アドビ株式会社は、9月1日の防災の日に向けて、企業の総務担当者500名を対象に「社内データの備えと管理」に関する調査結果を発表した。
本調査は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、企業のBCP(事業継続計画)対策としてテレワークや書類のデジタル化がこれまで以上に重要になっている中、契約書などの書類が社内でどのように扱われ、保管・管理されているか調べるため、従業員数30名から300名の中小・小規模企業、および301名以上の企業総務担当者、計500名を対象に行ったもの。
今回の調査では、企業データをバックアップしていると回答した割合は全体の68.4%で、クラウドサービス活用を含む社内以外の場所に遠隔地バックアップができていると回答した割合は、全体の32%にとどまる結果となった。
- 「書類管理」紙を使わずデジタル管理できている わずか11%
- 企業データのバックアップ実施率 68.4%
- 社内以外の場所への「遠隔地バックアップ」まで実施は32%
- 「書類を紙に印刷して一人ずつ回覧確認」67.4%で慣例化
目次(クリックしてジャンプ)
書類データの管理・保管を紙で行っている83.8%
社内書類を紙で保管していると、新型コロナウイルス感染症が拡大している中でも捺印のためだけに出社する必要があったり、水害や火災などの災害時に文書紛失リスクを招いたりするなど、企業の事業継続にも大きな影響を与える。
そこで社内の書類データの管理方法を聞いたところ、紙を使わずデジタルデータで管理できていると回答した企業は全体の11%にとどまり、特に従業員数300名以下の企業では7.6%と低い結果となった。
多くの企業が書類を紙ベース管理している実態がわかった。
社内データのバックアップ 2割が未実施、中小・小規模企業で顕著
中小企業庁などでは、企業のBCP対策として社内データのバックアップを推奨している。
そこで、情報のコピーやバックアップを取っているかを聞いたところ、バックアップの実施率は全体の68.4%で、ほとんど取れていない、または全く取れていないという回答が2割以上に上った。
特に従業員数300名以下の中小・小規模企業で、バックアップの実施率が低い傾向が見られた。
また、社外にバックアップが取れていると回答した割合は全体の32%にとどまる結果となり、遠隔地バックアップはあまり進んでいない実態もわかった。
確認が必要な書類、未だ7割が印刷して一人ずつ確認していると回答
テレワークが進み、稟議プロセスをオンライン化する企業も増えている。
そこで契約書類や社内データなど、複数の人で確認する必要がある際、書類を紙で印刷して一人ずつ回して確認したりするようなシーンが社内にあるかを質問したところ、頻繁にあるが22.6%、ときどきあるが44.8%と合わせて7割近くの企業で紙での確認が慣例化していることもわかった。
アドビ株式会社 マーケティング本部 バイスプレジデント 秋田 夏実は次のように述べている。
「新型コロナウイルスの感染拡大はさることながら、自然災害の多い日本では中小・小規模企業でもBCPの策定が重要となります。洪水や地震等の災害が起こる度に、紙だけで保存されていた各種重要資料が失われるという事例が頻発しています。9月1日の防災の日を前に、社内の情報管理や従来紙で行われてきた稟議プロセスの見直しとともに、データのバックアップや管理負担の軽減の観点からもクラウドサービスの積極的活用が重要です。」
【プレスリリース】