金融機関がコンテンツマーケティングを成功させるためのコツ:①営業部は、広告審査部と共犯関係を結ぶべき

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いまや猫も杓子もコンテンツマーケティングの現代。銀行をはじめとする金融機関もコンテンツマーケティングやオウンドメディアを実践しようとしています。

ただ、金融機関は業種特性上、「提供できるモノやサービス」に差が出づらいことも事実。ローンの金利だって運用商品の利回りだって、ほとんどが横並びですよね。

そんな状況の中、金融機関としての優位性や差別化ポイントを顧客に訴求することはなかなか難しいものです。

それでは、金融機関において「コンテンツマーケティングを成功させるポイント」とは何なのでしょうか。

本記事では、その作成における注意点やポイントなどを数回にわたって連載していきます。

金融機関における「コンテンツ制作あるある」

コンテンツを作る時の肝は「編集」です。

編集とはつまり、すでにある情報を組み合わせて、必要なものをスポットライトを当て、不要なものを削除していくということ。

ただ、金融機関では、コンプライアンスと金融商品取引法上、これが極めて難しいのです。

例えば、投資性商品の記事コンテンツを作るとします。もちろん、「必ず得する」、「絶対損はしない」などとは書いてはいけませんが、その商品を魅力的に見せるときに、クリエイティブとして最適な言い回しがあります。

例えば、「ゼロ金利のいま、預金だけでなく、投資信託などでお金を育てましょう」

こんな感じになります。

しかし、営業部がそれを提案したとしても、必ず問題になるのが、広告審査部とのやり取り。

広告審査部は、コンプライアンス部とともに、顧客からのクレームや金融庁からの注意を回避するために、文言をチェックしていきます。

もちろん金融機関にとってなくてはならない機能なのですが、このチェックが変に働いてしまうと、めちゃくちゃな文章が出来上がってしまいます。

短くて切れ味のいい前述のキャッチコピーも

「いつまで続くかは現時点では不明だが、ゼロ金利政策が続いたとしたら、預金による金利は多くの場合、貯蓄に大きな好影響を与えないため、投資信託などの投資性商品が検討される。ただし、投資信託などの投資性商品は元本割れリスクが想定されることからうんぬんかんぬん~~」

と、冗長で意味不明な文章になっていきます。

まぁ、この例は極端ですが、中立性と顧客の保護の観点を過度に意識しまうと、言葉の切れ味が悪くなっていくのは事実なのです。

これは、金融機関マーケティングあるあるの一つだと思います。

営業部と広告審査部が同じ目標に向かって共犯関係を結ぶこと

この事態を解消するために必要なことは一つ。

営業部と広告審査部が、「共犯関係」になることです。

構造的に、金融機関における「言葉のマーケティング」には、「100%完全な情報」は存在しません。

前述の通り、商材を魅力的に見せる肝は、「編集」。

つまり、いらない情報、もしくは優先度が低いと考えられる情報を、あえて排除していく作業が最も重要なのです。この作業と、100%完全な情報をその中に込むべき、という考え方はそもそもがそう反しているため、永遠にかみ合わないのです。

このことを営業部、広告審査部、コンプライアンス部などが共通認識として持つことが重要です。

完全な情報を作ることが目標でなく、あくまで、金商法の観点や顧客への誤認を回避しつつ、お客様に有効な情報やメッセージを伝えるための文章は何か?という共通の観点が作り出されるのです。これが、我々がいう「共犯関係」です。

営業部、マーケティング部の方で、同様の環境から、「思い通りの記事コンテンツをつくれない」という方も多いのではないでしょうか。そんなときは、ぜひ、その文章を作る目的を、広告審査部の担当者と議論する場を設けてはいかがでしょうか。

※本記事は株式会社デファクトコミュニケーションズ様より提供いただいた寄稿記事になります。


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ABOUTこの記事をかいた人

Hiroki Takahashi

㈱デファクトコミュニケーションズ代表。2004年、新聞記者としてキャリアをスタート。金融系記事制作に従事後、楽天グループに参画。金融事業向けマーケティングを多く手がけたのち、アクセンチュアにてメガバンク、地方銀行向けデジタル戦略支援を経て現職。