更新を行えるような状態にしておくことをおすすめします。

技術を棚卸しすることでより多くの技術者へ情報が届きやすくなる

次に、MFTフレームワークを使って技術の棚卸しを行うメリットについて説明します。技術者が技術探索時に使用する検索キーワードは、技術者の業界や製品の開発フェーズなどにより大きく異なりますが、MFTいずれかの視点によりキーワード検索を行います。

  • Market視点で技術探索するユーザ・・・技術の用途名をキーワードとして使用
  • Function視点で技術探索するユーザ・・・自身が抱えている技術課題をキーワードして使用
  • Technology視点で技術探索するユーザ・・・解決できる可能性のある技術の名称をキーワードとして使用

MFTフレームワークを活用し、技術をMFTそれぞれの切り口から要素分解し、それらの要素をWebコンテンツ化します。こうすることで、MFTそれぞれの切り口により技術探索を行う技術者に対し、自社のWebサイトへ足を運んでもらえる可能性を高めることができます。

Webマーケティングによる技術の用途開発の進め方

最後に、技術の用途開発を目的としたWebマーケティングの進め方とポイントについてご紹介します。

STEP① 技術の棚卸しを行う

MFTフレームワークなどを使って、技術の棚卸しを行います。
【STEP①のポイント】
・各部門のメンバーを巻き込むと様々なアイデアが出るのでおすすめ
・ここで作成した技術MAPを保管し、随時更新していく

STEP② Webコンテンツを企画する

棚卸した技術の各要素をコンテンツ化するための企画を考えます。
【STEP②のポイント】
・検索キーワードの検索需要を調査した上で優先順位をつけて実施する
・見られなければ意味がないので、SEO対策を考慮して企画する

STEP③ Webコンテンツを制作する

コンテンツを制作し、Webサイトに掲載します。
【STEP③のポイント】
・コンテンツ化するネタがなくても努力して作り出す姿勢が必要
・社内での制作が難しい場合は社外のリソースも検討する

STEP④ アクセス(問い合わせ)分析

アクセスや問合せ内容を分析し、技術MAPの更新要素を探っていきます。
【STEP④のポイント】
・分析結果をもとに技術MAPに付け加えられる情報を探り更新していく

STEP①〜④をひたすら繰り返して行う中で、技術の新たな用途を見出していきます。中長期的な成果を求める姿勢を念頭に、Webコンテンツを作り続けるための人員や予算の確保をしっかり行ったうえで進めていきましょう。

まとめ

今回は用途開発マーケティングの進め方についてご紹介しました。
ご説明したとおり、用途開発を目的としたWebマーケティングは、一般的なマーケティングの進め方とは大きく異なります。
Webマーケティングによる用途開発を進めるには、技術の棚卸しからはじめていただき、それに合わせたコンテンツを制作し、アクセスや問合せの分析をしっかり行って下さい。また、これを繰り返し続けることで技術MAPを成長させていくことも大事です。

テクノポートでは、用途開発を目的としたWebマーケティング支援を積極的に行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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